令和7年度 地質調査技士 現場調査部門 No.18を解説、ボーリングポンプの取扱いと吸込み高さ
令和7年度(第59回)地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.18は、ボーリングポンプを取り扱うときの注意事項に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
ボーリングポンプは、掘削に使う泥水を孔内へ送り込む往復ポンプです。
日常の取扱いでは、回転部への泥水の侵入防止、冬季の凍結対策、吸入口での異物除去といった基本が問われます。
仕組みより、ポンプの据付けで効く吸込み高さの考え方が分かれ目になります。
引っかけの核心は1点、吸込み高さ(ポンプ本体と水面までの高低差)と吸込み効率の関係です。高低差を大きくするほど良いという向きで書かれていないかが問われます。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | クランクケースなどの回転部に泥水が入ると故障の原因になるため、侵入を防ぐ配慮は正しい |
| 2 | ○(正しい) | 冬季は配管やホースの凍結で破損するため、作業終了時に水抜きを行う扱いは正しい |
| 3 | ○(正しい) | 異物を吸い込むとバルブが動作不良を起こすため、吸入口に金網を設ける対策は正しい |
| 4 | ×(誤り) 正答 | 吸込み高さは小さいほどよく、高低差を大きくすると吸込み不良になる。「高いほど効率が良い」は逆向きで誤り |
選択肢4が、吸込み高さの高低差を大きくするほど効率が良いとした点で誤りで、正しくは高低差はできるだけ小さくします。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
ボーリングポンプの吸込み高さとは、ポンプの吸込み口と水面との高低差です。この差が大きいほど吸込み側の圧力が下がり、水が気泡になって流れが途切れるキャビテーションが起きやすくなります。
キャビテーションが起きると、ポンプは設計どおりに泥水を吸い上げられず、吐出量が落ちて効率が下がります。
振動や騒音、部品の壊食にもつながります。
吸込み高さ(高低差)は大きいほど吸込み不良になるため、ポンプはできるだけ水面に近づけて据え付けます。
選択肢4は「高いほど効率が良くなるので高低差をなるべく大きくする」と、関係を逆向きに述べており、これが最も不適当な記述です。吸込み高さは小さくするのが正しく、ここを取り違えないようにします。
覚え方
- 吸込み高さ(高低差)は小さいほどよい。大きいとキャビテーションで吸込み不良
- ポンプは水面に近づけて据え付ける(高い位置に置かない)
- 回転部は泥水の侵入を防ぐ/冬季は終了時に水抜き/吸入口に金網で異物除去
- 「吸込み高さが高いほど効率が良い」は逆向きの引っかけ
理解度チェック
問題:ボーリングポンプは、吸込み高さ(ポンプと水面の高低差)を大きくするほど吸込み効率が良くなる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
吸込み高さは小さいほどよく、大きくするとキャビテーションで吸込み不良になります。ポンプは水面に近づけて据え付けます。
問題:ボーリングポンプの吸入口に金網を設けるのは、異物の吸い込みによるバルブの動作不良を防ぐためである。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
異物を吸い込むとバルブが正しく動かなくなるため、吸入口に金網などを設けて異物を除きます。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「令和7年度(第59回)地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- ポンプの吸込み性能・キャビテーション(NPSHと吸込み高さの関係)の一般知識
※ 数値・手順は標準的な内容で、最新の基準・テキストで確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月