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同じ書き出しの肢が2つ並ぶと、見比べにくいよね。
静電誘導と電磁誘導で、対策って違うの?
この記事の要点
中央監視制御設備とは、ビルの設備機器を1か所から監視して動かす設備のことです。
信号線の守り方は、静電誘導ならシールドケーブル、電磁誘導ならツイストペアケーブルで分かれます。
誤りにされるのは、その先の接地の書き方です。制御ケーブルの遮へい体は1箇所で接地すると定められています。
信号線をどう保護するかを問う形が、1級に2年度出ています。肢には配線の話とプロトコルの話が混ざって並びます。
まず、誘導の種類と対策の対応から押さえます。
信号線に外から乗ってくる誘導は、電界によるものと磁界によるもので手当てが変わります。運ぶ信号そのものの種類は入出力条件で決まります。
信号線が拾うノイズには、電源との間の静電容量を通って入る静電誘導と、電流がつくる磁界から入る電磁誘導があります。この2つは、防ぎ方が違います。
| 防ぐもの | 使うケーブル | そのあとの処置 |
|---|---|---|
| 静電誘導 | シールドケーブル | 遮へい体を1箇所で接地する |
| 電磁誘導 | ツイストペアケーブル | 管で保護する |
ケーブルの選び方のほうは、出題で誤りにされていません。誤りにされるのは、シールドケーブルを選んだあとに続く接地の書き方です。
例えば、肢に「シールドケーブルの遮へい体を両端で接地した」とあれば、そこで切れます。両端で接地すると遮へい体そのものに電流が流れ、かえって信号に乗ってしまいます。
言い換えると、「遮へいは片側だけ大地に落とす」ということです。接地工事の種別ではなく、箇所の数が問われます。
制御ケーブルの遮へい体をどう接地するかは、国土交通省の標準仕様書に定めがあります。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 第2編 2.13.12「その他」(5)
高圧ケーブル及び制御ケーブルの金属遮へい体は、1 箇所で接地する。
両端は2箇所です。だから「両端を接地した」と書いた肢が、最も不適当なものになります。同じ2.13.12は、続く(6)で「計器用変成器の2次回路は、配電盤側接地とする」とも定めています。どちらも、接地する場所を1つに決めるという書き方です。
この定めは平成25年版でも同じ2.13.12にあり、文も「高圧ケーブル及び制御ケーブルの金属遮へい体は、1 箇所で接地する。」で変わっていません。出題された2年度は平成25年度と令和3年度なので、どちらの年度でも同じ定めが生きていたことになります。
誤りにされない語には、次のようなものがあります。
ツイストペアケーブルの肢は、管の呼び名だけが年度で差し替わります。
どちらも正しい側です。管の名前が見慣れない書き方でも、そこは誤りの本体ではありません。より合わせた線の扱いはUTPケーブルの施工でも出てきます。
ツイストペアの肢には、シールドの肢と違って接地の話が出てきません。書かれているのは管で保護したというところまでです。読み比べる箇所が最初から片方にしか無いので、2つの肢を並べて迷う必要はありません。
プロトコルの肢も、2年度に出た3つがすべて正しい側でした。
正しい側に置かれたプロトコルと仕組み
BACnet:異なる製造者の装置間を接続するためのプロトコル(平成25年度 選択肢2は「基幹の」、令和3年度 選択肢4は「上位層の」と書きます)
LonWorks:システムのローカル系に採用した(令和3年度 選択肢3)
BEMS:ビルのエネルギー管理を行うために採用した(平成25年度 選択肢1)
BACnetは装置どうしをつなぐ側、LonWorksはローカル系という書き分けで並びます。BEMSだけは通信の約束事ではなく、エネルギーを管理する仕組みの名前です。3つとも正しい側なので、プロトコルの肢を読み比べても答えは決まりません。同じ設備の機能そのものは中央監視制御装置、信号の種類の使い分けは入出力条件で扱っています。
この形は2年度分で、どちらも1級です。答えになった肢の文は一字一句同じで、位置だけが動きました。
| 年度・級・問 | 答えになった肢 | 位置 |
|---|---|---|
| 平成25年度 1級 No.39 | 信号線は、電源による静電誘導を防止するためシールドケーブルを使用し、両端を接地した | 選択肢3 |
| 令和3年度 1級 No.38 | (同じ文) | 選択肢1 |
残る3つの肢は2年度とも正しい側でした。顔ぶれは完全に同じではなく、平成25年度のBEMSが令和3年度ではLonWorksに入れ替わっています。答えの肢の位置は、平成25年度が3番目、令和3年度が先頭です。位置で覚えると外します。探すのは位置ではなく、接地の書き方です。
この系統の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
静電誘導と電磁誘導:静電誘導は静電容量から、電磁誘導は磁界から入ります。前者はシールド、後者はより合わせで防ぎます。
1箇所接地と両端接地:仕様書が定めるのは1箇所です。両端は2箇所なので合いません。
鉄製パイプと鋼製電線管:年度で呼び名が変わるだけで、どちらも正しい側です。
BACnetとLonWorks:装置間の接続とローカル系で書き分けられます。
制御ケーブルの金属遮へい体は何箇所で接地すると定められているか?
1箇所です。公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)2.13.12「その他」に定めがあります。両端は2箇所なので、これに合いません。
2年度とも答えになったのはどの肢か?
静電誘導を防止するためシールドケーブルを使用し、両端を接地したとする肢です。文は2年度で同じでした。
電磁誘導の防止に使われたケーブルは何か?
ツイストペアケーブルです。2年度とも正しい側に置かれています。
LonWorksはどこに採用されたと書かれているか?
システムのローカル系です。令和3年度の肢に出ます。
BACnetは何のために採用すると書かれているか?
異なる製造者の装置間を接続するためです。2年度とも正しい側でした。
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
誤りの本体は、ケーブルの種類ではなく接地の箇所数です。
静電誘導にシールドケーブル、電磁誘導にツイストペアケーブルという組合せは、2年度とも肢の中でそのまま使われて正しい側に置かれています。読むべきは、その先の「両端を接地した」の部分です。