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呼吸用保護具の型式検定と譲渡制限(防毒マスク5種)|作業環境測定士

編集部

どの防毒マスクが型式検定の対象か、毎回迷いますよね。覚えるのは対象の5種類だけ。有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用です。これ以外は対象外と考えれば解けます。

この記事の要点

一定の機械等は、厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ譲渡・貸与・設置ができません(譲渡等の制限)。そのうち一部は型式検定に合格し、合格標章が付いたものでなければ使えません。

型式検定が必要な防毒マスクは有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類です。防じんマスク(使い捨て式を含む)と電動ファン付き呼吸用保護具も型式検定の対象、送気マスクは対象外です。

有害なガスや粉じんから労働者を守る呼吸用保護具は、性能が不十分だと命に関わります。そのため、譲渡等の制限と型式検定という二段構えの規制がかかっています。

試験では労働衛生関係法令の問4・問5・問7で、どの保護具が対象かがほぼ毎年問われています。

型式検定が必要な防毒マスクは、有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用の5種類。これ以外の防毒マスクは対象外です。

譲渡等の制限と型式検定の関係

仕組みは2段階です。

まず譲渡等の制限(労働安全衛生法第42条)として、政令で定める機械等は、厚生労働大臣が定める規格・安全装置を具備しなければ、譲渡・貸与・設置ができません。

さらにそのうち一部は、型式検定(同法第44条の2)に合格し、型式検定合格標章が付いたものでなければ使用できません。

型式検定は「型式ごと」、個別検定は「1個ごと」に検定を受けます。呼吸用保護具(防じんマスク・防毒マスク・電動ファン付き呼吸用保護具)は型式検定の対象です。

型式検定が必要な防毒マスク(5種類)

防毒マスクは吸収缶で対象ガスが決まりますが、型式検定の対象は次の5種類に限られます。

型式検定が必要な防毒マスク型式検定の対象でない例
有機ガス用
ハロゲンガス用
アンモニア用
亜硫酸ガス用
一酸化炭素用
酸性ガス用
ホルムアルデヒド用
シアン化水素用
硫化水素用 など

選択肢に「酸性ガス用」「ホルムアルデヒド用」「シアン化水素用」「硫化水素用」が出てきたら、型式検定(や規格)の対象でない側を疑います。これが問われ方の定番です。

防じんマスク・電動ファン付き呼吸用保護具・送気マスク

防毒マスク以外の呼吸用保護具にも、型式検定の対象とそうでないものがあります。

  • 防じんマスク…型式検定の対象です。使い捨て式の防じんマスクも対象です。
  • 電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)…型式検定の対象です。個別検定ではありません。防じん用に加え、防毒機能を有するものも対象に加わっています。
  • 送気マスク…型式検定の対象ではありません。清浄な空気を別系統から送るしくみで、吸収缶やろ過材で空気を浄化するマスクとは規制の枠組みが異なります。
吸収缶には対象ガスごとに色が定められています(たとえば一酸化炭素用は赤、有機ガス用は黒、アンモニア用は緑など)。色は規格で決まっており、現場での取り違え防止に役立ちます。試験では「どのマスクが検定対象か」が中心で、色そのものは補助的な知識です。

「個別検定」と取り違えさせる引っかけ

電動ファン付き呼吸用保護具を「個別検定を受けなければならない」とする選択肢は誤りです。呼吸用保護具は型式検定です。個別検定(1個ごと)は別の機械等を対象とする制度で、型式検定(型式ごと)と取り違えないようにします。

混同しやすいところ

型式検定 と 個別検定

型式検定は型式ごと、個別検定は1個ごとに行います。防じんマスク・防毒マスク(5種)・電動ファン付き呼吸用保護具は型式検定の対象です。

譲渡等の制限 と 型式検定

譲渡等の制限は「規格を具備しないと譲渡・貸与・設置ができない」。型式検定はそのうえで「合格標章のないものは使用できない」。二段構えで考えます。

検定対象の防毒マスク と 対象外

対象は有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用の5種類。酸性ガス用・ホルムアルデヒド用・シアン化水素用・硫化水素用は対象外です。

過去問でどう問われたか

呼吸用保護具の規格・検定は、労働衛生関係法令の問4・問5・問7で5年連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。対象でない種類を選ばせる形が中心です。

年度問われ方・引っかけ
令和5年8月問7規格を具備しなければ譲渡等できないものに該当しないものを選ぶ。シアン化水素用防毒マスクが正解(対象外)。
令和6年8月問7型式検定を受けなければならないものに該当しないものを選ぶ。酸性ガス用防毒マスクが正解(対象外)。
令和7年2月問5型式検定を受けなければならないものに該当しないものを選ぶ。ホルムアルデヒド用防毒マスクが正解(対象外)。
令和7年8月問4誤りを選ぶ。「電動ファン付き呼吸用保護具は個別検定を受けなければならない」が誤り(型式検定)。硫化水素用防毒マスクは規格対象外(正しい記述)。
令和8年2月問4型式検定を受けなければならないものに該当しないものを選ぶ。送気マスクが正解(対象外)。使い捨て式防じんマスク等は対象。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 対象外の防毒マスクを対象とする(対象は5種類。酸性ガス用・ホルムアルデヒド用・シアン化水素用・硫化水素用は対象外)。
  • 電動ファン付き呼吸用保護具を「個別検定」とする(型式検定)。
  • 送気マスクを型式検定の対象とする(対象外)。
  • 使い捨て式の防じんマスクは対象外と思わせる(使い捨て式も型式検定の対象)。

型式検定が必要な防毒マスクは有機ガス・ハロゲンガス・アンモニア・亜硫酸ガス・一酸化炭素用の5種。防じんマスク(使い捨て式含む)と電動ファン付き呼吸用保護具も型式検定、送気マスクは対象外です。

理解度チェック

問題:ホルムアルデヒド用防毒マスクは、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う型式検定を受けなければならない。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

型式検定が必要な防毒マスクは有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類です。ホルムアルデヒド用は対象外です(令和7年2月 関係法令 問5の論点)。

問題:電動ファン付き呼吸用保護具は、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う個別検定を受けなければならない。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

電動ファン付き呼吸用保護具は型式検定の対象です。型式検定は型式ごと、個別検定は1個ごとに行うもので、別の制度です(令和7年8月 関係法令 問4の論点)。

問題:送気マスクは、型式検定を受けなければならない呼吸用保護具に該当する。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

送気マスクは型式検定の対象ではありません。防じんマスク(使い捨て式を含む)・防毒マスク(5種)・電動ファン付き呼吸用保護具が型式検定の対象です(令和8年2月 関係法令 問4の論点)。

まとめ

呼吸用保護具は、譲渡等の制限(規格を具備しないと譲渡・貸与・設置できない)と型式検定(合格標章のないものは使用できない)の二段構えで規制されます。

型式検定が必要な防毒マスクは、有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用の5種類です。

問4・問5・問7で毎年問われる引っかけは、対象外の防毒マスクを対象とする・電動ファン付きを個別検定とする・送気マスクを対象とする・使い捨て式防じんマスクを対象外とする、の4つです。

防じんマスク・電動ファン付きは型式検定の対象、送気マスクは対象外です。

参考資料

  • 労働安全衛生法第42条(譲渡等の制限)、第44条(個別検定)、第44条の2(型式検定)、労働安全衛生法施行令別表第4(型式検定を受けるべき機械等)。型式検定が必要な防毒マスクの種類(有機ガス用・ハロゲンガス用・アンモニア用・亜硫酸ガス用・一酸化炭素用)や防毒マスクの規格は、厚生労働省告示(防毒マスクの規格)による(e-Gov法令検索・厚生労働省)。
  • 防じんマスク(使い捨て式を含む)・電動ファン付き呼吸用保護具は型式検定の対象、送気マスクは対象外。検定制度の概要は公益社団法人産業安全技術協会の解説でも確認できる。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(労働衛生関係法令 問4・問5・問7、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。