令和8年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問19は、酸素欠乏症等防止規則に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、酸素欠乏危険作業の第1種と第2種の区分を中心に、測定器具の備え付け、作業主任者の作業開始前の濃度測定、不活性ガスを使う溶接作業の換気までをまとめて問うものです。
引っかけの核心は1か所で、硫化鉱を入れた貯蔵施設の内部の作業を「第2種」とする区分のすり替えです。第2種は硫化水素中毒のおそれを伴う場所に限られます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 炭酸水を湧出する地層に接するたて坑の内部の作業を第1種とするのは正しい。硫化水素のおそれを伴わず、酸素欠乏のみが問題になる場所。 |
| 2 | ×(誤り) | 硫化鉱を入れた貯蔵施設の内部の作業を「第2種」とするのが誤り。酸化による酸素消費が問題で、硫化水素を伴わないため第1種。 |
| 3 | ○(正しい) | 第1種の作業では、空気中の酸素濃度を測定する測定器具を備え、または容易に利用できる措置を講じておくのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 第2種の作業主任者が、その日の作業開始前に酸素および硫化水素の濃度を測定するのは正しい。第2種は硫化水素も測る。 |
| 5 | ○(正しい) | 通風が不十分な場所でアルゴン・ヘリウム等を使う溶接では、酸素濃度を18%以上に保つ換気、または空気呼吸器等の使用が必要で正しい。 |
酸素欠乏危険作業の区分は、その場所で何が問題になるかで分かれます。
酸素欠乏だけが問題になる場所が第1種、酸素欠乏に加えて硫化水素中毒のおそれも伴う場所が第2種です。
汚水や腐敗した有機物のたまる槽・暗きょなどが第2種の典型です。
硫化鉱を入れた貯蔵施設の内部では、硫化鉱が空気中の酸素と結びついて酸化し、その過程で酸素が消費されて空気中の酸素濃度が下がります。
問題になるのは酸素欠乏であって、硫化水素の発生ではありません。したがってこの作業は第1種酸素欠乏危険作業に区分されます。
選択肢2は、これを「第2種」とすり替えて区分を誤らせる作りです。
第2種に分類してしまうと、本来は不要な硫化水素の測定を前提に整理することになり、場所の危険の中身を取り違えます。
酸素欠乏のみか、硫化水素も伴うか、という一点で判断します。
問題:硫化鉱を入れた貯蔵施設の内部における作業は、第1種と第2種のどちらの酸素欠乏危険作業か。
第1種です。硫化鉱が酸化して空気中の酸素を消費するため、問題になるのは酸素欠乏です。硫化水素中毒のおそれを伴わないので、第2種ではありません。
問題:第1種と第2種の酸素欠乏危険作業で、作業開始前に測る濃度の項目はどう違うか。
第1種は酸素濃度を測ります。第2種は硫化水素中毒のおそれも伴うため、酸素濃度に加えて硫化水素濃度も測ります。第2種は項目が一つ多い、と整理すると区別しやすくなります。
出典
※ 最終更新:2026年6月