けんせつる
急ぎなら、少しくらい基準を超えてもいいの?
騒音・振動って、まず何を届け出るの?
この記事の要点
指定地域内で特定建設作業を行うときは、開始の7日前までに市町村長へ届け出ます。
規制基準は、敷地境界で騒音85デシベル・振動75デシベルです。過去問での問われ方も押さえます。
建設工事の騒音・振動は、周辺の生活環境に影響します。騒音規制法・振動規制法のルールと、現場での対策を押さえます。
指定地域内で特定建設作業を行うときは開始の7日前までに市町村長へ届け出て、規制基準(敷地境界で騒音85デシベル・振動75デシベル)を守ります。
特定建設作業は、指定地域内で著しい騒音や振動を発生する、決められた作業です。「うるさそうな作業」が全部入るのではなく、政令で作業が名指しされています。
ここで大事なのは、騒音規制法と振動規制法で、対象の作業が違うことです。まず騒音規制法(施行令 別表第二)の8つを見ます。
| 騒音規制法の特定建設作業 | 条件・除かれるもの |
|---|---|
| くい打機・くい抜機・くい打くい抜機 | もんけん、圧入式、アースオーガー併用は除く |
| びよう打機 | — |
| さく岩機 | 移動する作業は1日の2地点間の最大距離50m以内 |
| 空気圧縮機 | 電動機以外で15kW以上(さく岩機の動力は除く) |
| コンクリートプラント・アスファルトプラント | 混練容量0.45m³以上/混練重量200kg以上 |
| バックホウ | 80kW以上 |
| トラクターショベル | 70kW以上 |
| ブルドーザー | 40kW以上 |
下の3つは出力の数値まで決まっています。同じ機械でも、小さければ特定建設作業になりません。
指定地域内で特定建設作業を伴う工事を行う者は、原則として作業開始の日の7日前までに市町村長へ届け出ます。届出先は都道府県知事ではなく市町村長です。災害などで緊急に行う場合も、届出を省略できるわけではなく、できるだけ速やかに届け出ます。
振動規制法(施行令 別表第二)は4つだけです。騒音の8つと比べると、ぐっと少なくなります。
| 振動規制法の特定建設作業 | 条件・除かれるもの |
|---|---|
| くい打機・くい抜機・くい打くい抜機 | もんけん、圧入式、油圧式くい抜機は除く |
| 鋼球を使用して工作物を破壊する作業 | — |
| 舗装版破砕機 | 移動する作業は1日の2地点間の最大距離50m以内 |
| ブレーカー | 手持式は除く/移動する作業は50m以内 |
2つの表を見比べると、バックホウ・ブルドーザー・トラクターショベルは、騒音規制法にはあるが振動規制法には無いことが分かります。ここが試験で最も狙われます。
| 機械・作業 | 騒音規制法 | 振動規制法 |
|---|---|---|
| くい打機・くい抜機 | ○ | ○ |
| バックホウ(80kW以上) | ○ | × |
| ブルドーザー(40kW以上) | ○ | × |
| トラクターショベル(70kW以上) | ○ | × |
| さく岩機・空気圧縮機 | ○ | × |
| ブレーカー(手持式を除く) | × | ○ |
| 舗装版破砕機・鋼球による破壊 | × | ○ |
| 振動ローラ | × | × |
並べてみると、掘る・削る・混ぜる機械は騒音、こわす機械は振動に寄っていることが分かります。くい打機の仲間だけが両方に入っているのは、打ち込むときに音も揺れも同時に出るからです。
「バックホウは対象外」と覚えると、騒音の問題で間違えます。逆に「ブレーカは対象」と覚えると、騒音の問題で間違えます。どちらの法律の話かを先に見るのが正解への近道です。
なお振動ローラは、どちらの法律でも特定建設作業ではありません。名前に「振動」が付いているので対象に見えますが、政令に載っていません。名前で判断させるのが引っかけの狙いです。
特定建設作業の規制基準は、次のとおりです。
| 項目 | 規制基準(敷地境界) |
|---|---|
| 騒音 | 85デシベルを超えないこと |
| 振動 | 75デシベルを超えないこと |
デシベルのほかに、時間の決まりもあります。こちらは1つの数値ではなく、区域によって2通りです。静かにすべき区域(第1号区域)のほうが厳しくなります。
| 第1号区域 | 第2号区域 | |
|---|---|---|
| 作業できない時間 | 午後7時〜翌日の午前7時 | 午後10時〜翌日の午前6時 |
| 1日の作業時間 | 10時間を超えない | 14時間を超えない |
| 連続の作業日数 | 同じ場所で連続6日を超えない | |
| 日曜・休日 | 作業しない | |
「夜間は10時から」「1日10時間まで」と片方ずつ覚えると混ざります。10時間なら午後7時から、14時間なら午後10時から、とセットで動くと押さえてください。第1号区域は住居がある区域など、静かさが求められる区域です。
なお、これらの数値は騒音も振動もまったく同じです。違うのはデシベルの値(騒音85・振動75)だけなので、時間の決まりは1回覚えれば両方に使えます。
現場では、規制基準を守るために次のような対策をとります。
作業効率を上げたいからといって、一時的にでも規制値を超えてはいけません。規制値は必ず守ります。
混同しやすい用語
騒音規制法 と 振動規制法
よく似た2つの法律ですが、規制する対象と基準値が違います。騒音規制法は音を対象とし、特定建設作業の規制基準は敷地境界で85デシベルです。振動規制法は揺れを対象とし、規制基準は敷地境界で75デシベルです。どちらも特定建設作業を指定地域で行うときは、開始の7日前までに市町村長へ届け出る点は同じです。音が85・振動が75、と数字で覚えます。
騒音・振動は、規制値の数値・届出・対象機械が繰り返し問われます。引っかけは大きく3型です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 令和8年度(前期) 2級 No.46 | 振動規制法の特定建設作業の対象機械を選ぶ=ジャイアントブレーカ(ブルドーザ・振動ローラ・バックホウは対象外)←対象機械・正答:4 |
| 令和7年度 1級 No.64 | 騒音の規制基準を「敷地境界で75デシベルを超える」=誤り(騒音は85デシベル。75は振動)←数値・正答:4 |
| 令和7年度 1級 No.65 | 緊急の特定建設作業を「工事完成後に完了届を提出すれば足りる」=誤り(できるだけ速やかに届け出る)←届出・正答:4 |
| 令和7年度 1級 No.22 | 騒音規制法の特定建設作業の届出先を「都道府県知事」=誤り(市町村長)←届出先・正答:3 |
| 平成25年度 1級 No.32 | 「一時的に規制値を超えても発生期間を短縮して影響を小さくする」=誤り(規制値は一時的にも超えない)←規制値・誤り肢 |
核心は3つです。規制値は騒音85デシベル・振動75デシベル(騒音を75とするのは誤り)、届出は市町村長へ7日前まで(都道府県知事は誤り)、バックホウ・ブルドーザは振動規制法の対象外(ただし騒音規制法では対象)です。数値・届出先・対象機械を取り違えた記述が、誤り肢になります。振動ローラは名前に反して、どちらの法律でも対象になりません。
問題:指定地域内で特定建設作業を伴う工事を行う者は、原則として作業開始の7日前までに市町村長へ届け出る。
〇か×か。
答え:〇
原則として、作業開始の日の7日前までに市町村長へ届け出ます。都道府県知事ではありません(令和7年度 1級 No.22)。
問題:特定建設作業の規制基準は、敷地境界で騒音85デシベル、振動75デシベルである。
〇か×か。
答え:〇
敷地境界で、騒音は85デシベル、振動は75デシベルを超えないことが規制基準です。騒音を75とするのは誤りです(令和7年度 1級 No.64)。
問題:ブルドーザは、振動規制法の特定建設作業の対象となる建設機械である。
〇か×か。
答え:×
ブルドーザ・振動ローラ・バックホウは対象外です。対象は舗装版破砕機・ジャイアントブレーカ・くい打機などです(令和8年度 2級 No.46)。
問題:特定建設作業では、作業効率を上げるためなら一時的に規制値を超えてもよい。
〇か×か。
答え:×
規制値は一時的にも超えてはいけません。低騒音型機械の使用などで基準内に収めます(平成25年度 1級 No.32)。
建設工事の騒音・振動は、騒音規制法・振動規制法で規制されます。
特定建設作業は開始の7日前までに市町村長へ届け出て、敷地境界で騒音85・振動75デシベルを超えないようにするのが要点です。
規制値の数値・届出先・振動規制法の対象機械を取り違える引っかけが、過去問で繰り返されます。
参考資料
※ 数値・制度は標準的な内容です。法令の改正があり得るため、最新の条文・資料で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月
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