作業環境測定士 独学ノート
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振動障害(レイノー現象・日振動ばく露量)|作業環境測定士

編集部

「しびれは循環障害?神経障害?」で引っかかりますよね。しびれ=末梢神経障害、レイノー現象(手指が白くなる)=末梢循環障害。この対応を逆にした選択肢が定番の引っかけです。

この記事の要点

振動障害は、チェーンソーなどの振動工具による末梢循環障害(レイノー現象=白ろう病)・末梢神経障害(しびれ)・運動器障害の総称です。レイノー現象は寒冷などで手指が発作的に蒼白になる現象です。

管理には日振動ばく露量A(8)を用い、周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値と振動ばく露時間から求めて、限界値5.0・対策値2.5 m/s²で管理します。健診は冬季に行うのが望ましいです。

振動工具を使う作業は、作業環境測定の対象(振動工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値の測定)でもある労働衛生一般の論点です。

問12でほぼ毎年、振動障害の症状や日振動ばく露量が問われます。症状の分類とばく露量の管理が中心です。

しびれは末梢神経障害、レイノー現象(手指の蒼白=白ろう病)は末梢循環障害。日振動ばく露量は限界値5.0・対策値2.5 m/s²で管理します。

振動障害の症状

振動障害は、振動工具の使用で生じる次の3つの障害の総称です。

障害主な症状
末梢循環障害レイノー現象(手指が発作的に蒼白になる=白ろう病)
末梢神経障害手指のしびれ、感覚の鈍麻
運動器障害骨・関節などの障害

注意したいのは、しびれ=末梢神経障害、レイノー現象=末梢循環障害という対応です。

「手のしびれなどの末梢循環障害、レイノー現象などの末梢神経障害」のように入れ替えた選択肢は誤りです。

レイノー現象(白ろう病)

レイノー現象は、寒冷にさらされることなどにより手指が発作的に蒼白になる現象で、白ろう病とも呼ばれます。

発作的・可逆的な現象であり、「手指が不可逆的にろうのように白く硬直する」とするのは誤りです。

発作は5〜15分程度続くことが多く、回復時にしびれを伴うことがあります。喫煙は増悪因子です。

レイノー現象は振動障害のほか、塩化ビニルへのばく露や膠原病などでも生じます。

また、局所振動障害では、一般に自覚症状(しびれ・レイノー現象など)が他覚症状より先に現れます。「他覚症状が自覚症状より先行する」とするのは誤りです。

日振動ばく露量A(8)

振動ばく露の管理には、日振動ばく露量A(8)を使います。周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値(ahv)と1日の振動ばく露時間Tから求めます。

A(8) = ahv × √(T/8)

  • 日振動ばく露限界値=5.0 m/s²…これを超えないように、振動ばく露時間の抑制・低振動工具の選定を行います。
  • 日振動ばく露対策値=2.5 m/s²…限界値以下でもこれを超える場合は、対策に努めます。

振動が人体に与える影響は周波数によって異なるため、周波数補正を行います(手腕系では12Hz前後で影響が大きいとされます)。

フォークリフトや建設機械の運転では、全身が低い周波数の振動を受け、腰痛や脊柱の障害を起こすことがあります(全身振動)。

健康診断は冬季に行うのがよい

振動工具取扱い作業者の特殊健康診断は6か月以内ごとに1回行い、そのうち1回は冬季に行うのが望ましいとされます。レイノー現象は寒冷で誘発されやすく、冬季のほうが症状を把握しやすいためです。「寒冷の影響を受けないよう冬季の実施を避ける」とするのは誤りです。

混同しやすいところ

末梢神経障害 と 末梢循環障害

しびれは末梢神経障害、レイノー現象(手指の蒼白)は末梢循環障害です。対応を逆にした選択肢に注意します。

レイノー現象 は可逆的

レイノー現象は発作的・可逆的に手指が蒼白になる現象です。「不可逆的に硬直する」ではありません。

日振動ばく露限界値 と 対策値

限界値は5.0 m/s²、対策値は2.5 m/s²です。対策値を超えれば対策に努め、限界値を超えないように管理します。

過去問でどう問われたか

振動障害は、労働衛生一般の問12で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。症状の分類、レイノー現象、日振動ばく露量が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問12振動障害の健診を「冬季の実施を避ける」とした選択肢が誤り(冬季に行うのがよい)。
令和7年8月問12日振動ばく露量=周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値×√(T/8)の組合せを問う。
令和7年2月問12「局所振動障害は自覚症状より他覚症状が先行する」とした選択肢が誤り(自覚症状が先行)。
令和6年8月問12日振動ばく露量A(8)の式(A(8)=ahv×√(T/8))の正誤を問う。
令和6年2月問12レイノー現象を「不可逆的にろうのように白く硬直する」とした選択肢が誤り(発作的・可逆的)。
令和5年8月問12「しびれ=末梢循環障害、レイノー現象=末梢神経障害」と対応を入れ替えた選択肢が誤り。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 末梢神経障害と末梢循環障害を入れ替える(しびれ=神経、レイノー=循環)。
  • レイノー現象を不可逆とする(発作的・可逆的)。
  • 局所振動障害で他覚症状が先行とする(自覚症状が先行)。
  • 健診の冬季実施を避けるとする(冬季に行うのがよい)。

しびれ=末梢神経障害、レイノー現象(白ろう病)=末梢循環障害。レイノー現象は可逆的、健診は冬季がよい。日振動ばく露量は限界値5.0・対策値2.5 m/s²です。

理解度チェック

問題:振動障害では、手のしびれなどの末梢循環障害や、レイノー現象などの末梢神経障害がみられる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

対応が逆です。手のしびれは末梢神経障害、レイノー現象は末梢循環障害です(令和5年8月 労働衛生一般 問12の論点)。

問題:レイノー現象は白ろう病とも言われ、手指が不可逆的にろうのように白く硬直する疾病である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

レイノー現象は、寒冷などで手指が発作的に蒼白になる可逆的な現象です。「不可逆的に硬直する」ではありません(令和6年2月 労働衛生一般 問12の論点)。

問題:振動障害に係る健康診断は、寒冷環境の影響を受けないよう、冬季に実施することは避ける。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

レイノー現象は寒冷で誘発されやすいため、振動障害の健診は冬季に行うのが望ましいとされます(令和8年2月 労働衛生一般 問12の論点)。

まとめ

振動障害は、振動工具による末梢循環障害(レイノー現象=白ろう病)・末梢神経障害(しびれ)・運動器障害の総称です。

レイノー現象は寒冷などで手指が発作的に蒼白になる可逆的な現象で、健診は冬季に行うのが望ましいとされます。

管理には日振動ばく露量A(8)を用い、限界値5.0・対策値2.5 m/s²で管理します。

問12で毎年問われる引っかけは、神経障害と循環障害の入れ替え、レイノー現象の可逆性、症状の先行順、健診の時期です。

参考資料

  • 振動障害(末梢循環障害=レイノー現象/白ろう病、末梢神経障害、運動器障害の総称)、レイノー現象の性質、日振動ばく露量A(8)=周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値×√(T/8)、日振動ばく露限界値5.0 m/s²・対策値2.5 m/s²は、厚生労働省「振動障害の認定基準」「振動障害予防対策」、職場のあんぜんサイト、中小建設業特別教育協会の解説による。
  • 振動工具取扱い作業者の特殊健康診断は6か月以内ごとに1回(うち1回は冬季が望ましい)。全身振動は腰痛・脊柱障害の原因となる。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生一般 問12、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。