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常置信号機の種類とは?主信号機5つと従属信号機3つの分け方を整理

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信号機の名前が7つも出てきて、どれがどの仲間なの?

主信号機と従属信号機って、どこで分かれるの?

この記事の要点

主信号機とは、場内・出発・閉そく・誘導・入換の5つをまとめた呼び方です。

遠方信号機は従属信号機の側で、現示が灯列式なのは中継信号機です。

定義に出てくる停車場・列車・車両は、省令に意味が定められています。

信号機の肢は、種類の分け方と、それぞれの定義に分かれます。

1級で3年度出ており、2級では出ていません。分け方を聞く年度が2つ、定義を1か所だけ狂わせる年度が1つです。

主信号機は5つ、遠方信号機は従属信号機

令和5年度 1級 No.45 選択肢2(公表正答は選択肢2)

遠方信号機(主信号機に分類されるものとして不適当)

  • 主信号機:場内・出発・閉そく・誘導・入換の5つ。
  • 従属信号機:遠方・通過・中継の3つ。遠方信号機はこちらです。
  • この年度は主信号機から3つ、従属信号機から1つを並べています。
  • 閉そく信号機と誘導信号機は、この年度の肢に出ていませんが主信号機です。
  • 中継信号機は従属信号機で、令和2年度のほうに出ています。
  • 肢の4語だけで覚えると、閉そくと誘導が抜けます。

言い換えると、「遠方という語が並んでいたら、それが主信号機から外れる側」ということです。

どこに向かう列車を受ける信号機か 停車場 駅・信号場・操車場(省令 第2条) 場内信号機 進入する列車 出発信号機 出る列車 閉そく信号機 閉そく区間に進入 入換信号機 入換をする「車両」 令和4年度は、この場内の役目を 出発信号機の名前に付け替えた
受け持つ相手をイメージでつかむための模式図です。実際の信号機の配置や本数を表したものではありません。正しいのは、停車場に進入する列車を受けるのが場内信号機で、入換信号機だけが「車両」を相手にするという点だけです。

常置信号機は信号の一部で、現示を伝える仕組みは他にもあります。

年度ごとに狂わせる場所は1か所

令和2年度は、現示の方式を聞きました。

令和2年度 1級 No.46 選択肢2(公表正答は選択肢2)

中継信号機(現示が灯列式の信号機として適当)

「適当なもの」を選ばせる形なので、中継信号機が灯列式だと分かります。残る3つは選ばれなかった側です。

令和4年度は、定義を1か所だけ書き換えました。

令和4年度 1級 No.45 選択肢1(答え)

出発信号機とは、停車場に進入する列車に対する信号機をいう。

同じ問の選択肢2には「場内信号機の停止信号現示により停止した列車を構内に誘導する」とあります。停車場に進入する列車を受けるのは場内信号機です。その役目を出発信号機の名前に付け替えたのが、この年度の答えです。

定義の語は省令に根拠がある

停車場の線路に敷くレールの側は、レールの種類と用途ロングレールで扱います。架線から電気を取る側は直流き電離線の防止です。

肢に出てくる「停車場」「列車」「車両」は、日常語ではなく省令が意味を定めた語です。

鉄道に関する技術上の基準を定める省令 第2条(定義)

五 本線 列車の運転に常用される線路をいう。

六 側線 本線でない線路をいう。

七 駅 旅客の乗降又は貨物の積卸しを行うために使用される場所をいう。

八 信号場 専ら列車の行き違い又は待ち合わせを行うために使用される場所をいう。

九 操車場 専ら車両の入換え又は列車の組成を行うために使用される場所をいう。

十 停車場 駅、信号場及び操車場をいう。

入換えを行うのは操車場で、そこで動かすのは「車両」です。本線を走るのが「列車」です。だから令和4年度に並んだ4つの肢の中では、入換信号機だけが「車両に対する」になります。

ただし規格そのものを見ると、車両を相手にする信号機はもう1つあります。

JIS E 3013:2001 鉄道信号保安用語(主信号機5つの定義)

場内信号機 停車場に進入する列車に対する信号機。

出発信号機 停車場から進出する列車に対する信号機。

閉そく信号機 閉そく区間に進入する列車に対する信号機。

誘導信号機 場内信号機又は入換信号機に進行を指示する信号を現示してはならないとき、誘導を受けて進入する列車又は車両に対する信号機。

入換信号機 入換えをする車両に対する信号機。

誘導信号機の相手は「列車又は車両」です。令和4年度の肢は場内信号機の側だけを書いた短い形になっていました。

令和4年度の答えを正しく直すと、出発信号機は停車場から進出する列車に対する信号機です。「進入」と「進出」の1文字が入れ替えられていました。

信号機 肢に置かれた定義 相手
誘導信号機 場内信号機の停止信号現示により停止した列車を構内に誘導する信号機 列車
入換信号機 入換をする車両に対する信号機 車両
閉そく信号機 閉そく区間に進入する列車に対する信号機 列車
出発信号機 停車場に進入する列車に対する信号機(令和4年度の答え) 列車

例えば、「車両に対する」と書いてあれば入換信号機です。他の3つはいずれも「列車に対する」と書かれています。

では、主信号機や従属信号機という区分は、どこで決まっているのか。規格に定義があります。

JIS E 3013:2001「鉄道信号保安用語」

2009 常置信号機 一定の場所に常置してある信号機で、主信号機、従属信号機及び信号附属機の総称。

2010 主信号機 一定の防護区域をもっている信号機で、場内信号機、出発信号機、閉そく信号機、誘導信号機及び入換信号機の総称。

2016 従属信号機 主信号機に従属する信号機で、遠方信号機、通過信号機及び中継信号機の総称。

2020 信号附属機 主信号機又は従属信号機に附属して、その信号機の指示すべき条件を補うために設ける進路表示機及び進路予告機の総称。

言い換えると、「主信号機は防護区域を持ち、従属信号機は主体の現示を予告または中継する」ということです。

従属信号機3つは、それぞれ何に従属するか

3つとも、従属する相手が決まっています。

同(従属信号機3つの定義)

遠方信号機 場内信号機に従属して、その外方で主体の信号機の信号現示を予告する信号機。

通過信号機 出発信号機に従属して、その外方で主体の信号機の信号現示を予告し、停車場通過の可否を知らせる信号機。

中継信号機 場内信号機、出発信号機又は閉そく信号機に従属して、その外方で主体の信号機の信号現示を中継する信号機。

  • 遠方信号機:場内信号機に従属して予告する
  • 通過信号機:出発信号機に従属して予告し、通過の可否を知らせる
  • 中継信号機:場内・出発・閉そくのいずれかに従属して中継する

予告が2つ、中継が1つです。令和5年度で遠方信号機が主信号機から外れたのは、場内信号機に従属する側だからです。

信号附属機のほうも、規格が2つを名指ししています。

同(信号附属機2つの定義)

進路表示機 場内信号機、出発信号機、誘導信号機又は入換信号機を二つ以上の進路に共有するとき、その信号機に附属して、列車又は車両の進路を表すもの。

進路予告機 場内信号機、出発信号機、閉そく信号機、遠方信号機又は中継信号機に附属して、次の場内信号機又は出発信号機の指示する列車の進路を予告するもの。

常置信号機は、主信号機5つ・従属信号機3つ・信号附属機2つの合計10種類で組み立てられています。

省令のほうは、種類と現示の方式を鉄道事業者に定めさせています。

鉄道に関する技術上の基準を定める省令 第117条(その他信号の現示に関する事項)

第113条から前条までに定めるもののほか、信号は、係員がその現示により列車等を運転するときの条件を的確に判断することができ、かつ、列車等の運転の安全を確保することができるよう、その種類、現示の方式及び条件並びに取扱いを定めて用いなければならない。

規格が区分を決め、省令が現示の方式を事業者に定めさせる形です。

現示の装置そのものには、別の条があります。

鉄道に関する技術上の基準を定める省令 第55条(鉄道信号の現示装置等)/第115条(信号の兼用禁止)

第55条 鉄道信号の現示装置及び表示装置の構造、現示又は表示の方法並びに施設方法は、誤認を与えるおそれのないものでなければならない。

第115条 信号は、二以上の線路又は二種以上の目的に兼用してはならない。ただし、列車等の安全な運転に支障を及ぼさない場合は、この限りでない。

1つの信号機が2つの目的を兼ねられないので、目的ごとに名前が分かれます。

信号機の名前と、転てつ器や連動装置の名前は、信号保安の用語で並べて確かめられます。

過去問でどう問われたか

3年度とも1級で、同じ7語を別の角度から聞いています。

  • 令和2年度 1級 No.46:現示の方式(場内/中継/出発/閉そく)/答え=中継信号機
  • 令和4年度 1級 No.45:定義の正誤(出発/誘導/入換/閉そく)/答え=出発信号機の選択肢1
  • 令和5年度 1級 No.45:主信号機かどうか(場内/遠方/入換/出発)/答え=遠方信号機
  • 出発信号機は3年度とも並びます。扱いは年度で違います。
  • 場内信号機と入換信号機は2年度ずつ並びます。
  • 中継信号機と遠方信号機は、それぞれ1年度だけ出て、その年度の答えになりました。

まちがえやすいポイント

1年度しか出ていない語が、その年度の答えです。

中継信号機は令和2年度だけ、遠方信号機は令和5年度だけ並びます。見慣れない語が1つ混ざっていたら、そこが答えの側です。

遠方信号機がどの分類に入るかは、JIS E 3013が従属信号機として定めています。現示の方式のほうは、省令が鉄道事業者に定めさせている事項です(第117条)。分類は規格、方式は事業者と分かれています。

混同しやすい語

場内信号機と出発信号機:令和4年度は、出発信号機に「停車場に進入する列車に対する」という説明が当てられて誤りになりました。

入換信号機と誘導信号機:入換信号機は入換えをする車両に対するもの、誘導信号機は場内信号機又は入換信号機に進行を指示する信号を現示してはならないとき、誘導を受けて進入する列車又は車両に対するものです。

中継信号機と遠方信号機:どちらも従属信号機です。中継信号機は主体の現示を中継し、遠方信号機は場内信号機の現示を予告します。

列車と車両:令和4年度に並んだ4つの肢の中では、入換信号機だけが「車両」で、他の3つは「列車」です。規格まで見ると、誘導信号機の相手も「列車又は車両」です。

信号機の種類と信号保安の用語:閉そく・現示・連鎖などの語の定義は、別の年度で別系統の問として出ています。

3年度とも1級だけで、2級には出ていません。

信号機の種類の肢は、次の順に見ます。

  • 問の主語を読む:分類なのか、現示方式なのか、定義なのかで見る場所が変わります。
  • 1つだけ見慣れない語を探す:中継・遠方が混ざっていたら、そこが答えの側です。
  • 列車か車両かを読む:車両と書いてあるのは入換信号機です。
  • 進入と出発を読む:出発信号機に「進入する列車」と書いてあれば誤りです。
  • 主信号機は5つ:場内・出発・閉そく・誘導・入換。ここに無い語が答えの側です。

理解度チェック

Q.

主信号機に分類されないとされたのはどれか?

遠方信号機です。同じ問の場内信号機・入換信号機・出発信号機は、主信号機として正しい側に置かれています。

Q.

現示が灯列式の信号機として選ばれたのはどれか?

中継信号機です。場内信号機・出発信号機・閉そく信号機は選ばれませんでした。

Q.

入換信号機は何に対する信号機か?

入換えをする車両に対する信号機です。令和4年度に並んだ他の3つの定義は「列車に対する」と書かれていました。規格では誘導信号機の相手も「列車又は車両」です。

Q.

令和4年度で誤りにされた記述はどれか?

出発信号機を「停車場に進入する列車に対する信号機」とした記述です。停車場に進入する列車を受けるのは場内信号機で、同じ問の選択肢2にその語が出てきます。

まとめ

  • 主信号機は場内・出発・閉そく・誘導・入換の5つ(JIS E 3013:2001)。遠方信号機は従属信号機。
  • 現示が灯列式なのは中継信号機。場内・出発・閉そくは選ばれなかった。
  • 誘導信号機・入換信号機・閉そく信号機の定義は、そのまま正しい肢に置かれた。
  • 出発信号機に「停車場に進入する列車に対する」と書いた肢は誤り。
  • 1年度だけ並ぶ語(中継・遠方)が、その年度の答えになっている。
  • 従属信号機3つは従属する相手が違う。遠方=場内に従属して予告/通過=出発に従属して予告/中継=場内・出発・閉そくに従属して中継
  • 常置信号機は主信号機5つ・従属信号機3つ・信号附属機2つ(進路表示機・進路予告機)の10種類。
  • 出発信号機の正しい定義は停車場から進出する列車に対する信号機

参考資料

  • JIS E 3013:2001 鉄道信号保安用語(用語「常置信号機」「主信号機」「場内信号機」「出発信号機」「閉そく信号機」「誘導信号機」「入換信号機」「従属信号機」「遠方信号機」「通過信号機」「中継信号機」「信号附属機」「進路表示機」「進路予告機」)
  • 国土交通省「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年国土交通省令第151号)第2条・第55条・第115条・第117条
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「1級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)令和2年度・令和4年度・令和5年度
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