乱さない試料のサンプリングとは?シンウォール・デニソン・トリプルの違い(N値で使い分け)
ちしつモグラ
サンプラーのシンウォール・デニソン・トリプルってどの土に使うの?N値でどう分けるの?
この記事の要点
- 乱さない試料(不撹乱試料)は、原位置の構造を保ったまま採り、室内の土質試験に使う。
- 使い分けの軸は土の硬さ(N値)=やわらかい順にシンウォール→デニソン→トリプル。
- 引っかけはN値の範囲とサンプラーの対応と、押込み式(シンウォール)とロータリー式(デニソン・トリプル)の取り違え。
サンプリングとは、室内の土質試験に使う試料を地中から採取することです。なかでも原位置の構造を乱さずに採る乱さない試料(不撹乱試料)は、一軸圧縮試験や圧密試験などに使うため、土の硬さに合ったサンプラーを選びます。
3種類のサンプラーと使い分け
固定ピストン式シンウォールサンプラー
軟弱な粘性土(N値0〜4程度)に使います。
薄い肉厚の管(シンウォール)を、ピストンで固定しながら静かに押し込んで採取します。
やわらかい土を乱さず採るのに向きます。
デニソンサンプラー
中程度から硬質の粘性土(N値4〜20程度)に使う、ロータリー式の二重管サンプラーです。
外管を回転させて掘り進めながら、内管で試料を保護します。
押し込めない硬さの粘性土が対象です。
トリプルサンプラー
硬質の粘性土や締まった砂質土に使う、ロータリー式の三重管サンプラーです。さらに硬い土や砂で、デニソンでも難しい場合に用います。
サンプラーの違い(早見表)
| サンプラー | 方式 | 適用土質(N値の目安) |
|---|---|---|
| 固定ピストン式シンウォール | 押込み(ピストン固定) | 軟弱な粘性土(N値0〜4) |
| デニソン | ロータリー式 二重管 | 中〜硬質の粘性土(N値4〜20程度) |
| トリプル | ロータリー式 三重管 | 硬質の粘性土・締まった砂質土 |
やわらかい土は押込み、硬くなるほど回転して掘るロータリー式に移る、という順で覚えます。硬い土にシンウォールを押し込もうとしても採れないのが取り違えの核心です。
まちがえやすい:押込み式 と ロータリー式
シンウォールは押し込んで採る方式で、やわらかい粘性土向きです。
デニソン・トリプルは回転させて掘り進む方式で、硬い土・砂向きです。
方式と適用土質の組合せを入れ替えるのが引っかけです。
過去問での問われ方:サンプリング法と適用地盤
サンプリングは基準化された採取法と適用地盤の対応で出ます(R03現場調査No.31ほか)。
引っかけはサンプラーと適用土質の取り違えです。
固定ピストン式シンウォールサンプラー(JGS 1221)は軟弱な粘性土向きで、砂礫地盤には適していません。
「シンウォールが砂礫地盤に適している」とするのは誤りです(R03のNo.31)。
基準は方式ごとに、ロータリー式二重管がJGS 1222、三重管がJGS 1223と決まっています。
やわらかい土にトリプル、硬い土にシンウォール、のような逆の組合せに注意します。
年度をまたいだ問われ方は砂礫・粘性土の採取の論点整理を参照してください。
理解度チェック
問題:固定ピストン式シンウォールサンプラーは、硬質の砂質土から乱さない試料を採るのに最も適している。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
シンウォールは軟弱な粘性土(N値0〜4程度)向きです。硬質の砂質土にはトリプルサンプラーなどを使います。
問題:デニソンサンプラーは、ロータリー式の二重管で中〜硬質の粘性土に用いる。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
外管を回転させて掘り進めながら内管で試料を保護します。N値4〜20程度の粘性土が対象です。
やわらかい順にシンウォール→デニソン→トリプル、押込み式かロータリー式か。この2点で、サンプラーと土質の組合せの引っかけに対応できます。
出典・参考資料
- 地盤工学会「地盤調査の方法と解説」/固定ピストン式シンウォールサンプラー(JGS 1221)・ロータリー式二重管(JGS 1222)・三重管(JGS 1223)
- 各サンプリング方法の適用土質・N値の目安(地盤工学会「地盤調査の方法と解説」)
- 全地連 地質調査技士検定試験(R03 現場調査部門 No.31 サンプリング法と適用地盤 ほか)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 適用範囲の数値は目安です。最新の基準・解説で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月