令和5年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問13は、液体捕集法と直接捕集法に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、捕集器具ごとの取り扱いの基本を横断で問うものです。
具体的には、ミゼットインピンジャーやバブラーの吸引流量・気泡の大きさと捕集率の関係、捕集袋を再使用するときの内面の洗浄、フッ化水素の捕集器具などが並びます。
引っかけの核心は、捕集液の温度を上げれば捕集率も上がると、向きを取り違えさせるところにあります。
温度が高いほど捕まえた物質は再び気体になって逃げやすく、捕集率はむしろ下がります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ミゼットインピンジャーで粒子状物質を捕集するときの吸引流量を毎分3リットルとするのは、定められた標準的な流量で正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | バブラーでガス状物質を捕集するとき、気泡が小さいほど液と気体の接触面積が増えるので、捕集率が高くなるのは正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 小型ガス吸収管で揮発性物質を捕集するとき、捕集液の温度が高いほど捕集率が高くなるとするのが誤り。温度が高いほど逃げやすく、捕集率は下がる。 |
| 4 | ○(正しい) | 捕集袋を再び使うときに、窒素や清浄空気で内面を十分に洗浄してから使うのは、前の試料を残さないために正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | フッ化水素の捕集にミゼットインピンジャーを使えるのは正しい(水溶性が高く液に溶かして捕らえられる)。 |
小型ガス吸収管は、有機溶剤などの揮発性物質を捕集液にくぐらせて溶かし込み、液の中に捕らえる器具です。ここでの引っかけは、捕集液の温度と捕集率の向きにあります。
揮発性の物質は、温度が高いほど気体になりやすい性質を持ちます。
捕集液の温度を上げると、いったん液に溶け込んだ物質も再び気体になって液から抜け出やすくなります。
つまり温度が高いほど捕まえた物質が逃げてしまい、捕集率はむしろ低くなります。捕集液を冷やしておくほうが、溶け込んだまま留まりやすく捕集率は高くなります。
選択肢3は、これを「温度が高いほど捕集率が高くなる」と逆向きに述べているため誤りです。
流量や気泡の大きさと同じく、捕集率を左右する条件の向きを正しく覚えているかが問われています。
問題:小型ガス吸収管で揮発性物質を捕集するとき、捕集液の温度を上げると捕集率はどうなるか。
下がります。温度が高いほど揮発性物質は気体になりやすく、いったん液に溶け込んでも再び抜け出して逃げてしまうためです。捕集率を上げたいときは捕集液を冷やします。
問題:バブラーでガス状物質を捕集するとき、気泡が小さいほど捕集率が高くなるのはなぜか。
気泡が小さいほど、同じ量の気体でも液と触れ合う表面積が大きくなるからです。接触面積が増えるとガスが液に溶け込む機会が増え、捕集率が高くなります。
出典
※ 最終更新:2026年6月