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電磁波と非電離放射線(紫外線・赤外線・マイクロ波)|作業環境測定士

編集部

紫外線・赤外線・マイクロ波、どれが波長が長い?で迷いますよね。並びは「紫外線<可視光<赤外線<マイクロ波」。短い側ほどエネルギーが高く、紫外線は目や皮膚、赤外線やマイクロ波は熱の害が中心です。

この記事の要点

電磁波は波長が長いほど周波数が小さい(反比例)。波長の短い順に紫外線<可視光線<赤外線<マイクロ波<電波と並び、これらは非電離放射線です。

紫外線は電光性眼炎や皮膚の障害、赤外線は熱傷や白内障、マイクロ波は組織の加熱を起こします。可視光線は約400nm(紫)〜760nm(赤)、レーザーは危険性でクラス1〜4に分けられます。

電磁波は、波長によって性質も人体への影響もまったく違います。電離放射線(X線・γ線)より波長が長いものが非電離放射線で、紫外線から電波までが含まれます。

試験では労働衛生一般の問15でほぼ毎年問われます。

波長と周波数は反比例。波長の短い順に紫外線<可視光<赤外線<マイクロ波で、いずれも非電離放射線です。

波長と周波数は「反比例」

電磁波の波長と周波数は反比例します。波長が長いほど周波数は小さく、エネルギーも小さくなります。「波長が長いほど周波数が大きい(比例)」とするのは誤りです。

波長の短い順に並べると、電離放射線(γ線・X線)の外側に、次の非電離放射線が続きます。

電磁波(波長 短 → 長)主な性質・人体影響
紫外線(可視光より短い)エネルギーが高い。電光性眼炎(電気性眼炎)、角膜炎・結膜炎、皮膚紅斑・皮膚がん。ビタミンDの生成。波長が非常に短いものは電離作用をもつ
可視光線(約400〜760nm)紫が最短・赤が最長。強い光はまぶしさ。可視光レーザーは目に重大な障害
赤外線(可視光より長い)輻射熱でばく露部位の温度を上げる。熱傷、白内障(ガラス加工・溶融炉など)
マイクロ波(赤外線より長い)組織を加熱する。熱傷・組織壊死、白内障、リンパ球減少。電子レンジ・携帯・通信
電波(中波・短波など)放送・通信。中波は約100〜1000m(AMラジオ)

紫外線・可視光線・赤外線

紫外線は可視光線より波長が短く、エネルギーが高い電磁波です。

アーク溶接などでばく露し、電光性眼炎(電気性眼炎)や角膜炎・結膜炎、皮膚の紅斑・皮膚がんを起こします。一方でビタミンDの生成にも働きます。

波長が非常に短い紫外線には電離作用があります。

可視光線およそ400nm(紫)〜760nm(赤)の範囲で、紫が最も短く、赤が最も長い波長です。

赤外線は可視光線より波長が長く、エネルギーは小さい電磁波です。輻射熱でばく露部位の温度を上げ、熱傷や白内障を起こします(ガラス加工や溶融炉の作業など)。

白内障に関連するのは主に短波長側(近赤外線)とされます。

マイクロ波・レーザー

マイクロ波は赤外線よりさらに波長が長い電磁波で、組織を加熱する作用があります。

強く浴びると熱傷・組織壊死を起こし、白内障やリンパ球の減少と関連するとされます。電子レンジ、携帯電話、通信機器などに使われます。

マイクロ波の波長を赤外線域(マイクロメートル程度)とするのは誤りで、ミリメートル〜メートル程度です。

レーザーは、位相のそろった単一波長の強い光です。製品は危険性によってクラス1(最も小さい)からクラス4(最も大きい)に分けられます。

作業環境測定では、レーザー光が光散乱方式の相対濃度計(粉じん計)の光源として使われます。

紫外線領域の吸光光度分析では、ガラスは紫外線を吸収してしまうため、石英製のセルを用います。なお、物質の同定に使う吸収スペクトルのうち、分子内の原子の振動に対応するのは赤外線領域(赤外分光)で、紫外・可視は電子の遷移に対応します。「紫外線が振動エネルギーと同じ領域」とするのは誤りです。

混同しやすいところ

波長 と 周波数

波長と周波数は反比例します。波長が長いほど周波数は小さく、エネルギーも小さくなります(比例ではありません)。

紫外線 と 赤外線

紫外線は可視光より短波長・高エネルギーで目(電光性眼炎)や皮膚の害が中心。赤外線は可視光より長波長・低エネルギーで熱傷や白内障が中心です。

マイクロ波の波長

マイクロ波は赤外線より波長が長く、ミリメートル〜メートル程度です。マイクロメートル(赤外線域)ではありません。

過去問でどう問われたか

電磁波は、労働衛生一般の問15で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。波長・周波数の関係、波長の順、各波長の影響を入れ替える形が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和8年2月問15波長と周波数を「比例関係・波長が長いほど周波数が大きい」とした選択肢が誤り(反比例)。
令和7年8月問15気体レーザーは「赤外線のみ放出」とした選択肢が誤り(媒質により可視光なども出る)。紫外線の非常に短いものに電離作用、は正しい。
令和7年2月問15マイクロ波の波長を「約1〜100µm」とした選択肢が誤り(それは赤外線域。マイクロ波はミリメートル〜メートル)。
令和6年8月・令和6年2月問15作業環境測定の吸光光度分析は「通常、紫外領域」とした選択肢、紫外線が「振動エネルギーと同じ領域」とした選択肢が誤り。
令和5年8月問15レーザー光線を「約1〜180nmの波長域」とした選択肢が誤り(おおむね180nm〜1mm)。紫外線=電光性眼炎、赤外線=白内障は正しい。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 波長と周波数を比例とする(反比例)。
  • マイクロ波の波長を赤外線域(µm)とする(マイクロ波はmm〜m)。
  • 紫外線と赤外線の影響を入れ替える(紫外線=電光性眼炎・皮膚、赤外線=熱傷・白内障)。
  • 分光の領域を取り違える(振動=赤外、電子遷移=紫外・可視)。

波長と周波数は反比例。波長の短い順に紫外線<可視光<赤外線<マイクロ波。紫外線は電光性眼炎・皮膚、赤外線・マイクロ波は熱の害が中心です。

理解度チェック

問題:電磁波の波長と周波数は比例関係にあり、波長の長い電磁波ほど周波数が大きい。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

波長と周波数は反比例です。波長が長いほど周波数は小さくなります(令和8年2月 労働衛生一般 問15の論点)。

問題:マイクロ波は、その波長がおよそ1µm〜100µmの範囲にある電磁波である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

1µm〜100µmは赤外線の波長域です。マイクロ波は赤外線より波長が長く、ミリメートル〜メートル程度です(令和7年2月 労働衛生一般 問15の論点)。

問題:紫外線はガラス加工作業で白内障を、赤外線はアーク溶接作業で電光性眼炎を起こす。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

逆です。アーク溶接でばく露し電光性眼炎を起こすのは紫外線、ガラス加工などで白内障を起こすのは赤外線です(令和5年8月 労働衛生一般 問15の論点)。

まとめ

電磁波は波長が長いほど周波数が小さく(反比例)、波長の短い順に紫外線・可視光線・赤外線・マイクロ波・電波と並び、いずれも非電離放射線です。

紫外線は電光性眼炎や皮膚の障害、赤外線は熱傷や白内障、マイクロ波は組織の加熱を起こします。

問15で毎年問われる引っかけは、波長と周波数の比例・反比例、マイクロ波の波長域、紫外線と赤外線の影響の入れ替え、分光の領域です。

判定の軸は、波長の並びと「紫外線は目・皮膚、赤外線とマイクロ波は熱」です。

参考資料

  • 電磁波の波長と周波数の反比例の関係、非電離放射線(紫外線・可視光線・赤外線・マイクロ波・電波)の区分、可視光線の波長範囲(約400〜760nm)は、光学・放射線防護の基礎資料による。紫外線(電光性眼炎・皮膚障害)、赤外線(熱傷・白内障)、マイクロ波(組織加熱)の健康影響は、産業保健・光安全の解説による。
  • レーザー製品の危険性によるクラス分け(クラス1〜4を基本に、JISではさらに細分)。紫外線領域の吸光光度分析では石英セルを用いる。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生一般 問15、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。