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レールの名前が5つ並ぶだけの問なのに、どれも正しく見える。
ガードレールとトングレールとサードレールって、何が違うの?
この記事の要点
レールの種類とは、走行用の本線レールのほかに、分岐器や脱線防止のために置かれるレールの区分のことです。
名前と用途は、日本産業規格に定義があります。
出題で狂わされるのはサードレールの1か所だけです。電気を送る側のものを、帰線と書き替えて作られます。
レール類の肢は、名前と用途を1対1で並べる形で出ます。
まず、名前と用途の正しい組を押さえます。
レールをつないで長くしたものがロングレールで、継目を減らして乗り心地を良くします。曲線部ではカントとスラックを付け、軌道変位が出ていないかを測ります。
日本産業規格 JIS E 1001:2001「鉄道-線路用語」
ガードレール 脱線防止又は脱線した車両の軌道外への逸走防止などを目的として、本線レールに沿って敷設する設備の総称。脱線防止レール、脱線防止ガード、安全レールなどがある。
ロングレール 200m以上の長さのレール。
定尺レール 標準長さのレール。
中継レール 異種のレールの接続に用いるレール。
伸縮継目 ロングレールの端部に敷設して、レールの伸縮を許容する継目。
分岐器 一つの軌道を二つ以上の軌道に分ける軌道構造。
規格が定めているのは、ガードレールは目的、ロングレールと定尺レールは長さです。分岐器の中で使うレールの名前は、出題の正しい側の肢で確かめられます。
| 名前 | 用途 | 根拠 |
|---|---|---|
| ガードレール | 脱線防止・脱線した車両の逸走防止(設備の総称) | JIS E 1001:2001 |
| トングレール | 分岐器のポイント部。動いて開通方向を決める | 令和3年度・令和6年度2級 選択肢2(正しい側)/平成26年度・平成30年度1級「転換装置は…トングレールを駆動して開通方向を転換する」 |
| リードレール | 分岐器のポイントとクロッシングとを連絡する | 令和6年度2級 選択肢4(正しい側) |
| ロングレール | 200m以上の長さのレール | JIS E 1001:2001 |
| 定尺レール | 標準長さのレール | JIS E 1001:2001 |
| サードレール | 電車線の架設方式のひとつ。走行レール付近に設置して車両へ電気を送る | JIS E 2001:2002 3101(導電レール〔サードレール〕〔第三軌条〕)/令和5年度2級 No.30(架空単線式に該当しない方式として答え) |
| 帰線レール | 走行レールを帰線回路として使わずに、別途帰線電流を流すための導電レール | JIS E 2001:2002 3201 |
言い換えると、「サードレールは電気を送る側、帰線レールは電気を戻す側」ということです。ここが入れ替えられます。
レールは走る面としてだけでなく、電気の通り道にもなります。
架線から取る方式は架空単線式で、サードレールとは電気の取り方が違います。
2年度とも答えになったのは、サードレールの肢でした。
令和3年度 2級(前期)No.36 選択肢3/令和6年度 2級(後期)No.34 選択肢3(どちらも答え)
令和3年度 サードレールは、車両からの帰線に用いられる。
令和6年度 サードレールは、車両からの帰線として用いられる。
助詞が1語変わるだけで、中身は同じ文です。位置も2年度とも選択肢3で動きません。
では、サードレールは本来どちら側のものか。別の年度がそれを示しています。
令和5年度 2級 No.30(電車線の架設方式のうち、架空単線式に該当する方式として不適当なもの)
1 カテナリちょう架式
2 直接ちょう架式
3 剛体ちょう架式
4 サードレール式
この問いの答えは選択肢4です。サードレール式は電車線の架設方式のひとつで、空中に張らないので架空単線式には該当しません。電車線は、車両へ電気を送る側の設備です。
一方、帰線のために別途設ける導電レールには、規格に別の名前があります。
日本産業規格 JIS E 2001:2002「鉄道-電車線路用語」3201
帰線レール 走行レールを帰線回路として使わずに、別途帰線電流を流すために用いられる導電レール。
送る側がサードレール、戻す側が帰線レールです。出題はこの2つを入れ替えています。
混同しやすい語
ガードレールとトングレール:ガードレールは脱線防止のために本線に沿わせるもの、トングレールは分岐器のポイント部で動くものです。
ロングレールと定尺レール:ロングレールは200m以上の長さのレール、定尺レールは標準長さのレールです(JIS E 1001)。
ロングレールとリードレール:名前が似ていますが、前者は長さ、後者は分岐器の中の位置を表します。年度が違うだけで、どちらも正しい側でした。
サードレールと帰線レール:帰線のために別途設ける導電レールは、規格では帰線レールと呼ばれます。
鉄道の分岐器とテレビの分岐器:同じ漢字ですが別物です。テレビ共同受信の分岐器は分岐器の損失の記事で扱っています。
レールの名前と用途を並べる形は、2級に2年度あります。
1級では、同じレールが別の切り口で出ます。
例えば、トングレールとガードレールは1級でも2級でも出ますが、どちらも一度も誤りにされていません。狂わされるのはサードレールだけです。
2級の選択肢4は、年度で入れ替わります。令和3年度は「ロングレールは、特に高速列車の運転区間に用いられる」、令和6年度は「リードレールは、分岐器のポイントとクロッシングとを連絡するために用いられる」で、どちらも正しい側でした。
レール類の肢は、次の順に見ます。
2年度とも答えになった記述はどれか?
サードレールを車両からの帰線に用いられるとした記述です。肢の位置も2年度とも同じでした。
トングレールは分岐器のどこに使うか?
ポイント部です。1級では、転換装置がトングレールを駆動して開通方向を転換すると書かれています。
ガードレールは規格でどう定義されているか?
脱線防止又は脱線した車両の軌道外への逸走防止などを目的として、本線レールに沿って敷設する設備の総称です。脱線防止レール・脱線防止ガード・安全レールなどがあります。
ロングレールの長さは規格でいくつ以上か?
200m以上です(JIS E 1001:2001)。標準長さのものは定尺レールと呼ばれます。
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
2年度とも選択肢3が答えです。
2年度で一字一句同じなのは選択肢2です。選択肢1は助詞が変わるだけ(令和3年度「脱線事故の防止に用いられる」/令和6年度「脱線事故の防止のために用いられる」)で、選択肢4だけが別のレールに入れ替わります。読むのは選択肢3だけで足ります。
サードレールの本来の位置づけは、令和5年度2級No.30が示しています。電車線の架設方式のひとつで、車両へ電気を送る側です。