構造設計に関すること

埋め込み柱脚にしたときの支点について

ども、tyazukeです。

これまで、柱脚の納まりを埋め込み柱脚にした経験は少ないです。

が、某有名構造設計事務所では頻繁に行われているようですね。理由は、柱頭と柱脚に作用する曲げモーメントが半分くらいになるから。柱の断面を少しでも小さくできます。

ちなみに、「某有名構造設計事務所」はこの方なんですけども。

佐藤淳|佐藤淳構造設計事務所のアイテム (現代建築家コンセプト・シリーズ)

 

一方、僕は納まりを考えるのが大変なのと設計が簡単なので、露出柱脚か根巻き柱脚にすることが多い。特に、露出柱脚の場合は既製柱脚を使えますから計算する必要なし!図面も簡単!といいことばかり。

 

さて、とはいっても一応経済設計を考えています。以前、柱断面を小さくすること、層間変形角を小さくする理由で埋め込み柱脚にしたことがあります。皆さんの中には、設計で初めて埋め込み柱脚を使った!、という人もいるのでは。

今回は埋め込み柱脚について特集します!

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支点は固定端にすること。

埋め込み柱脚にしたなら支点は固定端にします。露出柱脚⇒根巻き⇒埋め込みの順番で固定度が大きくなります。もちろん、固定端にすることで固い骨組みとなりますから、層間変形角は小さくなり、応力の負担も小さくなります。部材に対しては、合理的な設計方法ですね。

また、鋼構造規準や接合部指針には埋め込み柱脚にした場合の、柱の剛性について詳しい取り扱いがしてあります。

柱の長さは基礎梁ー1.5D(Dは鉄骨柱)とすること。

のように、支点の位置は基礎梁天ー1.5Dとなります。

 

可能なら仕様規定を満足させるのもアリ。

構造、意匠との納まりで余裕があるなら仕様規定を満足させる方法もアリです。埋め込み柱脚は鉄骨柱せいの2倍以上を埋め込む必要があります。

これを必ず満足させましょう。また、ヘリ空きは柱せい以上としましょう。最後に、U型補強筋を配置することで、埋め込み柱脚が支圧で抜け出すような破壊を防ぎます。

 

以上が埋め込み柱脚の仕様規定になります。これを満足すれば、計算で確認する必要はありませんから簡単ですね。

 

柱本数が少ないとか、階高が大きい時に良いかも。

今回、埋め込み柱脚について特集しました。実感として、階高が大きい鉄骨造とか柱本数が少ない建物に有効かなあと思いました。

逆に、柱本数が多い建物だと、元々、層間変形角に困ってないので埋め込み柱脚にするメリットが少なそうです。

また、構造のモデル化上は埋め込み柱脚を固定端としていますが、現実はどうかわからないわけで、個人的にはモデル化を信頼するのは危ういかなと思います。

 

応力が半分になるといっても、簡単に柱をワンサイズ小さくするよりは、ある程度余裕を見込んでおくことが必要かなと。

特に、静定構造なんかに埋め込み柱脚を使う場合は要注意で、あまり固定端を信用しすぎるのもどうかと思いますね。

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