平成30年度 地質調査技士 現場調査部門 No.98を解説、岩盤柱状図の記事の記載
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.98は、岩盤ボーリング柱状図の記事欄への記載に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
柱状図の記事欄は、コアを見て分かったことを言葉で書く欄です。
ただし書くのは、見たままの色や割れ方だけではありません。
引っかけの核心は1点、肉眼観察のみに限るのは誤りで、地質時代・地層名・岩種のように判断や照合で決まることも記載するという点です。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記載する内容 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 肉眼観察のみを記載する | ×(誤り) 正答。観察だけに限らない。地質時代・地層名・岩種なども書く |
| 2 | 地質時代、地層名、岩種を記載する | ○(正しい) その岩がいつの何かを示す。周辺の地質図や既存資料と照らして決める |
| 3 | 白色細脈などがあれば、細脈の種類を記載する | ○(正しい) 細脈の種類は熱水変質や割れ目の履歴の手がかりになる |
| 4 | 岩脈に捕獲岩や巨礫があれば、その岩種を記載する | ○(正しい) 周りの地質との関係を読む材料になる |
選択肢2・3・4は、いずれも記事欄に書く内容です。選択肢1だけが、書く範囲を狭めています。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
記事欄には、まずコア観察で見えたことを書きます。
色・岩片の形・割れ目の状態・細脈の有無などです。
しかし柱状図は、コアを見た記録で終わりません。
その岩がいつの時代の、どの地層の、何という岩なのかまで書きます。
地質時代や地層名は、コアをいくら眺めても書いてありません。
周辺の地質図・既存の調査資料・化石や岩相の対比から判断します。
つまり記事欄は、観察の記録と、それをもとにした地質の判断の両方が載る欄です。
選択肢1は、この判断の部分を落としています。
選択肢1が、記事への記載として最も不適当です。
覚え方
- 記事欄=見たこと(観察)+その岩が何か(地質時代・地層名・岩種)の両方
- 「〜のみ」「〜だけ」と範囲を狭める選択肢は、まず疑う
- 細脈の種類・捕獲岩や巨礫の岩種も書く(地質の履歴を読む材料)
- 地質時代や地層名は、コアを見るだけでは決まらない=周辺の資料と照らす
理解度チェック
問題:岩盤ボーリング柱状図の記事には、肉眼観察のみを記載する。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
観察したことに加えて、地質時代・地層名・岩種なども記載します。これらは周辺の地質図や既存資料と照らして決めます。
問題:岩石に白色細脈があれば、細脈の種類を記事に記載する。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
細脈の種類は、熱水変質や割れ目の履歴を読む手がかりになります。捕獲岩や巨礫の岩種も同様に記載します。
出典・参考資料
- 岩盤ボーリング柱状図の記事欄の記載事項(肉眼観察に加え、地質時代・地層名・岩種、細脈の種類、岩脈中の捕獲岩や巨礫の岩種)。全地連 ボーリングコア取扱い・柱状図作成の要領ほか。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度(第53回)地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」。
※ 出題番号・正答は全地連が公開する資料で確認しています。
※ この記事の確認日:2026年7月