令和6年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問12は、振動工具による振動障害に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、振動障害の基本(末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害の三つの総称、増悪因子、周波数補正振動加速度実効値、日振動ばく露量A(8))を一通り問うものです。
引っかけの核心は1点で、レイノー現象(白ろう病)が「不可逆的に手指が白く硬直する」かどうかです。
実際は寒冷の刺激で手指が一過性・発作的に蒼白になる、元に戻る末梢循環障害です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 振動障害が末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害の三つの総称だとする説明は正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | レイノー現象(白ろう病)を不可逆的に白く硬直する疾病とするのが誤り。実際は寒冷時に一過性・発作的に蒼白になる可逆的な末梢循環障害。 |
| 3 | ○(正しい) | 喫煙がレイノー現象の発現を悪化させる増悪因子だとする説明は正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 周波数補正振動加速度実効値が、周波数帯域ごとに補正して人体への影響の強さを表したものだとする説明は正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 日振動ばく露量A(8)を三軸合成値とばく露時間から求め、限界値5.0 m/s²を超えないよう抑制する旨は正しい。 |
レイノー現象は、振動工具を長く使う作業者にあらわれる末梢循環障害です。
指先の細い血管が寒さの刺激で収縮し、血の流れが一時的にとどこおって、手指が発作的に白くなります。白くなることから白ろう病とも呼ばれます。
大事なのは、これが一過性で元に戻る変化だという点です。温めれば血流が回復し、皮膚の色も戻ります。
選択肢2の「不可逆的にろうのように白く硬直する」という表現は、戻らない永続的な硬直のように読ませますが、レイノー現象の本質は可逆的な発作であり、ここが誤りです。
白ろう病という名前の印象から「ろうのように固まったまま戻らない」と覚えてしまうと、この肢に引っかかります。
色が白く変わるのは事実でも、硬直して戻らないわけではない、という違いを押さえます。
問題:レイノー現象(白ろう病)は、手指が不可逆的に白く硬直したまま戻らなくなる疾病か。
いいえ。寒冷の刺激で手指が一過性・発作的に蒼白になる末梢循環障害で、温めれば回復する可逆的な変化です。不可逆的に白く硬直する、という説明は誤りです。
問題:振動障害とは、どの三つの障害をまとめた呼び方か。
振動工具の使用で生じる、手指等の末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害の三つの総称です。レイノー現象はこのうち末梢循環障害にあたります。
出典
※ 最終更新:2026年6月