許容曲げ応力度を算定するとき、fb=89000/(lb×h/Af)と、もう1つの新式を比較して大きい値を用いていると思います。
大きい値を用いて良いので、ほとんど、fb=89000/(lb×h/Af)式で許容応力度は決まります。新しい式はさらに低減されているからです。
では、両者ではどのくらい値が違うのか?整理しました。
新式を用いた場合、7~9割程度許容応力度は低い。
下図は、横軸が梁断面(例えば200はH-200x100x5.5x8)、縦軸が許容曲げ応力度です。算定に必要な座屈長さLb=3000、補正係数C=1としました。赤色が旧式、青色が新式の値。
明らかに、新式の値は低いといえます。旧式の場合、H350からは上限の156に達したので一定です。
また、旧式のH250とH300で値が同じです。計算ミスかな、と思ったのですが分母の係数(梁せいと梁フランジ面積の比率)が全く同じ値になるためです。
新式では、H400以降値が低下しています。これは、H400より大きいサイズの断面二次半径が小さくなっているから。
次に旧式と新式で、許容曲げ応力度(新式÷旧式)の比率をグラフ化しました。
新式を使うと概ね7割くらい、許容曲げ応力度が低下します。一方、H300だけは旧式の耐力が大きくならないので、旧式と新式が近い値になったのです。
上記をみると、「比較して大きい値を用いてよい」ということはを旧式しか有り得ないことになります。小梁の設計なんて、皆さんギリギリの検定比(0.90)を狙って設計しているわけで、理論上、ほとんどの建物で小梁がNGになりかねませんし・・・。
今後も使うことがなさそうです。
それでは。