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令和6年度 1級 機械工学 問題A No.11 を解説(トップランナーは始動電流が大きい)

令和6年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.11】は、三相誘導電動機に関する問題です。4つの記述のうち、適当でないものを1つ選びます。

この問題のポイント

誤りは選択肢3です。トップランナーモータの始動電流が小さいとされています。

過去問の正しい肢は、大きくなる傾向があると書いています。令和元年度の1級 問題A No.11は設問文も令和6年度と同じで、トップランナーモータは銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある、という記述を正しい側に置いています。

この正しい肢には、理由まで書かれています。効率を上げるために抵抗を低くしている、というところが始動電流につながります。

※ このページに問題文そのものは載せていません。一般財団法人 全国建設研修センターの試験問題および正答肢のページには、2026年8月時点で令和7年度と令和8年度が掲載されています。

正解:選択肢3

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) リアクトルと高調波です。この年度の正答肢により適当とされています
2 ○(適当) 結線が切り替わる際の電流です。同じくこの年度の正答肢によります
3 ×(適当でない) 令和元年度は大きくなる傾向があるとする記述を正しい肢に置いています
4 ○(適当) 3Eリレーが守る3つです。同じくこの年度の正答肢によります

選択肢3のポイント(ここが誤り)

トップランナーモータの始動電流は、過去問の正しい肢に理由つきで書かれています。

令和元年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.11】の正しい肢(選択肢3)

「トップランナーモータは、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があり、標準モータに比べて始動電流が大きくなる傾向がある。」
同年度の公表正答は選択肢2で、この記述は正しい側に置かれています。設問は「三相誘導電動機に関する記述のうち、適当でないものはどれか」で、令和6年度と同じです。

大きくなる傾向です。令和6年度は小さいと書いているので、向きが逆です。

効率のよいモータほど始動電流が小さい、とは限りません。令和元年度の肢は銅損を減らすために抵抗を低くしている、というところまで書いています。

同じ令和元年度で誤りとされたのは、スターデルタ始動の数値でした。

同 問題A【No.11】の公表正答(選択肢2)

「スターデルタ始動方式は、全電圧直入始動方式と比較して、始動電流を3分の1の平方根に低減できる。」
この記述が、適当でないものとして出されています。

令和6年度の選択肢2は、同じスターデルタ始動でも聞いているところが違います。令和元年度は低減できる割合の数値、令和6年度はスター結線からデルタ結線に切り替わる際に流れる電流です。

2つの年度の対応を並べると、次のようになります。

論点 令和元年度 令和6年度
トップランナーモータ始動電流が大きくなる傾向(正しい肢)始動電流が小さい(誤り)
スターデルタ始動低減できる割合の数値(誤り)切替え時に流れる電流(正しい肢)
インバータ電動機の温度、騒音(どちらも正しい肢)リアクトルと高調波(正しい肢)

同じ設問文でも、同じ用語について聞いているところが年度で変わります。用語が一致していても、問われている点まで同じとは限りません。

選択肢4の3Eリレーについては、別の年度が保護する3つを並べています。

令和2年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A【No.12】の正しい肢(選択肢3・選択肢4)

「スターデルタ始動の冷却水ポンプの回路に、過負荷・欠相保護継電器(2Eリレー)を使用する。」
「全電圧始動(直入始動)の水中モーターポンプの回路に、過負荷・欠相・反相保護継電器(3Eリレー)を使用する。」
同年度の公表正答は選択肢2で、この2つはどちらも正しい側に置かれています。

3Eリレーは過負荷・欠相・反相の3つです。2Eリレーは過負荷・欠相の2つで、反相が付きません。令和6年度の選択肢4は、3Eリレーが守る3つをそのまま挙げています。

三相誘導電動機の始動はスターデルタ始動の始動電流はいくつか?三相誘導電動機の読み分けで扱っています。

覚え方

  • トップランナーモータは標準モータより始動電流が大きくなる傾向です。小さいとした記述は誤りです
  • 理由として過去問が挙げているのは銅損低減のため抵抗を低くしている場合があることです
  • 令和元年度はスターデルタ始動の低減割合の数値を誤りにしています
  • 同じスターデルタでも、低減の割合を聞く年度と切替え時の電流を聞く年度があります
  • インバータは、電動機の温度・騒音・高調波のどれで出るかが年度で変わります

理解度チェック

Q.

トップランナーモータの始動電流は、標準モータと比べてどうなるか。

大きくなる傾向があります。令和元年度の1級 問題A No.11の選択肢3が、銅損低減のため抵抗を低くしている場合があるという理由とともに、正しい肢としてこの内容を出しています。令和6年度は小さいと書いたため、誤りとされています。

Q.

令和元年度は、スターデルタ始動について何を誤りにしているか。

全電圧直入始動方式と比較して始動電流を3分の1の平方根に低減できる、とした数値です。同年度の公表正答はこの選択肢2です。令和6年度は同じスターデルタでも、結線が切り替わる際に流れる電流のほうを出しています。

Q.

令和元年度が、インバータについて正しい肢に置いている内容は何か。

インバータによる運転は電圧波形にひずみを含むためインバータを用いない運転よりも電動機の温度が高くなること(選択肢1)と、インバータで運転すると騒音が増加することがあること(選択肢4)の2つです。

> 機械工学のほかの論点は機械工学のカテゴリにまとめています

電動機の始動電流は、機種や容量によって変わります。ここでの説明は試験問題に出された記述についてのものです。

関連する用語

この問で問われた語を、年度をまたいで整理しています。

参考資料

  • 一般財団法人 全国建設研修センター「令和6年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 試験問題A」および同センターが公表した正答肢(問題A【No.11】=(3))。
  • 同センター「令和元年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A」問題A【No.11】および同年度の公表正答肢((2))。
  • 同センター「令和2年度 1級管工事施工管理技術検定 学科試験 問題A」問題A【No.12】および同年度の公表正答肢((2))。
  • ※ 問題文・選択肢は掲載していません。
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