令和6年2月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問13は、液体捕集法及び直接捕集法に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、液体捕集法と直接捕集法の基本を横断で問うものです。
捕集液に対象物質を溶け込ませて捕まえる液体捕集(捕集率の推定・捕集器具・捕集液の選び方)と、空気そのものを瓶や袋に取り込む直接捕集(真空捕集瓶・捕集袋の扱い)が並びます。
引っかけの核心は、水に溶けにくい物質を、水を捕集液にして液体捕集できるかのように書いているところにあります。
捕集液は対象物質が溶けるものを選ぶ、という一点です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 捕集器具を2本直列につないで吸引し、各器具に捕まった量から捕集率を推定するのは正しい(後ろの器具に漏れた量で取りこぼしがわかる)。 |
| 2 | ×(誤り) | 小型ガス吸収管でキシレンを液体捕集する捕集液に精製水を用いるとするのが誤り。キシレンは水に溶けにくく、精製水では捕まえられない。 |
| 3 | ○(正しい) | クロム酸ミストの液体捕集にミゼットインピンジャーを用いることができるのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | メタノールの直接捕集に真空捕集瓶を使用できるのは正しい(減圧した瓶に空気を取り込む)。 |
| 5 | ○(正しい) | 直接捕集に使う捕集袋の内面洗浄に水や洗剤を用いないのは正しい(残った水分・成分が測定の妨げになる)。 |
液体捕集法は、捕集液に空気を通し、対象物質を捕集液に溶け込ませて捕まえる方法です。だから捕集液は、その物質がよく溶けるものを選ぶ必要があります。
水によく溶けるガスなら水系の捕集液で捕まえられますが、水に溶けにくい物質では話が変わります。
キシレンは有機溶剤で、水に溶けにくい(難水溶性)性質を持ちます。
捕集液に精製水を使うと、空気を通してもキシレンが水へほとんど溶け込まず、通り抜けて捕まえられません。これでは正しい濃度が測れず、測定が成立しません。
つまり選択肢2は、水に溶けにくいキシレンに、水系の捕集液(精製水)を組み合わせたところが誤りです。
捕集液は対象物質の溶けやすさに合わせて選ぶもので、難水溶性の有機溶剤に精製水という組み合わせは成り立ちません。
問題:キシレンを小型ガス吸収管で液体捕集するとき、捕集液に精製水を使ってよいか。
使えません。キシレンは水に溶けにくい有機溶剤なので、精製水では捕集液にほとんど溶け込まず捕まえられません。液体捕集の捕集液は、その物質が溶けるものを選びます。
問題:液体捕集で捕集器具を2本直列につなぐのは何のためか。
捕集率を推定するためです。前の器具で捕まりきらずに後ろの器具へ漏れた量を測れば、どれだけ取りこぼしているかがわかり、捕集率を見積もれます。
出典
※ 最終更新:2026年6月