令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問17は、局所排気装置のフード・ダクト・排風機に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、局所排気装置を構成するフードの形式と分類(囲い式・ドラフトチェンバー型)、制御風速の定義、ダクトの断面積と圧力損失、排風機と空気清浄装置の並び順といった基本を横断的に問うものです。
引っかけの核心は、フードの開口部に付けるフランジの役割を逆向きにとらえさせるところにあります。
フランジは無駄な吸込みを抑える部品で、付ければ必要な排風量はむしろ小さくなります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ドラフトチェンバー型フードは、発生源を囲い込むタイプなので囲い式フードに分類されるという記述で正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | フランジを付けると必要な排風量が増えるとしているが逆で、フランジがあると必要な排風量はむしろ小さくなる。 |
| 3 | ○(正しい) | 囲い式フードの制御風速を、フード開口面における最小風速と定義しており正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | ダクトの断面積を大きくすると流速が下がり、圧力損失が減少するという記述で正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 空気清浄装置を付設する場合、排風機は清浄後のきれいな空気を扱えるよう空気清浄装置の後に設けるのが一般的で正しい。 |
フランジとは、フードの開口部の縁に取り付けるつばのような板です。
これがあると、フードの後ろ側や横からの吸込みがさえぎられ、本来吸いたい発生源の側に吸引の力が集中します。
フランジがないフードは、後方からも空気を引き込んでしまい、その分は有害物質を含まない無駄な空気です。
フランジを付けてこの無駄な吸込みを抑えると、同じ制御風速をつくるのに必要な排風量は少なくて済みます。
一般には、フランジを付けることで必要な排風量がおよそ25%ほど減らせるとされます。
選択肢2は、これを「フランジがあると大きな排風量が必要になる」と大小を逆にしています。実際は必要な排風量は小さくなるので、ここが誤りです。
フランジ=吸引効率を上げて省エネにする部品、と覚えておけば取り違えません。
問題:フードの開口部にフランジを付けると、付けないときに比べて必要な排風量は大きくなるか。
いいえ。フランジは後方からの無駄な吸込みを抑えるので、同じ制御風速をつくるのに必要な排風量はむしろ小さくなります。一般には2割程度減らせるとされます。
問題:空気清浄装置を付設する局所排気装置では、排風機は空気清浄装置の前と後ろのどちらに設けるか。
後ろに設けます。先に空気清浄装置で有害物質を取り除いてから排風機に通すことで、排風機がきれいな空気を扱え、汚れや腐食を避けられます。
出典
※ 最終更新:2026年6月