T
ロングレールの肢が4つ並ぶと、どれも正しく読めちゃう。
継目の話とまくらぎの話が混ざってて、区別がつかない…。
この記事の要点
ロングレールとは、200m以上の長さのレールのことです。
継目を継目板で接続すると書いた肢が答えでした。
規格はロングレール化のためにレールを溶接すると定めています。継目を残すつなぎ方とは噛み合いません。
ロングレールの肢は、長さの話と継目の話に分かれます。
規格の用語を並べると、狂わされた場所がそのまま見つかります。
JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」
レール 車輪を直接支持、誘導する部材。
定尺レール 標準長さのレール。
ロングレール 200m以上の長さのレール。
規格が定めているのは長さの下限です。標準長さのものは定尺レールと呼び分けます。用途で分かれるレールの名前はレールの種類と用途にまとめました。
継目を溶接で無くすと、話は軌道の他の部分へ移ります。
平成30年度 2級(前期)No.37 選択肢3(答え)
ロングレールの継目は、間げきを設け、継目板によって接続する。
JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」
レール溶接 ロングレール化などのため、レールを溶接すること(溶接種別としては、ガス圧接、フラッシュバット溶接、エンクローズドアーク溶接、テルミット溶接がある)。
言い換えると、「ロングレールは継目を無くしたレールなので、継目板でつなぐという書き方と噛み合わない」ということです。
肢に出てきた「間げき」も、規格では別の名前を持ちます。継目まわりの語を並べると、どちらの側の話かが見えます。
| 用語 | 規格の定義 |
|---|---|
| レール継目 | レールとレールの接続部 |
| レール遊間 | レール継目部の前後のレール間のすきま |
| 絶縁継目 | 軌道回路の絶縁箇所に使用するレール継目 |
| 伸縮継目 | ロングレールの端部に敷設して、レールの伸縮を許容する継目 |
肢の「間げき」は、規格ではレール遊間です。すきまを設けるつなぎ方は、継目を持つレールの側の話になります。ロングレールに関わる継目は、端部の伸縮継目だけです。
同じ継目でも、軌道回路の絶縁箇所に入れる絶縁継目は目的が別です。そちらは軌道回路と信号保安の用語で扱います。車輪との接触で進むレール摩耗は、定尺レールでもロングレールでも起きます。
同じ問の残る3肢は、いずれも正しい側でした。
選択肢1の裏づけは、別の年度にあります。例えば、令和2年度1級No.54は「伸縮継目は、ロングレールの端部に設置し、温度変化によるレール伸縮を処理する装置である」を正しい側に置きました。動くのは端の側だけで、そこに伸縮継目が入ります。
まくらぎが何をする部材かも、別の年度が示しています。
平成26年度 1級 No.54 選択肢1/令和2年度 1級 No.54 選択肢3(どちらも正しい側)
道床は、砕石あるいは砂利で構成され、荷重を路盤に分散させ衝撃を吸収し、まくらぎを保持し、レール座屈を防止する。
まくらぎは、車両の荷重を道床に伝え、レールの位置と角度を保つ機能がある。
まくらぎはレールの位置と角度を保ち、道床と組んでレールの座屈を防ぐ部材です。長い1本を敷くロングレールで、まくらぎの選び方が問われるのはこのためです。
レールが長手方向に動く現象と、それを抑える金具にも規格の名前があります。
JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」
レールふく進 レールが長手方向へ移動する現象。
アンチクリーパ レールのふく進を抑制するためにレールに取り付ける金具。
レール締結装置 レールを、まくらぎ、スラブなどに締着する装置の総称。
ふく進は長手方向への移動、レール伸縮は温度による伸び縮みで、別の現象です。
混同しやすい語
レール継目と伸縮継目:レール継目はレールとレールの接続部、伸縮継目はロングレールの端部に敷設して伸縮を許容する継目です。
間げきとレール遊間:肢の「間げき」は、規格ではレール遊間と呼ばれる、継目部の前後のすきまです。
ロングレールと定尺レール:200m以上がロングレール、標準長さが定尺レールです。
レール伸縮とレールふく進:伸縮は温度による伸び縮み、ふく進は長手方向への移動です。別の現象です。
絶縁継目と伸縮継目:絶縁継目は軌道回路の絶縁箇所に使うもので、目的が違います。
ロングレールを主題にしたのは2級の1年度だけで、ほかの年度では4肢のうちの1つとして出ています。
主題以外の年度では、ロングレールはいずれも正しい側に置かれました。狂わされたのは継目のつなぎ方だけです。
ロングレールの肢は、次の順に見ます。
ロングレールの継目はどうつなぐか?
規格は、ロングレール化などのためにレールを溶接すると定めています。継目板によって接続すると書いた肢は答えになりました。
ロングレールの長さは規格でいくつ以上か?
200m以上です。標準長さのものは定尺レールと呼びます(JIS E 1001:2001)。
ロングレールの端部に入る継目を何というか?
伸縮継目です。ロングレールの端部に敷設して、レールの伸縮を許容する継目と定義されています。
レールが長手方向へ移動する現象を何というか?
レールふく進です。これを抑える金具がアンチクリーパです。温度による伸び縮みはレール伸縮で、別の現象です。
参考資料
※ この記事の規格・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
継目という語が出てきたら、どちらの意味かを見てください。
ロングレールに関わる継目は端部の伸縮継目だけです。間げきと継目板は、継目を残すつなぎ方の言葉です。
長さが制限される理由は、選択肢4にレール交換の作業性のためと書かれています。長い1本ほど交換の手間が増えるという話で、規格の長さの定義とは別の観点です。