実務をしてから驚いたことの1つ、それが『計算外』という言葉です。計算外とは、計算をしなくても明らかにOKということ。
一番簡単な例でいうと、『剛体』です。
剛体とは何か?
剛体とは全く変形しない部材です。全く変形しない物に力を加えるとどうなるか?これは剛体が『平行移動』します。剛体は自らの形は保ったまま、移動するだけ。
ゆえに、剛体自身には変形も応力も発生しません。
計算外になる部材は?
例えば『RC壁』です。設計条件によっては、全く変形しない剛体となります。
また、荷重が一切作用しない部材も計算外です。例えば鉄骨部材のように、軽い材料で外力がなければ計算外としてOKです。
他にも、意匠上設けた『RC壁』とか。
仕様規定=計算外。
仕様規定とは、『この通りに図面を描けば計算しなくていいよ。』というもの。例えば、黄色本には柱脚のアンカーボルト本数や長さ等細かい規定があります。
ただ、仕様規定は必然的に不経済となります。計算したほうが少ないボルト本数にできるからです。
鉄骨小梁のボルト本数は計算外で決めている。
鉄骨小梁のボルト本数は、実際いちいち計算しません。では、どうやって本数を決めているかというと?
・梁せい200→2本
・梁せい300→3本
・梁せい400→4本
といったように決めます。
ボルト径は小さい規模の建物だと、M16で十分です。ただし、荷重が大きいとせん断力のチェックも必要です。
まとめ
もしかすると、事務所ごとに計算外の決め方も違います。
上司の経験でこんな部材は計算しなくても持つ。というのが計算外となるかもしれませんね。