保有耐力横補鋼を満足していますか。
確認申請や適合性判定で嫌というほど聞くフレーズです。大手ゼネコンは横補鋼材の特許を持っていて、そもそも横補鋼材を入れなくても良いという製品もあるみたいです。良いですね~。
そもそも横補鋼材とは?
そもそも横補鋼材は大梁の横座屈を防ぐための部材。黄色本によれば、横補鋼材の箇所数は、大梁断面二次半径の170倍までのスパンを許容しています。
横補鋼材を入れるだけで満足しない!
横補鋼材を入れるだけで満足していけません。
本当に横補鋼材が機能するためには横座屈したとき発生する曲げモーメントが小梁の高力ボルトで伝達できるか確認する必要があります。
つまり、横座屈するとき大梁下端が回転しようとする。この力Fは小梁と大梁との偏心距離e分の曲げモーメントを伝達しましょう。
大抵、小梁の接合部は持たない。
この計算方法でいくと大抵小梁の接合部は持ちません。2―M16じゃ持たない。4本打ちにしよう。とか、ボルトピッチを広げよう、火打ち材を入れようとか補強が必要になるのです。
小梁断面が大きければ大きいほど、ボルト本数が多くなるし、偏心距離が短くなるから安全側になってきます。
ただ、小梁断面を決めるときは、あくまでも変形と応力のチェックで算定しているから、横補鋼材としての検討は後手になります。
横補鋼材が必要ない場合
一方、横補鋼材が必要ない場合もあります。上記に明記したようにスパンが短い場合や、断面二次半径が大きくて横座屈しない大梁です。
ただ、横座屈による許容曲げ応力度の低減は考慮しましょう。よって、横座屈が必要ないという判定で、fbの低減を受けて部材が持てば、横補鋼材の検討は不要です。
こんな面倒な作業をシステム化したいものです。大梁と小梁の組み合わせだけなので可能なはずですよ。