編集部
第1種と第2種、どこで分かれるか迷いますよね。硫化水素のおそれがあるかどうかが分かれ目。し尿・汚水など硫化水素が出る場所が第2種、それ以外の酸欠が第1種です。
この記事の要点
第1種酸素欠乏危険作業は酸素欠乏のおそれ、第2種は酸素欠乏に加え硫化水素のおそれがある作業(し尿・汚水・パルプ液など)です。その日の作業開始前に酸素(第2種は酸素と硫化水素)の濃度を測定し、記録は3年保存します。
この測定は作業環境測定士でなくても行えます。酸素欠乏症等にかかったときは、休業日数にかかわらず労働基準監督署長へ報告します。
酸素欠乏や硫化水素による中毒は、短時間で命に関わります。健康影響は酸素欠乏症と硫化水素中毒で扱いました。規制の柱は、区分・測定・作業主任者です。
試験では労働衛生関係法令の問19でほぼ毎年問われ、第1種・第2種の区分や測定の主体が引っかけの中心です。
第1種は酸素欠乏のおそれ、第2種は酸素欠乏+硫化水素のおそれ。作業開始前に測定し記録は3年保存、測定は測定士でなくてもできます。
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 第1種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏(酸素濃度18%未満)のおそれ | 炭酸水・第一鉄塩・第一マンガン塩を含む地層に接するたて坑、しょうゆ・酒の発酵槽、石炭・乾性油・硫化鉱を入れた施設など |
| 第2種酸素欠乏危険作業 | 酸素欠乏に加え硫化水素のおそれ | し尿・汚水・パルプ液・海水が滞留する暗きょ・マンホール・ピットなど |
分かれ目は硫化水素が発生するおそれがあるかです。し尿・汚水・腐敗物などは硫化水素が出るため第2種。
硫化鉱を入れた施設は酸素を吸収しますが硫化水素は出ないため第1種です。「硫化鉱の施設=第2種」とするのは誤りです。
混同しやすいところ
第1種 と 第2種
硫化水素のおそれがあるのが第2種(し尿・汚水・パルプ液など)。硫化鉱の施設は硫化水素が出ないため第1種です。
酸欠の測定 と 作業環境測定士
酸欠の作業開始前の測定は、作業環境測定士でなくても行えます(指定作業場の作業環境測定とは別)。記録は3年保存です。
酸欠症の報告 と 健診
酸欠症等は休業日数にかかわらず労基署長へ報告。酸欠は特殊健康診断の対象ではありません。
酸欠則は、労働衛生関係法令の問19で繰り返し(確認できる令和5年8月〜令和8年2月の5回すべて)出題されています。区分・測定の主体・報告が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問19 | 「硫化鉱を入れてある貯蔵施設の内部は第2種」とした選択肢が誤り(硫化水素は出ないため第1種)。 |
| 令和7年8月 | 問19 | 酸素欠乏症等を「休業4日未満を除き報告」とした選択肢が誤り(休業日数にかかわらず報告)。 |
| 令和7年2月 | 問19 | 作業開始前の酸素・硫化水素の測定を「作業環境測定士でなければできない」とした選択肢が誤り(測定士でなくてよい)。 |
| 令和6年8月 | 問19 | 酸欠危険作業に「6か月以内ごとに特別の項目の健康診断」を求めた選択肢が誤り(特殊健診の対象でない)。 |
| 令和5年8月 | 問19 | 作業開始前の酸素濃度測定の記録の保存を「5年」とした選択肢が誤り(3年)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
第1種は酸欠、第2種は酸欠+硫化水素。作業開始前に測定し記録3年、測定は測定士でなくてよい。酸欠症は休業日数問わず報告、特殊健診はありません。
問題:硫化鉱を入れてある貯蔵施設の内部における作業は、第2種酸素欠乏危険作業である。
〇か×か。
答え:×
硫化鉱は酸素を吸収しますが硫化水素は発生しないため、第1種酸素欠乏危険作業です。第2種は硫化水素のおそれがある作業(し尿・汚水など)です(令和8年2月 関係法令 問19の論点)。
問題:酸素欠乏危険場所での作業開始前の酸素・硫化水素の濃度の測定は、作業環境測定士でなければ実施できない。
〇か×か。
答え:×
酸欠の作業開始前の測定は、作業環境測定士でなくても(作業主任者等が)実施できます。記録は3年保存です(令和7年2月 関係法令 問19の論点)。
問題:労働者が酸素欠乏症等にかかったときは、休業の日数が4日に満たないときを除き、労働基準監督署長に報告する。
〇か×か。
答え:×
酸素欠乏症等にかかったときは、休業の日数にかかわらず、遅滞なく労働基準監督署長へ報告します(令和7年8月 関係法令 問19の論点)。
第1種酸素欠乏危険作業は酸素欠乏のおそれ、第2種は酸素欠乏に加え硫化水素のおそれがある作業です。
その日の作業開始前に酸素(第2種は酸素と硫化水素)の濃度を測定し、記録は3年保存します。この測定は作業環境測定士でなくても行えます。
問19で毎年問われる引っかけは、第1種・第2種の区分、測定の主体、特殊健診の有無、報告と記録です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
酸欠症は「休業日数にかかわらず報告」・特殊健診はない
労働者が酸素欠乏症等にかかったときは、休業の日数にかかわらず、遅滞なく労働基準監督署長へ報告します。「休業4日未満を除き報告」とするのは誤りです。また、酸素欠乏危険作業は特殊健康診断の対象ではありません。「6か月以内ごとに特別の項目の健診」とするのは誤りです。