作業環境測定士 独学ノート
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A測定とB測定の違いは?|作業環境測定士(測る目的と測定点)

編集部

A測定とB測定、名前も似ていて何が違うのか分かりにくいですよね?測る目的が「平均」か「最高濃度」かで分けると、一気に整理できます。

この記事の要点

A測定は単位作業場所の平均的な濃度分布を、面で(6 m以下の格子の交点から5点以上)測ります。B測定は発散源に近づいて作業する場合に、濃度が最も高くなる作業位置・時間を測り、A測定を補完します。

作業環境測定では、同じ単位作業場所を、A測定とB測定という2つの方法で測ることがあります。

A測定は「面の平均」、B測定は「最高濃度の1点」を測る測定です。

A測定とは

A測定は、単位作業場所の中で、有害物質の濃度が場所や時間でどう散らばっているか、その平均的な状態をつかむための測定です。

単位作業場所に縦横の等間隔(6 m以下)の線を引き、その交点を測定点として5点以上を測ります。

発散源など特定の場所をねらわず、等間隔の交点で測ることで、作業場全体の平均的な濃度分布をかたよりなくとらえます。

B測定とは

B測定は、有害物質の発散源に近づいて作業が行われる場合に、A測定だけでは見逃すおそれのある高いばく露をとらえるための測定です。

発散源の近くで、濃度が最も高くなると考えられる作業位置と時間をねらって測ります。

A測定が「平均」をとらえるのに対し、B測定は「いちばん濃いところ」をとらえてA測定を補完します。

A測定とB測定の対比(模式図) A測定(平均的な分布) 等間隔の交点で測る=平均 B測定(最も高い濃度) 発散源 B 発散源の作業位置=最高濃度
A測定とB測定の対比(模式図|配置・形は実物どおりではありません)。A測定は単位作業場所の等間隔の格子の交点で5点以上を測り、平均的な分布をとらえます。B測定は発散源に近い、濃度が最も高くなる作業位置で測りA測定を補完します。

A測定とB測定の違いを表で比較

観点A測定B測定
測る目的平均的な濃度分布を知る最も高い濃度(高ばく露)をとらえる
測る対象単位作業場所の面ぜんたい発散源に近い作業位置・時間
測定点格子の交点から無作為に5点以上濃度が最も高くなる位置(実質1点)
位置づけ基本の測定A測定を補完する測定

なぜ両方を測るのか(評価とのつながり)

A測定の平均が良くても、発散源の近くで一時的に高濃度を浴びていれば、健康への影響を見逃してしまいます。そこでB測定で最悪値も確認します。

評価では、B測定値が管理濃度を超えていれば、その単位作業場所が第1管理区分になることはありません

さらにB測定値が管理濃度の1.5倍を超えると、A測定の結果にかかわらず第3管理区分になります。平均(A測定)と最高濃度(B測定)の両方で、管理区分が決まります。

混同しやすい測定

A測定 と B測定

A測定は面の平均(等間隔の交点で5点以上)、B測定は最高濃度の1点(発散源の作業位置)です。ねらって測るのがB測定、ねらわず等間隔で測るのがA測定、と覚えると逆になりません。

A・B測定 と C・D測定

A・B測定は場所を決めて測る方法、C・D測定(個人サンプリング法)は労働者の体に試料採取機器を装着して測る方法です。C測定がA測定に、D測定がB測定に対応します。

過去問でどう問われたか

デザイン・サンプリングでは、A測定は毎回(問3)、B測定は毎回(問4)出題されます。

いずれも「誤っているものを選ぶ」形式で、測定点・高さ・回数などの数値や役割を入れ替える引っかけが中心です。

令和5年8月〜令和8年2月の問われ方を年度別に並べます。

A測定(問3)の問われ方

実施回(問3)正答問われ方(引っかけの核心)
令和8年2月著しく狭い場所などの繰り返し測定を「いずれか2点で2回繰り返す」とする回数・点数の要件が誤り。
令和7年8月生産設備などと重なる交点を「いずれかの間隔を変えて引いた線の交点としてよい」とするのは誤り。等間隔をくずさない
令和7年2月粉じんの相対濃度計を使う場合に「各測定点で10分間以上連続して測定」とするのが誤り。
令和6年8月測定点を5未満にできる場合の繰り返しを「4点のうちいずれか1点で2回」とする回数・点数の要件が誤り。
令和6年2月測定時間10分未満の検知管を使う場合に「各測定点で10分間以上連続して測定しなければならない」とするのは誤り。検知管は10分の間に均等に分散させ断続的に測定してよい。
令和5年8月「2年間第1管理区分だった場所では測定点を5未満にできる」とするのは誤り。5未満にできる条件のすり替え。

B測定(問4)の問われ方

実施回(問4)正答問われ方(引っかけの核心)
令和8年2月最高濃度の作業位置が予測できないとき「全位置を測って算術平均値をB測定値とする」のは誤り。B測定は最も高い濃度をとる。
令和7年8月A測定で分粒装置を用いる物質で「B測定では分粒装置は使用しない」とするのは誤り(B測定でも用いる)。
令和7年2月「B測定点の高さは床上100 cm以上150 cm以下」とするのは誤り。高さの数値範囲のすり替え。
令和6年8月圧電天秤方式の相対濃度計で「測定時間2分・連続5回・指示値の最大値」とする数値要件が誤り。
令和6年2月「B測定はA測定を補完するので全ての単位作業場所で実施する必要がある」とするのは誤り。発散源に近接した作業がある場合に行う。
令和5年8月相対濃度指示方法のB測定で質量濃度変換係数を「A測定とは別に求める」とするのは誤り。A測定と共通でよい。

これらの引っかけは、A測定の「無作為・5点以上・6 m以下の格子・等間隔」、B測定の「発散源・最高濃度・A測定の補完」という核に対して、数値や役割を入れ替えたものです。

理解度チェック

問題:B測定は、単位作業場所の平均的な濃度分布を知るために、無作為に5点以上を測る。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

それはA測定です。B測定は発散源に近い、濃度が最も高くなる作業位置・時間を測ります。

問題:B測定値が管理濃度を超えていても、A測定の結果が良ければ第1管理区分になる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

B測定値が管理濃度を超えていれば、第1管理区分になることはありません。最高濃度(B測定)も区分の判定に効きます。

まとめ

A測定は単位作業場所の平均的な濃度分布を面で(等間隔の交点で5点以上)、B測定は発散源に近い最高濃度を1点で測り、A測定を補完します。

評価では、平均(A測定)と最高濃度(B測定)の両方で管理区分が決まります。B測定値が管理濃度を超えれば第1管理区分にはならない、という点が得点源です。

参考資料

  • 作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)第2条(A測定・B測定の定義、測定点)(e-Gov法令検索)。
  • 作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)(管理区分の決定、B測定値と管理濃度・その1.5倍)。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(デザイン・サンプリング 令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく・公表正答。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。