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液体捕集法・直接捕集法(ミゼットインピンジャー・バブラー・捕集袋)|作業環境測定士

編集部

液体捕集は「溶かしてとらえる」ので、捕集液の選び方と条件が問われます。対象が溶ける液を選ぶ、温度は低いほど、気泡は小さいほど。直接捕集は「そのまま採る」だけです。

この記事の要点

液体捕集は捕集液に溶解・反応させてとらえます。捕集液は対象物質が溶けるものを選ぶ(非水溶性のキシレンに精製水は不可)。捕集液の温度が低いほど・気泡が小さいほど捕集率は高いです。捕集率は捕集器具を2本直列にして推定します。

直接捕集は捕集袋・真空捕集瓶でそのまま採取します。捕集袋は使用前に窒素や清浄空気で洗浄し、気密性を確認します。

液体捕集法・直接捕集法は、デザイン・サンプリングの問13で毎年のように出ます。

捕集法の種類のうち、ガス状物質を液に溶かしてとらえる(液体捕集)、または安定なガスをそのまま採る(直接捕集)方法です。

捕集液の選び方・温度や気泡の条件・直接捕集の扱いが問われます。

液体捕集法

器具用途・特徴
ミゼットインピンジャー粒子状物質の捕集は慣性衝突効果による。ガス状物質にも使う
バブラーガス状物質を捕集液に通す。気泡が小さいほど捕集率が高い
小型ガス吸収管有機溶剤など揮発性物質。捕集液の温度が低いほど捕集率が高い

液体捕集の要点は次のとおりです。

  • 捕集液は対象物質が溶ける(反応する)ものを選ぶ。非水溶性のキシレンに精製水を使うのは不適です。
  • 捕集液の温度は低いほど捕集率が高い(溶けやすくなる)。
  • 気泡は小さいほど捕集率が高い(接触面積が増える)。
  • 捕集率は捕集器具を2本直列につなぎ、後段の捕集量から推定します。
  • 採取で捕集液量が減ったら、減った分の捕集液を追加して試料液とします。

直接捕集法

直接捕集は、溶解も吸着もさせず、安定で揮発性の高いガス状物質をそのまま採取します。

  • 捕集袋…使用前に窒素や清浄空気を送り込み、気密性や接続部の漏れがないことを確認します。再使用するときは窒素や清浄空気で内面を十分に洗浄します(水や洗剤は用いません)。
  • 真空捕集瓶…あらかじめ減圧しておき、試料空気を引き込んで採取します。
直接捕集は「そのまま採る」ため、捕集液や吸着剤の影響を受けません。捕集袋に採った試料は時間とともに濃度が変化する(減衰する)ことがあるので、採取後は早めに分析します。メタノールのような揮発性物質は真空捕集瓶でも採取できます。

混同しやすいところ

捕集液 と 対象物質

捕集液は対象物質が溶ける(反応する)ものを選びます。非水溶性のキシレンに精製水を使うなど、溶けない液を選ぶのは不適です。

温度・気泡 と 捕集率

捕集液の温度が低いほど、気泡が小さいほど捕集率は高くなります。「温度が高いほど高い」は誤りです。

液体捕集 と 直接捕集

液体捕集は捕集液に溶かしてとらえる方法、直接捕集は捕集袋・真空捕集瓶でそのまま採る方法です。直接捕集は安定で揮発性の高い物質に向きます。

過去問でどう問われたか

液体捕集法・直接捕集法は、デザイン・サンプリングの問13で毎年(令和5年8月〜令和8年2月)「誤っている記述」を選ばせる形で出ます。

年度誤りとされた記述
令和6年2月問13小型ガス吸収管でキシレンを捕集する際、捕集液に精製水を用いる(非水溶性なので不適)。
令和5年8月問13小型ガス吸収管では捕集液の温度が高いほど捕集率が高くなる(実際は低いほど高い)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 対象が溶けない捕集液を選ぶ(溶ける液を選ぶ)。
  • 温度が高いほど捕集率が高いとする(低いほど高い)。
  • 気泡が大きいほど捕集率が高いとする(小さいほど高い)。
  • 捕集袋の内面を水や洗剤で洗うとする(窒素・清浄空気で洗う)。

液体捕集は対象が溶ける捕集液を選び、温度が低いほど・気泡が小さいほど捕集率が高い。捕集率は2本直列で推定。直接捕集は捕集袋・真空捕集瓶でそのまま採り、捕集袋は窒素・清浄空気で洗う。条件の向きの取り違えが定番の引っかけです。

編集部メモ

液体捕集は「溶かしてとらえる」ので、捕集液の選択と条件(温度低い・気泡小さいほど捕集率が高い)が問われます。条件の大小を逆にする引っかけが多いので、大小をセットで覚えると確実です。直接捕集は安定なガスをそのまま採る、と割り切ると区別できます。物質と捕集器具の組合せともつながります。

理解度チェック

問題:小型ガス吸収管によりキシレンを液体捕集する際、捕集液には精製水を用いる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

キシレンは非水溶性なので、精製水では捕集できません。対象が溶ける捕集液を選びます(令和6年2月 デザイン・サンプリング 問13)。

問題:小型ガス吸収管による揮発性物質の捕集では、捕集液の温度が高いほど捕集率が高くなる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

捕集液の温度が低いほど捕集率は高くなります(溶けやすくなるため)(令和5年8月 デザイン・サンプリング 問13)。

問題:バブラーによるガス状物質の捕集では、気泡が小さいほど捕集率は高くなる。

〇か×か。

答えを見る

答え:

気泡が小さいほど捕集液との接触面積が増え、捕集率は高くなります(令和5年8月ほか デザイン・サンプリング 問13)。

まとめ

液体捕集法は、捕集液に溶かしてとらえる方法です。対象が溶ける捕集液を選び、温度が低いほど・気泡が小さいほど捕集率が高くなります。

捕集率は捕集器具を2本直列にして推定します。直接捕集法は、捕集袋や真空捕集瓶で安定なガスをそのまま採り、捕集袋は窒素や清浄空気で洗浄・気密確認します。

引っかけは、溶けない捕集液を選ぶ・温度や気泡の条件を逆にする、です。

参考資料

  • 液体捕集法(捕集液の選択・温度が低いほど捕集率が高い・気泡が小さいほど捕集率が高い・2本直列で捕集率推定)、直接捕集法(捕集袋・真空捕集瓶、捕集袋は窒素や清浄空気で洗浄・気密確認)は、作業環境測定の捕集法の基礎による。物質ごとの正式な捕集・分析法は作業環境測定基準等による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(デザイン・サンプリング 問13、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく。誤りとされた記述は公表正答による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。