編集部
捕集法がいくつもあって、どれをどの物質に使うのか覚えきれませんよね?まず「粒子かガスか」で大きく分け、ガスなら捕集の原理で分けると整理できます。
この記事の要点
有害物質が粒子状ならろ過捕集法、ガス状なら原理で分けて、固体捕集(吸着)・液体捕集(溶解)・直接捕集(そのまま採取)・冷却凝縮捕集(冷やして凝縮)を使い分けます。
空気中の有害物質を分析するには、まず空気から物質を取り出します。この取り出し方が捕集法で、物質の状態(粒子かガスか)と性質で選びます。
粒子状物質はろ過捕集法、ガス状物質は固体・液体・直接・冷却凝縮の4つから選びます。
ろ過材(フィルター)で空気をこして、粒子状物質をとらえます。鉱物性粉じんなどの粒子に使います。ろ過材は0.3 µmの粒子を95%以上とらえる性能が必要です。
活性炭やシリカゲルなどの固体の吸着剤に、ガス状物質を吸着させてとらえます。有機溶剤の蒸気などに使います。捕集後は溶媒や加熱で脱着して分析します。
捕集液に空気を通し、溶解や化学反応でとらえます。水に溶けやすいガス状物質などに使います。ミゼットインピンジャーやガス吸収管を用います。
溶解も反応も吸着もさせず、空気をそのまま捕集袋や真空捕集瓶に採取します。揮発性が高く安定したガス状物質に使います。
空気を冷やした管などに接触させ、凝縮させてとらえます。氷やドライアイスで冷却します。放射性物質のガス状成分などに使われます。
| 捕集法 | 対象 | 原理 | 器具・材料の例 |
|---|---|---|---|
| ろ過捕集法 | 粒子状物質 | ろ過材でこす | メンブラン・ガラス繊維フィルター |
| 固体捕集法 | ガス状物質 | 固体に吸着 | 活性炭管・シリカゲル管 |
| 液体捕集法 | ガス状物質 | 捕集液に溶解・反応 | ミゼットインピンジャー・ガス吸収管 |
| 直接捕集法 | ガス状物質 | そのまま採取 | 捕集袋・真空捕集瓶 |
| 冷却凝縮捕集法 | ガス状物質 | 冷やして凝縮 | 冷却管(氷・ドライアイス) |
見分けの順番は、まず粒子かガスかです。粒子状ならろ過捕集の一択。
ガス状なら、固体に吸着させるか(固体)、液に溶かすか(液体)、そのまま採るか(直接)、冷やして凝縮させるか(冷却凝縮)で選びます。
混同しやすい捕集法
固体捕集 と 液体捕集
どちらもガス状物質をとらえますが、固体捕集は吸着剤(活性炭・シリカゲル)に吸着、液体捕集は捕集液に溶解・反応させて捕集します。固体に「くっつける」か、液に「溶かす」かの違いです。
直接捕集 と 冷却凝縮捕集
直接捕集はそのまま容器に採るだけ、冷却凝縮捕集は冷やして凝縮させてから採ります。冷やす工程があるかどうかが違いです。
デザイン・サンプリングでは、固体捕集(問11)・ろ過捕集(問12)・液体捕集と直接捕集(問13)がほぼ毎回問われます。
捕集できる物質や原理を入れ替える引っかけが中心です。
固体捕集の対象を狭く限定したり、直接捕集を「全ての有機溶剤に使える」としたりするのは誤りです。
粒子状はろ過、ガス状は吸着・溶解・そのまま・凝縮、という原理の対応になっています。
問題:鉱物性粉じんのような粒子状物質は、固体捕集法でとらえる。
〇か×か。
答え:×
粒子状物質はろ過捕集法でとらえます。固体捕集法はガス状物質を吸着剤に吸着させる方法です。
問題:固体捕集法と液体捕集法の違いは何か。
どちらもガス状物質が対象ですが、固体捕集は固体の吸着剤に吸着、液体捕集は捕集液に溶解・反応させて捕集します。
捕集法は、まず粒子状(ろ過捕集)かガス状かで分けます。
ガス状は、固体に吸着(固体捕集)・液に溶解(液体捕集)・そのまま採取(直接捕集)・冷やして凝縮(冷却凝縮捕集)の4つです。
対象(粒子かガスか)と原理(吸着・溶解・そのまま・凝縮)の対応で覚えると、入れ替えの引っかけに強くなります。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月