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騒音と騒音性難聴(等価騒音レベル)|作業環境測定士

編集部

騒音性難聴は「治る?治らない」「内耳?中耳」で迷いますよね。騒音性難聴は内耳の蝸牛の有毛細胞がやられる感音性難聴で、4000Hzから始まり回復しにくい。対策は音源から、が基本です。

この記事の要点

騒音性難聴は、内耳の蝸牛にある有毛細胞の変性による感音性難聴で、4000Hz付近の聴力低下(c5dip)から始まり、回復しにくい障害です。

可聴域は約20〜20000Hz、0dBは基準音圧20μPa。等価騒音レベルは変動する騒音のエネルギー的な平均です。騒音対策は音源対策→伝ぱ経路対策→受音者対策の順で行います。

著しい騒音を発する屋内作業場は作業環境測定(等価騒音レベルの測定)の対象であり、労働衛生一般の問13で毎回、騒音と騒音性難聴が問われます。

難聴の分類・部位、デシベルの基準、対策の順序が中心です。

騒音性難聴は内耳の蝸牛の有毛細胞による感音性難聴で、4000Hz(c5dip)から始まり回復しにくい。対策は音源から行います。

音の基礎(周波数・デシベル)

  • ヒトの可聴域は約20Hz〜20000Hz。これより低いものを超低周波音、高いものを超音波といいます。会話音域は約500〜2000Hz。
  • 聴覚は2000〜4000Hz付近の音に最も鋭敏で、これより高くても低くても感度は下がります。
  • 音圧レベルの0dBは基準音圧20μPa(人が聴くことのできる最も小さな音圧)であり、「音が全くない状態」ではありません
  • 等価騒音レベルは、時間とともに変動する騒音を、同じエネルギーをもつ定常騒音のレベルで表したもの(時間平均騒音レベル)です。
  • 騒音計の周波数重み付け特性Aは、人の聴感に合わせて補正したものです。同じ騒音源が2台近接すると、騒音レベルは約3dB大きくなります。

騒音性難聴

難聴は、障害の部位で分かれます。

分類障害の部位
伝音性難聴外耳・中耳の障害
感音性難聴内耳より奥の障害

騒音性難聴は、内耳の蝸牛にある有毛細胞が変性することで起こる感音性難聴です。前庭や半規管(平衡感覚をつかさどる部位)の障害ではありません。

4000Hz付近の聴力低下(c5dip)から始まるのが特徴で、加齢による難聴がより高音域から始まるのと対照的です。

重要なのは、有毛細胞は変性すると元に戻らないため、騒音性難聴は回復しにくい(基本的に不可逆)ことです。

「ばく露を停止すると1か月程度で回復する」とするのは誤りです。なお、爆発音などで内耳が一挙に損傷を受けるものを急性音響外傷といいます。

騒音対策の順序

騒音対策は、音源対策 → 伝ぱ経路対策 → 受音者対策の順で考えます。発生源を抑える音源対策が最も効果的で、次に経路(吸音・遮音)、最後に受音者側(保護具など)です。「受音者対策→伝ぱ経路対策→音源対策の順」とするのは逆で、誤りです。必要に応じて複数を組み合わせます。

混同しやすいところ

伝音性難聴 と 感音性難聴

伝音性は外耳・中耳、感音性は内耳の障害です。騒音性難聴は内耳蝸牛の有毛細胞による感音性難聴で、前庭・半規管ではありません。

0dB の意味

0dBは基準音圧20μPa(最小可聴音の基準)であり、音が全くない状態ではありません。

騒音対策の順序

音源対策→伝ぱ経路対策→受音者対策の順です。受音者側から始めるのではありません。

過去問でどう問われたか

騒音は、労働衛生一般の問13で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月の全6回)出題されています。難聴の部位・回復、デシベルの基準、対策の順序が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問13点音源で距離が2倍になると「音圧レベルは1/2になる」とした選択肢が誤り(約6dB低下)。騒音性難聴=蝸牛の有毛細胞の不可逆的低下、は正しい。
令和7年8月問13騒音性難聴が「ばく露停止で1か月程度で回復する」とした選択肢が誤り(回復しにくい)。
令和7年2月問13「0dBは音が全くない状態」とした選択肢が誤り(基準音圧20μPa)。
令和6年8月問13周波数重み付け特性とA測定・C測定を取り違えた選択肢が誤り。騒音性難聴=感音性は正しい。
令和6年2月問13騒音対策を「受音者対策→伝ぱ経路対策→音源対策の順」とした選択肢が誤り(音源から)。
令和5年8月問13騒音性難聴を「内耳の前庭や半規管の障害」とした選択肢が誤り(蝸牛の有毛細胞)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 騒音性難聴を可逆(回復する)とする(回復しにくい)。
  • 0dBを無音とする(基準音圧20μPa)。
  • 騒音性難聴の部位を前庭・半規管とする(蝸牛の有毛細胞)。
  • 騒音対策の順序を逆にする(音源→経路→受音者)。

騒音性難聴は内耳蝸牛の有毛細胞による感音性難聴で、4000Hz(c5dip)から始まり回復しにくい。0dBは基準音圧20μPa、対策は音源から行います。

理解度チェック

問題:騒音性難聴は、85dBを超える音にばく露され続けて生じるが、通常、ばく露を停止すると1か月程度で回復する。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

騒音性難聴は内耳蝸牛の有毛細胞の変性によるもので、回復しにくい(基本的に不可逆)障害です(令和7年8月 労働衛生一般 問13の論点)。

問題:騒音性難聴は、内耳の前庭や半規管の機能に障害を受けることにより生じる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

騒音性難聴は、内耳の蝸牛にある有毛細胞の変性による感音性難聴です。前庭や半規管は平衡感覚をつかさどる部位です(令和5年8月 労働衛生一般 問13の論点)。

問題:騒音防止対策は、受音者対策→伝ぱ経路対策→音源対策の順で実施する。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

騒音対策は音源対策→伝ぱ経路対策→受音者対策の順で考えます。発生源を抑える音源対策が最も効果的です(令和6年2月 労働衛生一般 問13の論点)。

まとめ

騒音性難聴は、内耳の蝸牛にある有毛細胞の変性による感音性難聴で、4000Hz付近(c5dip)から始まり、回復しにくい障害です。

可聴域は約20〜20000Hz、0dBは基準音圧20μPa、等価騒音レベルは変動騒音のエネルギー的な平均です。

問13で毎年問われる引っかけは、難聴の回復性、0dBの意味、障害部位、対策の順序です。難聴の部位は内耳蝸牛、対策の順序は音源からです。

参考資料

  • 騒音性難聴(内耳蝸牛の有毛細胞の変性による感音性難聴、4000Hz付近のc5dipから始まり回復しにくい)、可聴域(約20〜20000Hz)、基準音圧20μPa、等価騒音レベル、周波数重み付け特性A、騒音対策の順序(音源対策→伝ぱ経路対策→受音者対策)は、職場のあんぜんサイト、騒音障害防止のためのガイドライン、耳鼻科・産業保健の解説による。
  • 有毛細胞は変性すると元に戻らないため、騒音性難聴は基本的に不可逆。0dBは無音ではなく最小可聴音の基準。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生一般 問13、令和5年8月〜令和8年2月の全6回)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。