編集部
「囲い式と外付け式、どっちが排風量が多い?」で迷いますよね。答えは外付け式。囲い式は発散源を囲うので少ない排風量で済み、外付け式は離れた所から吸うので多くの排風量が要ります。ここが毎年の軸です。
この記事の要点
換気装置は全体換気・局所排気・プッシュプル型に大別されます。有害性が高い物質には、希釈する全体換気より発散源で捕える局所排気や密閉化が有効です。
フードは囲い式が最も効果的で少ない排風量でよく、外付け式は多くの排風量が必要です。制御風速は囲い式が開口面の最小風速、外付け式が最も離れた点の風速。排風機は空気清浄装置の後に置きます。
有害物質を扱う作業場では、発散した物質を吸い込む前に捕えて排出する装置が要になります。
局所排気装置は有機溶剤や特定化学物質の規則でも設置が求められ、管理区分の改善措置にも直結します。試験では労働衛生一般の問17でほぼ毎年問われます。
囲い式は少ない排風量で効果的、外付け式は多くの排風量が必要。制御風速は囲い式が最小風速、外付け式が最も離れた点の風速です。
換気装置は、はたらき方で3つに分かれます。
| 型 | はたらき |
|---|---|
| 全体換気装置 | 給気口から外気を入れ、作業場全体の空気を入れ替えて濃度を薄める(希釈)。有害性が高い物質には不向き。 |
| 局所排気装置 | 発散源の近くにフードを置き、発散源で捕えて排出する。 |
| プッシュプル型換気装置 | 吹き出し(プッシュ)と吸い込み(プル)の一様な気流で発散源を包んで捕える。 |
有害性が高い物質には、全体換気は適しません。全体換気は薄めるだけなので、発散源で捕える局所排気や、そもそも閉じ込める密閉化のほうが有効です。
「全体換気が最も有効」とする選択肢は誤りです。
局所排気装置の入口がフードです。発散源との関係で3つに分かれ、捕える効率(必要な排風量)が変わります。
| フードの型式 | 例 | 排風量・効率 |
|---|---|---|
| 囲い式 | 建築ブース型、ドラフトチェンバー型 | 発散源を囲うため最も効果的・少ない排風量でよい |
| 外付け式 | スロット型 など | 離れた所から吸うため囲い式より多くの排風量が必要 |
| レシーバ式 | キャノピ型(熱上昇気流)、グラインダ型 | 発散源の気流の向きを利用して受ける |
覚え方は「囲うほど効率がよい=排風量が少なくて済む」です。外付け式は発散源から離れている分、多くの排風量が要ります。
また、フードの開口部にフランジ(縁)を付けると、後ろからの無駄な空気を減らせるので、少ない排風量で同じ効果が得られます。
「フランジがあると大きな排風量が必要」とするのは逆で、誤りです。
制御風速は、有害物質を確実に捕えるために必要な風速です。型式で定義が違います。
「囲い式の制御風速は開口面の平均風速」とするのは誤りです(最小風速が正しい)。
なお、有機溶剤の局所排気装置では、囲い式で0.4 m/s、外付け式で0.5〜1.0 m/s(型による)といった制御風速が規則で定められています。
フードで捕えた空気は、ダクト→空気清浄装置→排風機→排気口の順に流れます。装置の並びと性質が問われます。
混同しやすいところ
囲い式 と 外付け式(排風量)
囲い式は発散源を囲うので少ない排風量で効果的。外付け式は離れた所から吸うので多くの排風量が必要です。逆に覚えないようにします。
制御風速(囲い式 と 外付け式)
囲い式は開口面の最小風速、外付け式は吸引範囲内で開口面から最も離れた点の風速です。囲い式を「平均風速」とするのは誤りです。
電気除じん と サイクロン
電気除じん方式は小さい粒径の粉じんも除けます。マルチサイクロン(慣性)方式は粗い粒子向けで、微細粒子の除去は電気除じんに劣ります。
局所排気装置・換気装置は、労働衛生一般の問17で5年以上連続出題されています(令和5年8月〜令和8年2月)。
フードの型式・制御風速・排風量・ダクト・除じん装置を入れ替える形が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問17 | 全体換気装置を「有害性が高い物質に最も有効」とした選択肢が誤り(局所排気・密閉化が有効)。 |
| 令和7年8月 | 問17 | プッシュプル型を「風量風速を大きくして短時間で排出する場所に設置」とした選択肢が誤り(一様な気流で捕える)。外付け式は囲い式より吸引風量を大きくする必要、は正しい。 |
| 令和7年2月 | 問17 | 囲い式の制御風速を「平均風速」とした選択肢が誤り(最小風速)。 |
| 令和6年8月 | 問17 | 「フランジがあると大きな排風量が必要」とした選択肢が誤り(フランジで少ない排風量でよい)。 |
| 令和6年2月・令和5年8月 | 問17 | マルチサイクロンが電気除じんより小粒径を除けるとした選択肢、外付け式が囲い式より少ない排風量でよいとした選択肢が誤り。 |
引っかけは次の型に整理できます。
外付け式は囲い式より多くの排風量が必要、フランジで排風量は減らせる、囲い式の制御風速は最小風速、排風機は空気清浄装置の後、電気除じんは微細粒子に有効です。
問題:外付け式フードは、囲い式フードに比べて少ない排風量で有害物質を捕えることができる。
〇か×か。
答え:×
外付け式は発散源から離れた所から吸うため、囲い式より多くの排風量が必要です。囲い式のほうが少ない排風量で効果的です(令和5年8月 労働衛生一般 問17の論点)。
問題:囲い式フードの制御風速とは、フード開口面における平均風速をいう。
〇か×か。
答え:×
囲い式フードの制御風速は、フード開口面における最小風速です。外付け式は、吸引範囲内で開口面から最も離れた点の風速です(令和7年2月 労働衛生一般 問17の論点)。
問題:有害性が高い物質を取り扱う場合、全体換気装置が最も有効な換気装置である。
〇か×か。
答え:×
全体換気は空気を薄める(希釈する)だけなので、有害性が高い物質には不向きです。発散源で捕える局所排気や密閉化が有効です(令和8年2月 労働衛生一般 問17の論点)。
換気装置は全体換気・局所排気・プッシュプル型に分かれ、有害性が高い物質には局所排気や密閉化が有効です。
フードは囲い式が最も効果的で少ない排風量でよく、外付け式は多くの排風量が必要、レシーバ式は気流を受けて捕えます。
制御風速は囲い式が開口面の最小風速、外付け式が最も離れた点の風速です。
問17で毎年問われる引っかけは、外付け式の排風量・フランジの効果・囲い式の制御風速・全体換気やプッシュプルの説明・除じん方式の5つです。原則は「囲うほど効率がよい」です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
プッシュプル型の引っかけ
プッシュプル型換気装置は、一様な気流で発散源を包んで捕える装置です。「風量や風速を大きくして有害性が高い物質を短時間で排出する場所に設置する」といった説明は誤りです。風速を上げて一気に吸うのではなく、ゆるやかな一様流で確実に捕えるのが特徴です。