令和3年度 学科試験1 問21は、給水装置の水撃限界性能基準に関する問題です。5つの記述から、不適当なものを1つ選びます。
誤りは選択肢3です。
省令にただし書きがあります。上流側に近接して水撃防止器具を設置していれば、この基準は適用されません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 給水工事技術振興財団が公開している過去5年間の試験問題で確認できます。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 水撃限界性能基準は、水撃作用により給水装置に破壊等が生じることを防止するためのものです |
| 2 | ○(正しい) | 水撃作用とは、止水機構を急に閉止した際に管路内に生じる圧力の急激な変動作用をいいます |
| 3 | ×(誤り) | 省令にただし書きがあるため、「水撃作用を生じるおそれのある給水用具はすべてこの基準を満たしていなければならない」とはなりません |
| 4 | ○(正しい) | 適用対象にはシングルレバー式水栓、ボールタップ、電磁弁(電磁弁内蔵の全自動洗濯機、食器洗い機等)、元止め式瞬間湯沸器があります |
| 5 | ○(正しい) | 流速2m/s又は動水圧0.15MPaとする条件で止水機構の急閉止をしたとき、上昇する圧力が1.5MPa以下である性能が必要です |
条文の末尾を見ます。
給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 第3条
水栓その他水撃作用を生じるおそれのある給水用具は、…水撃作用により上昇する圧力が一・五メガパスカル以下である性能を有するものでなければならない。ただし、当該給水用具の上流側に近接してエアチャンバーその他の水撃防止器具を設置すること等により適切な水撃防止のための措置が講じられているものにあっては、この限りでない。
前半だけを読むと「すべて満たさなければならない」と読めます。ただし書きまで読むと、逃げ道があることが分かります。
この論点は、正しい形でも出ています。
| 書かれ方 | 正誤 |
|---|---|
| おそれのある給水用具はすべてこの基準を満たしていなければならない | 誤 |
| すべて満たしていなければならないわけではない | 正 |
同じ論点を、正しい形と誤りの形の両方で出してきます。「すべて」という語が出てきたら、ただし書きの有無を確かめてください。
選択肢5の数値は3つです。
| 何が | 値 |
|---|---|
| 試験条件(どちらか) | 流速2m/s 又は 動水圧0.15MPa |
| 判定 | 上昇する圧力が1.5MPa以下 |
1.5MPaという値は、最大静水圧0.75MPaの2倍として採用されたものです。水撃圧の発生や諸外国の規格との整合に配慮した数値です。
詳細は水撃作用(ウォータハンマ)とは?流速を遅くする理由と水撃限界性能基準の3つの数値で扱っています。
水撃作用を生じるおそれのある給水用具は、すべてこの基準を満たす必要があるか。
ありません。省令第3条にただし書きがあり、上流側に近接して水撃防止器具を設置すること等により適切な措置が講じられているものは、この限りでないとされています。
水撃限界性能試験の条件と判定は。
給水用具内の流速を2m/s、又は動水圧を0.15MPaとする条件で止水機構を急閉止したとき、上昇する圧力が1.5MPa以下であることです。
適用対象の給水用具の例は。
シングルレバー式水栓、ボールタップ、電磁弁(電磁弁内蔵の全自動洗濯機、食器洗い機等)、元止め式瞬間湯沸器です。
> 給水装置の構造及び性能のほかの論点は給水装置の構造及び性能のカテゴリにまとめています
法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月