編集部
鉛則は「鉛合金と鉛化合物の定義」が入れ替えの引っかけです。10%以上は鉛合金のほう。鉛化合物は大臣が指定する物。測定は1年以内ごと。
この記事の要点
鉛合金は鉛と他の金属の合金で、鉛を重量の10%以上含むもの。鉛化合物は厚生労働大臣が指定する物(10%の閾値ではありません)。
鉛業務を行う屋内作業場の空気中の鉛濃度は1年以内ごとに1回測定し、記録を3年保存。鉛作業主任者は局所排気装置を毎週1回以上点検し、健康診断個人票は5年保存です。
鉛中毒予防規則(鉛則)は、労働衛生関係法令の問20あたりで出ます(近年は単独の問として登場)。
鉛合金・鉛化合物の定義、測定の頻度、作業主任者の職務、健康診断が問われます。鉛による健康影響は金属による健康障害を参照してください。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 鉛合金 | 鉛と鉛以外の金属との合金で、鉛を当該合金の重量の10%以上含有するもの |
| 鉛化合物 | 酸化鉛、水酸化鉛その他の厚生労働大臣が指定する物(10%の閾値ではない) |
「鉛化合物とは、鉛を重量の10%以上含む化合物」とするのは誤りです。10%以上の閾値があるのは鉛合金のほうで、鉛化合物は指定された物です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業環境測定 | 鉛業務を行う屋内作業場で、空気中の鉛濃度を1年以内ごとに1回測定(記録は3年保存) |
| 床の掃除 | 鉛業務を行う屋内作業場の床等は、毎日1回以上、真空掃除機または水洗で掃除 |
| 局所排気装置の除じん | ろ過除じん方式またはこれと同等以上の性能 |
| 鉛作業主任者の職務 | 設置した局所排気装置を毎週1回以上点検 |
| 健康診断個人票 | 5年間保存 |
| 手洗い等の設備 | 硝酸水溶液その他の手洗い用溶液・爪ブラシ・石けん・うがい液を作業場ごとに備える |
混同しやすいところ
鉛合金 と 鉛化合物
10%以上の閾値があるのは鉛合金(鉛と金属の合金)です。鉛化合物は厚生労働大臣が指定する物で、10%の閾値ではありません。定義の入れ替えが引っかけです。
鉛の測定頻度
鉛の作業環境測定は1年以内ごとに1回です。「6か月以内ごと」を混ぜるのは誤りです。
局所排気装置の点検
鉛作業主任者の職務に、局所排気装置の毎週1回以上の点検が含まれます。
鉛則は、労働衛生関係法令の問20あたり(令和7年8月・令和8年2月)で「誤っている記述」を選ばせる形で出ます。
| 年度 | 問 | 誤りとされた記述 |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問20 | 鉛化合物とは、鉛を重量の10%以上含有するものをいう(実際は厚生労働大臣の指定物。10%は鉛合金)。 |
| 令和7年8月 | 問20 | 鉛の濃度測定は、業務の種類に応じ6か月以内ごと又は1年以内ごとに行う(実際は1年以内ごと)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
鉛合金は鉛10%以上、鉛化合物は厚労大臣の指定物。測定は1年以内ごと・記録3年、健診個人票5年、作業主任者は局排を毎週1回以上点検。鉛化合物に10%閾値・測定に6か月を混ぜるのが定番の引っかけです。
問題:鉛化合物とは、鉛と鉛以外の化学物質との化合物で、鉛を当該化合物の重量の10%以上含有するものをいう。
〇か×か。
答え:×
鉛化合物は厚生労働大臣が指定する物です。10%以上の閾値があるのは鉛合金(鉛と金属の合金)です(令和8年2月 関係法令 問20)。
問題:鉛業務を行う屋内作業場の空気中の鉛濃度は、業務の種類に応じ、6か月以内ごと又は1年以内ごとに1回測定する。
〇か×か。
答え:×
鉛の作業環境測定は1年以内ごとに1回です(業務の種類にかかわらず)(令和7年8月 関係法令 問20)。
問題:鉛健康診断個人票は、5年間保存しなければならない。
〇か×か。
答え:〇
鉛健康診断個人票の保存期間は5年です(令和8年2月 関係法令 問20の論点)。
鉛則では、鉛合金は鉛を重量の10%以上含む合金、鉛化合物は厚生労働大臣が指定する物です(10%の閾値ではありません)。
空気中の鉛濃度は1年以内ごとに1回測定し記録を3年保存、健康診断個人票は5年保存、鉛作業主任者は局所排気装置を毎週1回以上点検します。
引っかけは、鉛化合物に10%閾値・測定に6か月を混ぜる、です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
編集部メモ
鉛則は、「鉛合金(10%以上)と鉛化合物(指定物)の定義の入れ替え」「測定は1年以内ごと」が頻出です。保存年数(測定記録3年・健診個人票5年)は他の特別規則と混同しやすいので、測定頻度と記録の保存とあわせて整理すると確実です。鉛の健康影響は金属による健康障害へ。