一級建築士の施工問題で、受注者、監理者、発注者の権利や責任の問題が必ず出題されます。これ案外ややこしくて中途半端に覚えていると罠に引っかかります。
例えばこんな問題。
- 設計図書において監理者の検査をうけて使用すべきものと指定された工事材料または建築設備の機器で、当該検査に合格しなかったものは、受注者の責任においてこれを引き取る。
受注者の部分が○か✖どちらでしょうか。
正解は、○です。ぱっと見、✖かなと思ったりするのですが、よく考えましょう。例えば設計図に書いてある鉄筋を検査することになりました(本当にするかどうかは置いといて)。
そもそも工事材料は設計図に書いてある性能を持つものを、施工側が用意します。設計図通りの性能がない材料が使われていた場合、当然、それを発注した施工側が悪いことは明らか。
よって以上のように、不適切な工事材料が使われていた場合は、受注者の責任なのです。
一方、約款の17条では状況に応じた責任の有無が明記されています。
図面に書いてある事由に関しては、受注者はその責任を負わない
例えば次の項目に関する場合、受注者はその責任を負いません。
- 支給材料
- 貸与品
- 図面・仕様書に指定された工事材料、建築設備の機器の性質、施工方法
これは先ほどの内容と似ていますが、少し違う。例えば、図面に明記した鉄筋SD295Aが規定通りの耐力であることを監理者が確認しました。しかし、その耐力が満足しているにも関わらず何らかの問題(事由)が発生した場合、当然、受注者に責任はありません。
ただし、設計図通りの仕事が出来ていない場合、受注者側が責任を負います。例えば、鉄筋の配置が@100のところ@150になっている場合など。
ややこしや~。でも頭を整理して考えれば、ごく当たり前のこと。皆さんも、受注者と監理者、発注者の関係には気をつけましょうぜ。