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5つの方式名が似ていて、どれがどれなの?
同じ説明が年度によって別の方式名で出てくるのは、なんで?
この記事の要点
局線応答方式とは、構内交換設備で、外線からかかってきた電話をどう受けて内線につなぐかの方式のことです。
分かれ目は1つだけです。外線を最初に受けるのが人か、機械か。人が受けるなら誰が受けるか、機械が受けるなら相手はどうやって内線を指定するか。
誤りの肢は、方式名と定義文の組を1つずらして作られています。文そのものは正しい年度の文と同じです。
会社やビルの電話番号にかけると、いったん代表番号につながって、そこから担当者の席の電話に回されます。この構内側の交換機が構内交換設備です。
外部の電話網からつながってくる回線を局線、構内の電話機につながる回線を内線といいます。局線応答方式とは、局線からかかってきた電話を、どうやって目的の内線まで届けるかの決め方です。
この局線と内線を通す配線は情報通信設備の屋内配線の側で扱っています。電話設備の幹線は通信用構内ケーブル、IP電話機はUTPケーブルで、設備ごとに使うものが分かれます。
出題に出てくる5つの方式は、専任の交換手が受ける形、局線受付に指定された電話機が受ける形、機械が直接目的の電話機を鳴らす形の3段階に並びます。人の手が減るほど、下の段へ移ります。
構内交換設備は、外線(局線)と内線をつなぐ設備です。配線に使うケーブルは情報通信設備の屋内配線で設備ごとに分かれ、幹線が長い区間では光ファイバを使います。
どんな方式があるかは、国土交通省の標準仕様書に列挙されています。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 第6編第1章第6節 構内交換装置 1.6.2「交換装置」(1)(ア)(版面p.224)
局線応答方式は、局線中継台方式、分散中継台方式、ダイヤルイン方式、ダイレクトインダイヤル方式、ダイレクトインライン方式又はこれらを併用としたものとし、その区別は、特記による。
言い換えると、「交換装置で選べる局線応答方式は、この5つとその組合せだけ」ということです。出題の肢に並ぶ方式名も、この5つから取られています。
5つの方式を、この分かれ方で並べます。
| 方式 | 最初に受けるもの | 正しい肢での書かれ方 |
|---|---|---|
| 局線中継台方式 | 中継台の専任の交換手 | 局線からの着信を検出すると、全て中継台で受信し、専任の交換手が応答し該当する内線番号に転送する(令和4年度) |
| 分散中継台方式 | 局線受付に指定された電話機 | 局線からの着信が局線表示盤等に表示され、局線受付に指定された電話機により応答する(3年度とも) |
| ダイヤルイン方式 | 交換機(人は介さない) | 局線からの着信により直接電話機を呼出す(3年度とも) |
| ダイレクトインダイヤル方式 | 交換機(かけた人が内線番号を足す) | 代表番号をダイヤルしたのち次応答を受け、引き続き内線番号をダイヤルして直接電話機を呼出す(平成28年度・平成30年度) |
| ダイレクトインライン方式 | 交換機(あらかじめ内線が決まっている) | 局線から交換装置に着信し、あらかじめ指定された内線を直接呼び出す(平成25年度) |
上の2つは人が受けて回します。違いは、受ける人が中継台にいるか、自分の席の電話機で受けるかです。
分散中継台方式に中継台という語が入っていますが、受けるのは交換手ではありません。仕様書の機能表に、この方式で局線着信をどう知らせるかが書かれています。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 第6編第1章第6節 構内交換装置 表1.6.2「ボタン電話装置及び交換装置の機能」(版面p.225・抜粋)
局線着信表示:分散中継台方式で、局線着信を局線表示盤の局線ランプの点滅、リンガ等の鳴動により表示する機能
局線着信転送:中継台式で、着信した局線を交換手が関与しないで、他の内線に転送できる機能
分散中継台方式は局線表示盤で知らせ、中継台式には交換手がいる。この2行が、名前の似た2方式を分けています。
下の3つは交換機が受けます。違いは、目的の内線をどうやって決めるかです。ダイヤルインは相手がかけた番号がそのまま内線につながり、ダイレクトインダイヤルは代表番号のあとにもう一段ダイヤルさせ、ダイレクトインラインは着信先の内線があらかじめ決まっています。
ダイレクトインダイヤルとダイレクトインラインは、「ダイレクトイン」まで同じで、末尾しか違いません。中身の違いも「かけた人が内線番号を入れるかどうか」の1点だけです。ここが次の引っかけになります。
建物の情報通信設備は、系統ごとに別の配線で組みます。
どれも動力の配線と離して引き、誘導を拾わないようにします。
同じ「名前を入れ替える」型はテレビ共同受信設備でも使われます。機器や方式の名前が並ぶ問題では、名前と役割の対応だけを確かめます。
4年度分の答えを並べると、誤りの作り方が2つに絞られます。
①要を落とす 局線中継台方式から、中継台と専任の交換手を消します。残るのは「あらかじめ指定された電話機に」という、機械が直接つなぐ側の言い回しです。
語尾が「直接着信する」と「転送する」で違うだけで、どちらも誤りにされています。
②名前だけ差し替える 正しい定義文をそのまま置いて、方式名だけを別のものに変えます。
2つの向きがあることに注意します。平成25年度は局線中継台方式の定義文にダイレクトインダイヤル方式の名を付け、令和4年度はダイレクトインダイヤル方式の定義文にダイレクトインライン方式の名を付けています。文を読んで正しいと感じても、それは別の方式の説明です。
1級の第一次で、平成25年度No.43・平成28年度No.42・平成30年度No.42・令和4年度No.42の4年度に出ています。いずれも「最も不適当なものはどれか」を選ぶ形です。仕様書の5方式から4つが選ばれ、その定義文が1つずつ肢に並びます。
肢に並ぶ4方式の顔ぶれも、年度で変わります。平成28年度と平成30年度は、ダイヤルイン・分散中継台・局線中継台・ダイレクトインダイヤルの4つです。令和4年度は最後がダイレクトインライン方式に替わり、そこが答えになりました。
例えば、平成25年度だけは局線中継台方式の名前が肢に立たず、代わりにダイレクトインライン方式が入りました。それでも局線中継台方式の定義文は選択肢3にあり、ダイレクトインダイヤル方式の名を付けられて答えになっています。
平成25年度は文の書き方も少し違います。ダイヤルイン方式が「直接内線電話機を呼び出す」、分散中継台方式が「局線からの着信応答や転送を任意の電話機から行う」で、どちらも正しい側でした。
誤りにされたのは、いずれも局線中継台方式かダイレクトイン系の肢です。ダイヤルイン方式と分散中継台方式の肢は、4年度とも正しい側に置かれています。
言い換えると、「読むべきは名前と文の組み合わせで、文の中身だけを見ると全部それらしく読める」ということです。
局線応答方式の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
局線中継台方式と分散中継台方式:前者は中継台で全て受けて交換手が転送、後者は局線表示盤等に表示して局線受付に指定された電話機が応答します。中継台に人がいるかどうかが分かれ目です。
ダイレクトインダイヤル方式とダイレクトインライン方式:「代表番号をダイヤルしたのち次応答を受け、引き続き内線番号をダイヤルして」で始まる文は、前者のものです。この文に後者の名を付けた肢が令和4年度の答えでした。
ダイヤルイン方式:局線からの着信により直接電話機を呼出す、と3年度とも同じ短い文で書かれています。
局線と内線:局線は外部の電話網につながる回線、内線は構内の電話機につながる回線です。応答方式は、局線を受けてから内線に届くまでの道筋の違いです。
交換装置とボタン電話装置:仕様書では選べる方式が違います。交換装置(IP-PBX、VoIPサーバ)は5方式ですが、ボタン電話装置は局線中継台方式を除く4方式です(1.6.7(1)(ア))。交換手の座席である中継台が付かないためです。出題はどれも「構内交換設備における」と書かれており、交換装置の側を問うています。
局線中継台方式は、出題ではどう書かれているか?
局線からの着信を検出すると、全て中継台で受信し、専任の交換手が応答し該当する内線番号に転送する方式、と書かれています(令和4年度 1級 No.42の正しい肢)。
「代表番号をダイヤルしたのち次応答を受け、引き続き内線番号をダイヤルして直接電話機を呼出す」のは、どの方式か?
ダイレクトインダイヤル方式です。この文にダイレクトインライン方式の名を付けた肢は誤りとされています。
局線中継台方式と分散中継台方式は、どちらも中継台という語が入る。何が違うか?
受ける人が中継台にいるかどうかです。局線中継台方式は全て中継台で受信して専任の交換手が応答しますが、分散中継台方式は局線表示盤等に表示され、局線受付に指定された電話機により応答します。後者の正しい肢に交換手は出てきません。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
定義文を読んで「言っていることは正しい」と思っても、それだけでは判断できません。
この問題は、文の中身ではなく名前と文の組み合わせを問うています。文が正しく読めたら、次にその文が本当にその方式の説明かを確かめます。令和4年度は、名前だけが違う肢が答えになっています。