ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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ネットワーク式工程表とは?クリティカルパスはトータルフロートが0の最長経路

けんせつる

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クリティカルパスって、結局なに?

ネットワーク式って、何が分かるの?

この記事の要点

ネットワーク式工程表は、作業を矢印、結合点を丸で表し、作業の順序と関連を示します。

最も日数のかかる経路がクリティカルパスで、ここに余裕(フロート)はありません。過去問での問われ方も押さえます。

ネットワーク式工程表は、作業どうしのつながりを矢印で表す工程表です。どの作業が遅れると工期に響くかが、はっきり分かります。

ネットワーク式工程表は、作業を矢印・結合点で表して順序と関連を示し、最も日数のかかる経路がクリティカルパスです。

ネットワーク式工程表の基本

作業(アクティビティ)を矢印で、作業の区切り(イベント=結合点)を丸で表します。矢印を順にたどると、作業の順序と関連が分かります。

ネットワーク式工程表(クリティカルパス)の模式図 作業A 作業C 作業B 作業D 作業E
ネットワーク式工程表の模式図。丸が結合点、矢印が作業です。太い赤線が、最も日数のかかる経路(クリティカルパス)の例です。

所要時間を持たない「ダミー」という擬似作業もあり、点線の矢印で表します。ダミーは、並行する複数の作業の順序関係を明確にする役割をもちます。

ダミーが要るのは、「Bを始めるにはAが終わっている必要があるが、AとBの間に作業はない」という関係を書き表すためです。時間はかからないけれど順序はある、という状態を矢印1本で示します。

ダミーの所要日数は0です。日数を持たせてしまうと、実在しない作業が工期に加わります。点線で描くのは、実作業と区別するためです。

クリティカルパスは、開始から完了までで最も日数のかかる経路です。この経路の長さが全体の工期になります。クリティカルパス上の作業には余裕(フロート)がなく、ここが遅れると工事全体が遅れます。

余裕のことをフロートといい、全体工期に影響を与えずに持てる最大の余裕がトータルフロートです。クリティカルパス上はトータルフロートがゼロです。なお、トータルフロートが非常に小さい経路も、クリティカルパスと同じように重点的に管理します。

余裕が1〜2日しかない経路は、雨が数日続けばすぐクリティカルパスに変わります。工程表を作った時点で余裕があっても、現場では簡単に食いつぶされるためです。「余裕がある=放っておいてよい」ではありません。

なぜ最長の経路が工期になるのか

複数の経路があるとき、工期を決めるのは最も日数のかかる経路です。短い経路ではありません。

理由は、すべての作業が終わらないと工事は完了しないからです。3日で終わる経路と10日かかる経路が並行しているなら、全体が終わるのは10日後です。短いほうが早く終わっても、長いほうを待ちます。

この待たされる側の余裕がフロートです。3日の経路には7日の余裕がありますが、10日の経路には余裕がありません。余裕がない経路=クリティカルパスです。

クリティカルパス上それ以外
トータルフロート00より大きい
1日遅れると工期が1日延びる余裕の範囲なら影響なし
短縮すると工期が縮む縮めても工期は変わらない

工期を縮めたいときにクリティカルパス以外を頑張っても意味がないのは、この表のとおりです。人や機械を追加するなら、クリティカルパス上の作業に投入します。

ただし短縮を進めると、別の経路が最長になってクリティカルパスが移ることがあります。縮めたら引き直します。

結合点の余裕(スラック)

結合点には、最も早く到達できる時刻(最早結合点時刻)と、工期を遅らせずに最も遅く出発できる時刻(最遅結合点時刻)があります。この差が結合点の余裕(スラック)です。スラックが0の結合点では、最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しくなり、クリティカルパス上にあります。

混同しやすい用語

クリティカルパス と トータルフロート

関係が深いですが、別の概念です。クリティカルパスは、最も日数のかかる「経路」そのものです。トータルフロートは、各作業がもつ「余裕」の大きさです。クリティカルパス上の作業はトータルフロートが0になります。経路がクリティカルパス、余裕がトータルフロート、と整理できます。

過去問でどう問われたか

ネットワークは、用語の意味の正誤と、図からの日数計算が問われます。引っかけは、余裕がある・ないの論理を逆にする型が中心です。

  • 逆設定型:余裕の有無を逆にする。スラックが0のイベントで「最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しくならない」とする(正=等しい=クリティカルパス上)。
  • 計算型:図から最遅開始時刻・余裕日数・クリティカルパスの本数を算定する。
出題年度・級(問番)問われ方(引っかけの核心)
平成22年度 1級(No.13)ネットワーク用語の正誤。スラックが0のイベントでは最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しい(「等しくならない」は誤り)。ダミーは所要時間を持たない擬似作業で、作業の順序関係を明確にする。
平成22年度 1級(No.14)ネットワーク工程図の計算。クリティカルパスの本数、ある作業の最遅開始時刻、余裕日数を図から算定する。
頻出論点(クリティカルパス)開始から完了まで最も日数のかかる経路で、その長さが工期。経路上の作業はトータルフロートが0で、遅れると全体工期が遅れる。
頻出論点(フロート・ダミー)トータルフロート=全体工期に影響せず持てる最大の余裕。ダミー=所要時間を持たない擬似作業(点線の矢印)で順序関係を示す。

スラックが0のイベントで「最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しくならない」とする記述は誤りです。スラックが0なら最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しく、その結合点はクリティカルパス上にあります。余裕の有無を逆にするのが引っかけの定番です。

理解度チェック

問題:クリティカルパスは、開始から完了までで最も日数のかかる経路で、その長さが全体の工期になる。

〇か×か。

答え:

クリティカルパスは最も日数のかかる経路で、その長さが工期です。ここが遅れると工事全体が遅れます。

問題:ダミーは、所要時間を持たない擬似作業で、作業の順序関係を明確にする。

〇か×か。

答え:

ダミーは所要時間0の擬似作業で、点線の矢印で表し、並行する作業の順序関係を明確にします。

問題:スラックが0のイベントでは、最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しくならない。(平成22年度 1級 No.13)

〇か×か。

答え:×

スラックが0なら、最早結合点時刻と最遅結合点時刻は等しくなります。その結合点はクリティカルパス上にあります。

まとめ

ネットワーク式工程表は、作業の順序と関連を矢印で表す工程表です。

最も日数のかかる経路がクリティカルパスで、ここに余裕(フロート)はなく、遅れると工期全体が遅れるのが要点です。

クリティカルパス・フロート・ダミー・スラックの意味が、過去問でよく問われます。

工程表のほかの種類は工程表の種類、工程と費用の関係は工程・原価・品質の関係もあわせて確認すると、工程管理がつながります。

参考資料

  • 国土交通省「土木工事施工管理基準」
  • 一般財団法人 建設業振興基金「施工管理(工程管理)」関連資料

※ 用語・考え方は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

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