ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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仮設工事とは?直接仮設と間接仮設、指定仮設と任意仮設の違いと、安全率を割り引ける理由

けんせつる

けんせつる

仮設って、本体と同じくらい頑丈に作るの?

仮設ならではの考え方って、何?

この記事の要点

仮設工事は、工事のために一時的に設ける設備です。用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれます。

仮設構造物は使用期間が短いため、安全率を多少割り引くことがあります。過去問での問われ方も押さえます。

仮設工事は、本工事を進めるために一時的に設け、完成後に撤去する設備です。分類のしかたと、計画の注意点を押さえます。

仮設工事は、工事のため一時的に設ける設備で、用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれます。

仮設工事の分類

仮設は、2つの見方で分類できます。1つは用途による分け方です。

仮設工事の分類(直接仮設・間接仮設)ツリー 仮設工事 直接仮設 足場・土留めなど 間接仮設 事務所・倉庫など
仮設工事の用途による分類。本工事に直接関わるのが直接仮設、工事全体に共通するのが間接仮設(共通仮設)です。

直接仮設は、本工事に直接関わる仮設で、足場土留め支保工・工事用道路などです。間接仮設(共通仮設)は、工事全体に共通する仮設で、現場事務所・倉庫・宿舎・給排水や電力の設備などです。

もう1つは、取り決めによる分け方で、指定仮設と任意仮設に分かれます。一般には、施工者の判断に任せる任意仮設が多くなります。

仮設計画の注意点

仮設計画では、次の点に注意します。

  • 本工事の工法・仕様の変更に追随できる、柔軟性のある計画にする
  • 材料は一般の市販品を使い、規格を統一する
  • 運搬・設置・運用・メンテナンス・撤去まで総合的に検討する

仮設構造物は使用期間が短いことから、安全率を本体構造物より多少割り引いて設計することがあります。本体構造物と同じ安全率にする必要はありません。

なぜ安全率を割り引けるのか

「安全率を下げる」と聞くと手抜きのようですが、そうではありません。設計で見込むべき危険の大きさが違うからです。

本体構造物は、これから何十年も立ち続けます。その間には、めったに来ない大地震・大雪・大風が来ます。だから設計では長い年月のあいだに一度は来る大きさを見込みます。一方で仮設は、工事のあいだの数か月から数年で撤去します。その短い期間に同じ規模の事象が来る見込みは、はるかに小さくなります。

もう1つは人が見ているかどうかです。本体は引き渡したあと、日常的に人が見張っているわけではありません。仮設は工事中ずっと現場に人がいて、点検し、異常があれば手を入れられます。見込む危険が小さく、かつ気づいて直せる——この2つがそろうから、割り引けます。

ただし「割り引ける」だけで、安全を無視してよいわけではありません。仮設備も労働安全衛生規則の基準に合致させる必要があります。足場の手すりの高さや土留めの点検のように、法令が数値で決めているものは仮設でも守ります。

なぜ指定仮設だけ契約変更の対象になるのか

指定仮設と任意仮設の違いは、名前だけ覚えると入れ替えられます。決めた人が責任を持つと考えると迷いません。

 指定仮設任意仮設
構造・規模を決める人発注者(設計図書で指定)施工者
変更するには発注者の承認が要る施工者の判断でよい
契約変更対象になる原則、対象にならない
数の多さ特殊な場合に限られる一般にはこちらが多い

指定仮設は、発注者が「この構造でやれ」と決めたものです。決めたのが発注者である以上、あとから変える必要が出たときの費用も発注者側の話になります。だから契約変更の対象になります

任意仮設は、やり方を施工者に任せたものです。どんな足場を組むか、どんな工事用道路をつくるかは施工者が決めてよい代わりに、思ったより手間がかかっても自分の見込み違いになります。だから原則として契約変更にはなりません。

試験では「どちらも契約変更の対象にならない」「どちらも対象になる」と、2つを同じ扱いにする肢が出ます。決めた人が違えば扱いも違う、と押さえれば引っかかりません。

材料を規格統一するのは転用するため

仮設計画で「材料は一般の市販品を使い、規格を統一する」とされているのは、他の工事に転用するためです。仮設はいずれ撤去しますが、そこで捨てるのではなく、次の現場でまた使えれば、そのぶん原価が下がります。

特注品を使うと、その現場でしか使えません。寸法がまちまちでも組み合わせられず、結局は余ります。市販品・規格統一・転用はひとつながりの話です。ここも「仮設材料は他工事に転用しない」という逆の肢が出ます。

混同しやすい用語

指定仮設 と 任意仮設

どちらも取り決めによる分け方ですが、決める人が違います。指定仮設は、発注者が設計図書で構造や規模を指定する仮設で、変更するには発注者の承認が必要で、契約変更の対象になります。任意仮設は、施工者が自分の判断で構造や規模を決められる仮設で、原則として施工者の裁量に任されます。発注者が決めるのが指定仮設、施工者が決めるのが任意仮設、と整理できます。

過去問でどう問われたか

仮設工事は、1級・2級とも分類や計画の考え方が正誤判定で問われます。問われ方は3つの型に分かれます。

①仮設構造物の安全率、②指定仮設と任意仮設の取り扱い(契約変更の対象か)、③仮設計画の基本(材料の規格統一・安全の基準)です。

仮設構造物を「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする記述は誤りです。仮設は使用期間が短いため、安全率を多少割り引いて設計することがあります。

年度・級 No. 問われ方・引っかけ
平成22年度・1級 No.7 仮設構造物の安全率。「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする誤り(割り引いて設計することがある)
平成25年度・2級 No.48 指定仮設と任意仮設。「どちらも契約変更の対象にならない」とする誤り(指定仮設は契約変更の対象になる)

このほか、仮設材料は「他工事に転用しない」ではなく転用できるよう規格を統一すること、仮設備も労働安全衛生規則の基準に合致させることが複数年で問われます。

理解度チェック

問題:仮設には、発注者が指定する指定仮設と、施工者の判断に任せる任意仮設があり、一般に任意仮設が多い。

〇か×か。

答え:

指定仮設は発注者が、任意仮設は施工者が決めます。特殊な場合を除き、一般には任意仮設が多くなります。

問題:仮設構造物は、一般に本体構造物と同等の安全率で設計する。

〇か×か。

答え:×

仮設は使用期間が短いため、安全率を本体構造物より多少割り引いて設計することがあります。平成22年度(1級)No.7では、仮設構造物を「本体構造物と同等の安全率で設計する」とする記述が誤りとして問われました。

問題:足場や土留めは直接仮設、現場事務所や倉庫は間接仮設(共通仮設)に分類される。

〇か×か。

答え:

本工事に直接関わるのが直接仮設、工事全体に共通するのが間接仮設(共通仮設)です。

まとめ

仮設工事は、工事のために一時的に設ける設備です。

用途で直接仮設・間接仮設、取り決めで指定仮設・任意仮設に分かれ、安全率は本体より多少割り引くことがあるのが要点です。

指定仮設と任意仮設の違いや、安全率の考え方が、過去問でよく問われます。

参考資料

  • 国土交通省「土木工事共通仕様書」(仮設工)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「施工計画(仮設)」関連資料

※ 分類・考え方は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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