令和8年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問5は、作業主任者に関する問題です。5つの記述のうち、法令上、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、作業主任者の免許と技能講習、選任の単位、就任後の安全衛生教育、そして衛生委員会の委員構成という、別々の制度を1問に並べて知識を横断的に確かめるものです。
引っかけの核心は、最後の衛生委員会のところにあります。
「作業主任者のうちから指名した者を衛生委員会の委員にしなければならない」という義務は法令上なく、衛生委員会の委員と作業主任者は別の制度だという点を突いています。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 高圧室内作業主任者は都道府県労働局長の免許を受けた者から選任する。技能講習ではなく免許が必要な数少ない作業主任者なので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 作業主任者の技能講習には学科のみのものと学科+実技のものがあり、種類によって構成が異なるので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | エックス線作業主任者とガンマ線透過写真撮影作業主任者は、事業場単位ではなく管理区域ごとに選任するので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 新たに職長として職務につく作業主任者への安全衛生教育は不要。職長教育は作業主任者など一定の者を対象から除いており正しい。 |
| 5 | ×(誤り) | 衛生委員会の委員に作業主任者から指名する義務はない。委員は総括安全衛生管理者等・衛生管理者・産業医・衛生に関し経験を有する労働者から指名する。 |
衛生委員会の委員は、法令で構成が決まっています。
委員として定められているのは、総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で事業の実施を統括管理する者から事業者が指名した者、衛生管理者、産業医、そして衛生に関し経験を有する労働者です。
ここに「作業主任者」という枠はありません。
選択肢5は、その委員構成を「作業主任者のうちから指名した者を委員にしなければならない」とすり替えています。
作業主任者は、危険・有害な特定の作業について現場の指揮や監視を担う立場で、衛生委員会の委員とは別の制度です。
作業主任者である人が、衛生に関し経験を有する労働者として委員に指名されることはあり得ますが、それは作業主任者だからではなく、衛生の経験を理由とする指名であり、作業主任者から委員を出す義務とは異なります。
残りの4肢は、免許・技能講習・選任単位・職長教育という別々の論点で、いずれも正しい記述です。
誤りは委員構成のすり替え1点だけという、細部の語の置き換えで誤りを作る典型的な作り方になっています。
問題:作業主任者のうちから事業者が指名した者を、衛生委員会の委員にしなければならないか。
いいえ。そのような義務は法令にありません。委員は、事業を統括管理する者から指名した者・衛生管理者・産業医・衛生に関し経験を有する労働者から指名します。作業主任者という枠は委員構成にありません。
問題:高圧室内作業主任者になるには、技能講習の修了で足りるか。
足りません。高圧室内作業主任者は、都道府県労働局長の免許を受けた者から選任します。作業主任者の多くは技能講習修了者から選任しますが、高圧室内・エックス線・ガンマ線透過写真撮影などは免許が必要です。
出典
※ 最終更新:2026年6月