編集部
ヒュームとミスト、粉じんとヒューム…状態の名前が多くて混ざりませんか?まず「気体か粒子か」、粒子なら「固体か液体か・どうやってできたか」で分けると整理できます。
この記事の要点
有害物質の状態は、まず気体(ガス・蒸気)か粒子(粉じん・ヒューム・ミスト)かで分けます。
ガスは常温で気体、蒸気は本来は液体や固体が気化したもの。粉じんは固体を削って出た固体粒子、ヒュームは気体が凝固した極めて細かい固体粒子、ミストは液体の粒子です。
有害物質をどう捕まえて測るか(捕集法)は、その物質が気体か粒子か、固体か液体かで決まります。だから、まず状態の区別が出発点になります。
気体はガスと蒸気、粒子は粉じん・ヒューム・ミスト。粒子では、固体が粉じん・ヒューム、液体がミストです。
どちらも気体ですが、もとの姿が違います。ガスは常温・常圧でもともと気体のもの(沸点が常温より低い)。
蒸気は、本来は液体や固体だけれど、蒸発して気体になっているもの(沸点が常温より高い)です。
たとえば硫化水素は常温で気体なのでガス、有機溶剤のように常温では液体のものが揮発した気体は蒸気です。
固体に研磨・切削・破砕などの機械的な力を加えたときに出る、固体の微粒子です。鉱物性粉じんなどが代表です。
金属などの気体(蒸気)が空気中で冷えて凝固し、さらに酸化してできる、極めて細かい固体の微粒子です。
溶接で出る金属ヒュームが代表で、一次粒子はサブミクロン(おおむね1 µm未満)と非常に小さいのが特徴です。
液体の微粒子です。噴霧や、気体が凝縮してできた液体の粒子で、めっきの酸ミストなどが代表です。
| 状態 | 気体/粒子 | 成り立ち | 例 |
|---|---|---|---|
| ガス | 気体 | 常温で気体(沸点が常温より低い) | 硫化水素 |
| 蒸気 | 気体 | 本来は液体・固体で、蒸発して気体に | 有機溶剤の蒸気 |
| 粉じん | 粒子(固体) | 固体の機械的な破砕 | 鉱物性粉じん |
| ヒューム | 粒子(固体) | 気体が凝固・酸化した極微細な粒子 | 金属ヒューム(溶接) |
| ミスト | 粒子(液体) | 液体の微粒子(噴霧・凝縮) | 酸ミスト |
粒径は、ミストの方がヒュームの一次粒子より大きくなります。ヒュームの一次粒子は非常に細かい固体です。
混同しやすい状態
ヒューム と ミスト
どちらも細かい粒子ですが、ヒュームは固体、ミストは液体です。ヒュームは気体が凝固してできた極微細な固体、ミストは液体の粒子です。
粉じん と ヒューム
どちらも固体の粒子ですが、でき方が違います。粉じんは固体を削って出た粒子、ヒュームは気体が凝固してできた粒子で、ヒュームの方がずっと細かいです。
状態が分かると、捕集法が選べます。粒子(粉じん・ヒューム・ミスト)はろ過捕集法、ガス・蒸気は固体捕集・液体捕集・直接捕集・冷却凝縮捕集から選びます。
状態の区別は、捕集法を決める出発点です。
有害物質の状態は、デザイン・サンプリングの問1や問5で問われます。定義や、ガスと蒸気・固体と液体の入れ替えが引っかけです。
| 年度・問 | 正答 | 問われ方(引っかけの核心) |
|---|---|---|
| 令和8年2月 問1 | ⑤ | 状態の定義(粉じん・ヒューム・ミスト等)。「ミストの粒径はヒュームの一次粒子より小さい」=誤り。ミストの方が大きい。 |
| 令和8年2月 問5 | ⑤ | ガスと蒸気の区別(沸点が常温より低い=ガス、高い=蒸気)。沸点の高い物質を「ガス」とするのは誤り(蒸気)。 |
ヒュームは固体・ミストは液体、粒径はミストの方が大きい。ガスは常温で気体・蒸気は気化した気体(沸点で区別)です。
問題:ヒュームは、液体の微粒子が空気中に浮遊しているものである。
〇か×か。
答え:×
液体の微粒子はミストです。ヒュームは気体が凝固してできた極微細な固体の粒子です。
問題:ミストの粒径は、一般にヒュームの一次粒子より小さい。
〇か×か。
答え:×
逆です。ミストの方が大きく、ヒュームの一次粒子は非常に細かい固体です(令和8年2月 問1)。
有害物質の状態は、まず気体(ガス・蒸気)か粒子(粉じん・ヒューム・ミスト)かで分けます。
ガスは常温で気体、蒸気は気化した気体、粉じんは固体の破砕、ヒュームは気体が凝固した固体、ミストは液体の粒子です。
「ヒューム=固体/ミスト=液体」で、粒径はミストの方が大きく、状態から捕集法へつながります。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月