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レール摩耗とは?曲線と勾配ですすむ場所と、炭素量が効く向きを整理

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レールってどこで減るの?条件が4つ並ぶと分からなくなる…。

炭素量も、増えると何がどうなるの?

この記事の要点

レールとは、車輪を直接支持し、誘導する部材のことです。

摩耗は勾配区間のほうがすすむ側です。平たん区間がすすむと書いた肢が答えでした。

レール鋼は炭素量が増えると固さと耐摩耗性が上がり、伸びと溶接性が下がります。問われるのはどちらに動くかという向きで、摩耗量の数値ではありません。

レールの肢は、どこが減るかという話と、材質の話に分かれます。

3年度とも、狂わせているのは1か所だけです。

4肢のうち向きが逆なのは1つだけ

平成30年度2級(後期)No.37は、レール摩耗そのものを主題にした唯一の問です。4肢を並べます。

平成30年度 2級(後期)No.37 の4肢

選択肢1 レール摩耗は、通過トン数、列車速度など運行条件に大きく影響を受ける。(正しい側)

選択肢2 曲線では、外側レールの頭部側面の摩耗が内側レールよりすすむ。(正しい側)

選択肢3 レール摩耗低減には、焼入れレールの使用が効果的である。(正しい側)

選択肢4 一般に平たん区間のレール摩耗は、勾配区間よりすすむ。(答え)

選択肢1は摩耗の要因(通過トン数・列車速度)、選択肢2はすすむ場所(外側レールの頭部側面)、選択肢3は低減策(焼入れレール)です。3つとも、この年度では動かされていません。

言い換えると、「摩耗はレールの側だけで決まるのではなく、どう使われたかと、どこが当たるかで決まる」ということです。

焼入れレールは、硬さを上げて摩耗に強くする側の対策として置かれています。この向きは、下の炭素量の肢が示す「固さが増すと耐摩耗性も増す」と同じ方向です。

狂わされたのは選択肢4の1か所だけです。平たんと勾配が並んだら、勾配の側がすすむと読みます。

どこで、どちらがすすむか 曲線部(断面) 内側レール 外側レール 頭部の側面がすすむ 車輪が外側に押しつけられる 区間の比較 平たん区間 勾配区間 こちらがすすむ 「平たんのほうがすすむ」と書いたら答え
すすむ場所をイメージでつかむための模式図です。レールの断面や勾配の角度は実物どおりではありません。正しいのは、曲線では外側レールの頭部側面がすすみ、区間では勾配側がすすむという向きだけです。

炭素量が増えると、固さと引き換えに伸びが落ちる

平成30年度 1級 No.54 選択肢2/令和7年度 1級 No.50 選択肢4(どちらも正しい側)

レール鋼は、成分の炭素量が多くなるほど固さ、耐摩耗性が増すが、伸び、溶接性が低下する。

炭素量が増えると 性質
上がるもの 固さ耐摩耗性
下がるもの 伸び溶接性
  • 2年度とも一字一句同じ文で、どちらも誤りにされていません。
  • 7年をおいて同じ文が再登場しています。
  • 摩耗に強くする方向と、伸びや溶接に有利な方向は両立しないという書き方です。

例えば、焼入れレールで頭部を硬くする手も、耐摩耗性を上げる側の対策です。

規格が定めるのはレールの役割まで

JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」

レール 車輪を直接支持、誘導する部材[JIS E 1101参照]。

定尺レール 標準長さのレール。/ロングレール 200m以上の長さのレール。

この規格が定めているのはレールの役割と長さまでで、レールの定義そのものがJIS E 1101を参照する形になっています。参照先の JIS E 1101 は「普通レール及び分岐器類用特殊レール」という規格です。試験で問われるのは、炭素量と性質がどちらの向きに動くかという関係のほうです。

まちがえやすいポイント

摩耗の問は、3肢が要因・場所・低減策で埋まります。

残る1肢が2つの条件を比べる形なら、そこが答えの側です。平たん区間と勾配区間を比べた肢が、この年度の答えでした。

この問は「最も不適当なもの」を選ぶ形なので、答えの肢を裏返せば正しい向きが決まります。平たん区間より勾配区間のほうがすすむ、が正しい側です。

混同しやすい語

レールの摩耗とトロリ線の摩耗:別の系統です。トロリ線の側はトロリ線の性能の記事で扱っています。

頭部側面と頭頂面:曲線でよりすすむとされたのは、外側レールの頭部側面です。

耐摩耗性と溶接性:炭素量が増えると耐摩耗性は上がり、溶接性は下がります。向きが逆です。

焼入れレールと定尺レール:焼入れレールは硬くしたもの、定尺レールは標準長さのものです(JIS E 1001)。

通過トン数と列車速度:どちらも運行条件として同じ肢に並び、正しい側でした。

過去問でどう問われたか

年度・級・問 問われ方 レール関係の肢の扱い
平成30年度 2級(後期)No.37 レール摩耗 平たん区間がすすむとした肢が答え
平成30年度 1級 No.54 軌道構造の記述 レール鋼の肢は正しい側(答えは道床の厚さの肢)
令和7年度 1級 No.50 軌道構造の記述 レール鋼の肢は正しい側(答えは緩和曲線の肢)
  • 摩耗そのものを主題にしたのは2級の1年度だけです。
  • 1級では、レール鋼が他の論点に混ざる4肢の1つとして2年度に出ています。
  • 1級の2年度は、どちらもレール鋼以外の肢が答えでした。

レールの摩耗と材質の肢は、次の順に見ます。

  • 2つの条件を比べている肢を探す:平たん区間と勾配区間の比較が答えでした。
  • 外側か内側かを読む:曲線でよりすすむのは外側レールの頭部側面です。
  • 炭素量の向きを読む:固さと耐摩耗性が上、伸びと溶接性が下です。
  • 要因の肢は飛ばす:通過トン数と列車速度は正しい側です。
  • 焼入れレールの肢も飛ばす:摩耗低減に効果的として正しい側でした。

理解度チェック

Q.

レール摩耗がすすむとされたのは平たん区間か勾配区間か?

平たん区間がすすむと書いた肢が答えになりました。勾配区間のほうがすすむ側です。

Q.

曲線ではレールのどこがすすむか?

外側レールの頭部側面です。内側レールよりすすむと書かれ、正しい側でした。

Q.

レール鋼の炭素量が増えると何が上がり、何が下がるか?

固さと耐摩耗性が上がり、伸びと溶接性が下がります。2年度とも一字一句同じ文で正しい側でした。

Q.

摩耗の低減策として挙げられたのは何か?

焼入れレールの使用です。効果的であるとして正しい側に置かれました。

まとめ

  • 摩耗は通過トン数・列車速度など運行条件に大きく影響される。
  • 曲線でよりすすむのは外側レールの頭部側面
  • 摩耗低減には焼入れレールの使用が効果的。
  • 平たん区間が勾配区間よりすすむと書いた肢が答え。
  • レール鋼は炭素量が増えると固さ・耐摩耗性が上がり、伸び・溶接性が下がる。2年度とも正しい側。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成30年度1級・平成30年度2級・令和7年度1級
  • 日本産業規格 JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」(レール・定尺レール・ロングレール)
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