令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問19は、酸素欠乏症等防止規則に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、酸素欠乏危険作業をめぐる基本の決まりを横断で問うものです。
作業の種類分け(第1種・第2種)、入退場時の人員点検、監視者を置いて作業主任者へ通報させる体制、酸素欠乏症等にかかった者への医師の対応といった、現場の安全管理の柱が並びます。
引っかけの核心は健康診断の一点に絞られています。
酸欠則には「特別の項目についての健康診断」(いわゆる特殊健診)の規定がないのに、それがあるかのように書いた肢が混ぜてあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 第一マンガン塩類を含む地層に接するたて坑内部の作業は第1種酸素欠乏危険作業であり、正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 酸素欠乏危険作業では、労働者を作業場所に入場・退場させるたびに人員を点検する必要があり、正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 常時作業の状況を監視し、異常時に直ちに作業主任者やその他の関係者へ通報する者を置く措置が必要で、正しい。 |
| 4 | ×(誤り) | 酸欠則に特別の項目についての(特殊)健康診断の規定はない。健康管理は一般の健康診断によることとされており、特殊健診の義務とするのが誤り。 |
| 5 | ○(正しい) | 労働者が酸素欠乏症等にかかったときは、直ちに医師の診察または処置を受けさせる必要があり、正しい。 |
有害物質を扱う規則の多くは、その業務に常時従事する労働者に対して、6か月以内ごとに1回、医師による特別の項目についての健康診断(特殊健康診断)を義務づけています。
有機則・特化則・鉛則などがその代表で、扱う物質に応じた検査項目が定められています。この問題は、その記憶を酸欠則に当てはめさせる引っかけです。
しかし、酸素欠乏や硫化水素による障害は、有害物質が体に蓄積して起こる慢性中毒とは性質が違い、その場の空気環境で急性に生じます。
そのため酸欠則には特別の項目についての健康診断の規定が置かれていません。
酸素欠乏危険作業に常時従事する労働者の健康管理は、労働安全衛生規則に基づく一般の健康診断によることとされています。
選択肢4は、その一般健診で足りる扱いを、特殊健診を6か月ごとに行う義務へすり替えています。
規則ごとに特殊健診の有無は違うので、どの規則に特別項目の健診があるかを切り分けて覚えておくことが、この種の引っかけを外さない鍵になります。
問題:酸素欠乏危険作業に常時従事する労働者には、特別の項目についての健康診断を6か月ごとに行わなければならないか。
いいえ。酸素欠乏症等防止規則に特別の項目についての(特殊)健康診断の規定はありません。健康管理は一般の健康診断によることとされています。
問題:第一マンガン塩類を含む地層に接するたて坑の内部における作業は、第1種・第2種のどちらの酸素欠乏危険作業か。
第1種酸素欠乏危険作業です。硫化水素中毒のおそれが加わる場所が第2種で、それ以外の酸素欠乏のおそれのある作業が第1種にあたります。
出典
※ 最終更新:2026年6月