令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問19は、酸素欠乏症等防止規則に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、酸素欠乏危険作業をめぐる基本事項(作業の種別、作業開始前の測定、記録の保存、監視・通報の体制、作業主任者の職務)を横断的に問うものです。
引っかけの核心は、作業開始前に行う酸素・硫化水素濃度の測定について、その実施者を「作業環境測定士でなければできない」とすり替えているところにあります。
この作業開始前の測定は、事業者が酸素欠乏危険作業主任者などに行わせるもので、作業環境測定士の独占業務ではありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | しょうゆを入れたことのあるタンクの内部の作業を第1種酸素欠乏危険作業とするのは正しい(醤油などの醸造による酸素欠乏のおそれ)。 |
| 2 | ×(誤り) | 作業開始前の酸素・硫化水素濃度の測定を「作業環境測定士でなければできない」とするのが誤り。事業者が酸素欠乏危険作業主任者などに行わせる測定で、測定士の独占業務ではない。 |
| 3 | ○(正しい) | 作業開始前の濃度測定を行ったときは、そのつど所定の事項を記録し、3年間保存するのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 常時作業の状況を監視し、異常時に作業主任者などへ直ちに通報する者を置く等の措置を講じるのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 換気装置・空気呼吸器等の点検、空気呼吸器等の使用状況の監視を酸素欠乏危険作業主任者の職務とするのは正しい。 |
酸素欠乏危険場所では、その日の作業を開始する前に、空気中の酸素濃度(硫化水素のおそれがある場所では酸素と硫化水素の濃度)を測定します。
問われているのは、この測定を「誰が行うか」です。
作業開始前の測定は、事業者がその責任で行うもので、実際には酸素欠乏危険作業主任者などに行わせます。
作業主任者の選任に必要なのは技能講習の修了であり、作業環境測定士の資格ではありません。
つまり、「作業環境測定士でなければできない」という限定は条文にない主張です。
混同しやすいのは、指定作業場で定期に行う作業環境測定です。
そちらは作業環境測定士などが行いますが、酸素欠乏危険場所の作業開始前の濃度測定はこれとは別の枠組みで、測定士の独占業務ではありません。
引っかけは、定期の作業環境測定の実施主体を、作業開始前測定にそのまま当てはめさせる点にあります。
問題:酸素欠乏危険場所での作業開始前に行う酸素・硫化水素濃度の測定は、作業環境測定士でなければできないか。
いいえ。作業開始前の測定は事業者が行うもので、実際には酸素欠乏危険作業主任者などに行わせます。作業環境測定士の資格は要件ではなく、測定士の独占業務でもありません。
問題:しょうゆを入れたことのあるタンクの内部での作業は、第何種の酸素欠乏危険作業か。
第1種酸素欠乏危険作業です。醤油などを入れたタンク内部は酸素欠乏のおそれがある場所にあたります。硫化水素のおそれも加わる場所は第2種にあたります。
出典
※ 最終更新:2026年6月