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酸素欠乏症と硫化水素中毒は過去問でどう問われる?|作業環境測定士

編集部

酸欠は何%で危ない?硫化水素は何色?と細かい数値で迷いますよね。酸素は濃度ごとに症状が変わり、硫化水素は無色・腐卵臭で、高濃度では嗅覚が麻痺します。

この記事の要点

酸素欠乏症は酸素濃度が下がるほど重くなり、16%以下で頭痛・吐き気、10%程度以下で意識喪失・けいれん、6%以下では一呼吸で昏倒・呼吸停止に至ります。

硫化水素無色・腐卵臭・空気より重い気体。低濃度では嗅覚で気づけますが、高濃度では嗅覚が麻痺します。シアン化物と同様に細胞の呼吸酵素を阻害します。

この問題は、酸素濃度ごとの症状の数値と、硫化水素の性質(色・におい・比重・作用)の入れ替えが引っかけです。

酸欠は濃度が下がるほど急に危険になり、6%以下は一呼吸で昏倒。硫化水素は無色・腐卵臭・空気より重く、高濃度で嗅覚が麻痺します。

酸素欠乏症

空気中の酸素は通常約21%です。法令上、酸素濃度が18%未満の状態を酸素欠乏といいます。濃度が下がるほど症状は急に重くなります。

酸素濃度のめやす主な症状
16%以下脈拍・呼吸数の増加、頭痛、吐き気、耳鳴りなど
10%程度以下意識喪失、けいれん
6%以下一呼吸で昏倒、呼吸停止

酸素欠乏症は、酸素を大量に必要とする大脳皮質の機能低下から始まります。

重筋労働中・疲労時・二日酔いでは重症化しやすく、貧血や喫煙習慣がある人は影響を受けやすくなります。

ほとんど無酸素の空気(窒素で置換したタンク内など)を吸うと、一呼吸で昏倒・呼吸停止に至ります(徐々に窒息するのではありません)。

酸欠は、第一鉄化合物を含む水が流入する排水暗渠・マンホール、伐採後日の浅い原木や木材チップを集積した倉庫・船倉など、酸素が消費される場所で起こります。

硫化水素中毒

硫化水素は、無色腐卵臭のある気体で、空気より重いため、くぼ地・汚水槽・マンホールなどの低いところにたまります。

  • 嗅覚:低濃度(0.3 ppm程度)でもにおいで気づけますが、高濃度では嗅覚が麻痺して感知できなくなるため危険です。
  • 作用:シアン化物と同様に、細胞内の呼吸酵素を阻害し、脳神経細胞の障害による意識消失・呼吸麻痺を起こします。
  • 濃度と症状:低濃度では眼・気道の粘膜刺激(結膜炎・角膜の障害など)、100 ppmを超える濃度で連続ばく露されると気管支炎・肺炎・肺水腫、さらに高濃度で呼吸麻痺・死亡に至ります。
  • 侵入経路:主に吸入によります。

混同しやすいところ

硫化水素の色

硫化水素は無色です。「黄色の気体」とするのは誤りです。腐卵臭・空気より重い、は正しい性質です。

嗅覚での感知

低濃度ではにおいで気づけますが、高濃度になると嗅覚が麻痺して「におわない」と感じます。においが消えた=安全、ではなく、むしろ危険です。

過去問でどう問われたか

酸素欠乏症・硫化水素中毒は、労働衛生一般の問14で毎回問われます。数値や性質の入れ替えが中心です。

年度・問正答問われ方(引っかけの核心)
令和8年2月 問14「木材チップは酸素を消費しないため酸欠の原因にならない」=誤り。加工木材も酸素を消費し酸欠の原因になる。
令和7年8月 問14「標高が高くなると空気中の酸素の割合が低くなるため、高所では酸素欠乏症になりやすい」=誤り。酸素の割合(体積%)は標高によらず約21%で一定(高所で低下するのは気圧・酸素分圧)。硫化水素は空気より重い・シアン化物と同様に酵素を阻害・低濃度の主症状は眼の障害(選2〜5)は正しい。
令和7年2月 問14「硫化水素は腐卵臭を有する黄色の気体」=誤り。硫化水素は無色(空気より重いは正しい)。
令和6年8月 問14「硫化水素の慢性中毒で歯への黄色の色素沈着・歯牙酸蝕症」=誤り。
令和6年2月 問14「硫化水素は経皮吸収で全身脱力・痙攣・呼吸停止」=誤り。主に吸入による。
令和5年8月 問14「ほとんど無酸素の空気を吸うと徐々に窒息し、5分程度で呼吸停止」=誤り。一呼吸で昏倒・呼吸停止に至る。

硫化水素は無色・腐卵臭・空気より重く、高濃度で嗅覚が麻痺します。酸欠は濃度が下がるほど急に危険になり、ほとんど無酸素の空気は一呼吸で昏倒します。

理解度チェック

問題:硫化水素は、腐卵臭を有する黄色の気体である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

硫化水素は無色です。腐卵臭があり、空気より重い点は正しい性質です(令和7年2月 問14)。

問題:窒素で置換したタンク内など、ほとんど無酸素の空気を吸うと、徐々に窒息して5分程度で呼吸停止する。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

ほとんど無酸素の空気は、一呼吸で昏倒・呼吸停止に至ります(令和5年8月 問14)。

まとめ

酸素欠乏症は、酸素濃度が下がるほど急に重くなり、16%以下で頭痛・吐き気、10%程度以下で意識喪失・けいれん、6%以下では一呼吸で昏倒・呼吸停止に至ります。

重筋労働・疲労・貧血・喫煙で起こりやすくなります。

硫化水素は無色・腐卵臭・空気より重く、高濃度では嗅覚が麻痺します。シアン化物と同様に細胞の呼吸酵素を阻害します。

色とにおい(高濃度で麻痺)の引っかけに注意しましょう。

参考資料

  • 酸素欠乏症・硫化水素中毒の基礎(酸素濃度と症状、硫化水素の性質・作用)は、労働衛生・酸素欠乏症等防止規則にもとづく。法令上の酸素欠乏は酸素濃度18%未満。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生一般 令和5年8月〜令和8年2月の問14)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。