平成30年度 地質調査技士 現場調査部門 No.64を解説、シンウォールサンプラーの押込み長さ
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.64は、固定ピストン式シンウォールサンプラーによる土試料の採取方法(JGS 1221-2012)に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
固定ピストン式シンウォールサンプラーは、軟らかい土を乱さずに採るための道具です。
薄い管を静かに押し込んで、中の土をそのまま持ち帰ります。
引っかけの核心は1点、押込み長さの規定値です。
選択肢2は「試料採取有効長さの95%以内」としていますが、これは基準の値と違います。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(最も不適当な記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 記述の要旨 | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 軟らかい粘性土および砂質土を対象とする | ○(正しい) 乱さずに採れるのは軟らかい土。硬い土や砂礫には向かない |
| 2 | 押込み長さは、試料採取有効長さの95%以内とする | ×(誤り) 正答。規定値の取り違え |
| 3 | 採取試料の品質はA・B・Cの3つに区分する | ○(正しい) 乱れの程度で3段階に分ける |
| 4 | 品質Bは、構造は乱れているが含水比や構成は原位置と同じで、土層や構成も特定できる試料 | ○(正しい) Bの定義として正しい |
選択肢1・3・4は、対象の土・品質の区分・品質Bの中身をそれぞれ正しく述べています。選択肢2だけが、押込み長さの数値を取り違えています。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
押込み長さの規定は、管の中に土を詰めきらないためにあります。
管いっぱいまで押し込むと、先に入った土が奥で押し縮められて乱れます。
そのため、試料採取有効長さに対して余裕を残す上限が決まっています。
選択肢2の95%は、その上限としては緩すぎます。
ほぼ管いっぱいまで押し込んでよいことになり、乱さずに採るという目的と合いません。
正しい上限値はサンプリングの基準(JGS 1221)で決まっているので、最新の基準で確認してください。
この設問は、数値そのものを覚えているかを問うています。
選択肢2が、採取方法として最も不適当です。
覚え方
- 固定ピストン式シンウォール=軟らかい粘性土・砂質土が対象。押込み長さには上限があり、管いっぱいには詰めない
- 「95%以内」は緩すぎる=規定値の取り違えとして出る
- 採取試料の品質はA・B・Cの3区分。Bは構造は乱れるが含水比・構成は原位置と同じ
- 押込み操作は年度で問われ方が違う=砂質土は連続して押し込む/三重管は困難なら中止
理解度チェック
問題:固定ピストン式シンウォールサンプラーの押込み長さは、試料採取有効長さの95%以内とする。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
規定値の取り違えです。管いっぱいに詰めると奥の土が押し縮められて乱れるため、上限はもっと余裕をもって決められています。正確な値はJGS 1221で確認してください。
問題:固定ピストン式シンウォールサンプラーは、軟らかい粘性土および砂質土を対象とする。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
薄い管を静かに押し込んで乱さずに採る道具なので、対象は軟らかい土です。硬い土や砂礫には二重管・三重管を使います。
出典・参考資料
- 地盤工学会基準「固定ピストン式シンウォールサンプラーによる土試料の採取方法」(JGS 1221)。対象土質・押込み長さの規定・採取試料の品質区分(A・B・C)。
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度(第53回)地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」。
※ 出題番号・正答は全地連が公開する資料で確認しています。押込み長さの規定値は基準の改定で変わることがあるため、最新のJGS 1221で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月