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作業主任者の選任(免許と技能講習・選任が必要な作業)|作業環境測定士

編集部

作業主任者って、免許がいるの?技能講習でいいの?と迷いますよね。免許が必要なのは3つだけ。残りは技能講習。そして「粉じん作業には作業主任者がいない」が定番の引っかけです。

この記事の要点

作業主任者は、危険・有害な作業ごとに事業者が選任し、労働者を指揮させる人です。免許が必要なのは高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つ。有機溶剤・特定化学物質・鉛・石綿・酸素欠乏危険などは技能講習を修了した者から選びます。

粉じん作業には作業主任者の選任がありません(特別教育は必要)。また、作業主任者の選任は所轄労働基準監督署長への報告は不要で、氏名等を掲示して周知します。

作業主任者は、労働災害を防ぐため、政令で定める作業ごとに選任が義務づけられています(労働安全衛生法第14条)。

有機溶剤や特定化学物質を扱う作業場では、有機溶剤作業主任者や特定化学物質作業主任者が登場します。

試験では労働衛生関係法令の問4〜問6で、資格の種類や選任の要否がほぼ毎年問われています。

免許が必要なのは高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つ。それ以外は技能講習。粉じん作業には作業主任者がありません。

免許が必要か、技能講習でよいか

作業主任者は、作業の区分に応じて都道府県労働局長の免許を受けた者か、技能講習を修了した者のうちから選任します。

免許が必要なのは、高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つです。有害物を扱う多くの作業は技能講習修了者から選びます。

資格の区分主な作業主任者
免許(都道府県労働局長の免許)高圧室内作業主任者、エックス線作業主任者、ガンマ線透過写真撮影作業主任者
技能講習(修了者から選任)有機溶剤作業主任者、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者、鉛作業主任者、石綿作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者、金属アーク溶接等作業主任者 など

覚え方は、放射線・高圧という「測りにくく危険度の管理が難しい物理的環境」が免許化学物質の取扱いは技能講習というイメージです。

なお、技能講習には学科だけのものと、学科+実技のものがあります。

特別有機溶剤(クロロホルム等の特定化学物質に分類された有機溶剤)の業務では、特定化学物質作業主任者を選任しますが、その人は有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者から選ぶことになっています。有機則と特化則がまたがる場面で問われます。

選任が必要な作業・不要な作業

作業主任者を選任すべき作業は、労働安全衛生法施行令第6条で定められています。有害業務でも、そこに挙げられていない作業には作業主任者がいません。代表が粉じん作業です。

  • 粉じん作業(特定粉じん作業を含む)には作業主任者の選任がありません。粉じん作業に従事する労働者には特別教育が必要ですが、作業主任者の制度はありません。
  • 特定化学物質(第1類・第2類)や有機溶剤、鉛、石綿、酸素欠乏危険場所の作業は、屋内・屋外を問わず作業主任者の選任が必要な場合があります(特定化学物質や石綿は屋外でも選任が必要)。
  • 第3種有機溶剤等を用いる作業でも、有機溶剤作業主任者の選任は必要です(測定が不要なことと混同しない)。

選任は「報告不要」「でも掲示して周知」

衛生管理者や産業医は、選任したら所轄労働基準監督署長へ報告が必要です。一方、作業主任者の選任には労働基準監督署長への報告義務はありません。そのかわり、作業主任者の氏名とその者に行わせる事項を、作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知します。報告と周知を取り違えないようにします。

作業主任者の職務と教育

作業主任者の職務は、作業の方法を決めて労働者を指揮すること、局所排気装置などの設備を点検すること、保護具の使用状況を監視することなどです。

同じ区分の作業を同じ場所で行い、作業主任者を2人以上選任したときは、それぞれの職務の分担を定めます。

なお、新たに職長その他の現場で労働者を直接指導・監督する者の職務についた人には職長等の教育(労働安全衛生法第60条)が必要ですが、条文には「作業主任者を除く」と明記されており、作業主任者はこの教育の対象から除かれます

作業主任者を職長等の教育の対象に含める記述は誤りです。

混同しやすいところ

免許 と 技能講習

免許は高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つ。有機溶剤・特定化学物質・鉛・石綿・酸素欠乏危険などは技能講習修了者から選任します。

作業主任者 と 作業環境測定士・衛生管理者

作業主任者は現場で作業を指揮する人、作業環境測定士は測定を行う人、衛生管理者は事業場全体の衛生管理を担う人です。選任の報告義務も異なり、作業主任者は労働基準監督署長への報告が不要です。

粉じん作業の「作業主任者」と「特別教育」

粉じん作業には作業主任者の制度がありません。混同しやすいですが、粉じん作業で必要なのは従事者への特別教育です。

過去問でどう問われたか

作業主任者は、労働衛生関係法令の問4〜問6で5年連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。資格の種類、選任が不要な作業、手続きが中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和5年8月問6選任が規定されていない作業を選ぶ。特定粉じん作業が正解(粉じん作業に作業主任者はない)。
令和6年8月問6選任が規定されていない作業を選ぶ。セメントの袋詰め(粉じん作業)が正解。酸欠・高圧室内・鉛は必要。
令和7年2月問4免許が必要な作業主任者を選ぶ。エックス線作業主任者が正解(鉛・酸欠・有機溶剤・石綿は技能講習)。
令和7年8月問5誤りを選ぶ。「選任を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない」が誤り(作業主任者は報告不要)。
令和8年2月問5誤りを選ぶ。「作業主任者のうちから指名した者を衛生委員会の委員としなければならない」が誤り(そのような義務はない)。高圧室内=免許、技能講習に学科のみ/学科+実技がある、新たに職長につく作業主任者に職長教育は不要(第60条で除外)、は正しい。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 粉じん作業に作業主任者を選任させる(粉じん作業に作業主任者はない。必要なのは特別教育)。
  • 技能講習でよい作業主任者を「免許が必要」とする(免許は高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つ)。
  • 選任を労働基準監督署長へ報告するとする(作業主任者は報告不要。掲示して周知)。
  • 衛生委員会の委員を「作業主任者のうちから指名しなければならない」とする(そのような義務はない)。

免許は高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つ、ほかは技能講習。粉じん作業に作業主任者はなく、選任は労働基準監督署長への報告が不要で掲示・周知します。

理解度チェック

問題:特定粉じん作業を行うときは、特定粉じん作業主任者を選任しなければならない。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

粉じん作業(特定粉じん作業を含む)には作業主任者の制度がありません。粉じん作業の従事者に必要なのは特別教育です(令和5年8月・令和6年8月 関係法令 問6の論点)。

問題:有機溶剤作業主任者は、都道府県労働局長の免許を受けた者のうちから選任しなければならない。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

有機溶剤作業主任者は技能講習を修了した者から選任します。免許が必要なのは高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つです(令和7年2月 関係法令 問4の論点)。

問題:作業主任者を選任したときは、遅滞なく、その旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

作業主任者の選任に労働基準監督署長への報告義務はありません。氏名と行わせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等で関係労働者に周知します(令和7年8月 関係法令 問5の論点)。

まとめ

作業主任者は、政令で定める危険・有害な作業ごとに事業者が選任します。

免許が必要なのは高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影の3つで、有機溶剤・特定化学物質・鉛・石綿・酸素欠乏危険などは技能講習を修了した者から選びます。

問4〜問6で毎年問われる引っかけは、粉じん作業に作業主任者はない・免許と技能講習の取り違え・選任の報告は不要(掲示して周知)・衛生委員会の委員を作業主任者から指名する義務はない、の4つです。

参考資料

  • 労働安全衛生法第14条(作業主任者)、労働安全衛生法施行令第6条(作業主任者を選任すべき作業)。免許を要する作業主任者(高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影)と技能講習修了で選任する作業主任者の区分は、各特別規則・安衛則による(e-Gov法令検索)。
  • 粉じん作業には作業主任者の規定がなく、従事者には特別教育が必要(粉じん障害防止規則)。作業主任者の選任は所轄労働基準監督署長への報告義務がなく、氏名等を掲示して関係労働者に周知する(労働安全衛生規則)。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生関係法令 問4〜問6、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。