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梁貫通孔の径は梁せいの何分の1か?鉄筋コンクリート造の読み分け

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梁貫通孔の径に1/3と1/2の両方を見た記憶があって混乱しています。

かぶり厚さの起点もどこからか分かりません。

この記事の要点

梁貫通孔の径は梁せいの3分の1以下です。2分の1以下とした記述は誤りでした。

並列する場合の中心間隔は、径の平均値の3倍以上です。

基礎の鉄筋のかぶり厚さは捨コンクリート部分を除いた厚さです。

同じ寸法に2つの数値が別の年度で出ています。

1級の問題Aで3年分を並べます。

鉄筋コンクリート造の正しい肢と誤りの肢を並べた図。1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A No.13・No.14(令和5年度・令和6年度・令和7年度)の記述と公表正答による。正しい肢として出た記述は、梁貫通孔の上下方向の位置は梁せいの中心付近としその径は梁せいの3分の1以下とすること、大きさの異なる梁貫通孔が並列する場合の中心間隔は梁貫通孔の径の平均値の3倍以上とすること、同じ大きさの二つの梁貫通孔の中心間隔は梁貫通孔の径の3倍以上とすること、梁貫通孔は可能な限り小さくしせん断力の小さい部分に設けること、基礎の鉄筋のかぶり厚さは捨コンクリート部分を除いた厚さとすること、鉄筋のかぶり厚さの確保には火災時に鉄筋の強度低下を抑える効果があること、コンクリート中の単位水量が多いほど乾燥収縮によるひび割れが発生しやすいこと、鉄筋とコンクリートは常温では線膨張係数がほぼ等しいこと、コンクリート壁の特定の箇所にひび割れを集中させるために設ける目地をひび割れ誘発目地ということ。誤りとして出た記述は、梁貫通孔の径の大きさを梁せいの2分の1以下とするというもの、梁貫通孔を設ける場合は梁の上下の主筋の量を増やさなければならないというもの、柱の鉄筋のかぶり厚さは主筋の外側からコンクリートの表面までの最短距離をいうというもの、水セメント比を小さくするとコンクリートの耐久性は低くなるというもの、柱や梁などの部材に生じる応力は曲げモーメントとせん断力の2種類であるというもの。
左が正しい肢、右が誤りの肢。※公表正答で確定した記述を並べた図。

梁貫通孔の径は梁せいのいくつか

3分の1以下です。

令和6年度 1級 第一次検定 問題A【No.13】(2)(正しい肢)/令和5年度【No.14】(2)(誤りの肢)

令和6年度 梁貫通孔の上下方向の位置は梁せいの中心付近とし、その径は梁せいの1/3以下とする。

令和5年度 梁貫通孔の径の大きさは、梁せいの1/2以下とする。

出題された値 公表正答での扱い
梁せいの1/3以下 正しい肢
梁せいの1/2以下 誤りの肢

令和5年度の公表正答は(2)です。1/2以下という記述は誤りと確定します。

位置についても指定があります。上下方向の位置は梁せいの中心付近です。

貫通孔が並ぶときの間隔はいくつか

径の3倍以上です。

令和6年度【No.13】(3)(4)/令和5年度【No.14】(1)(いずれも正しい肢)

令和6年度(3) 大きさの異なる梁貫通孔が並列する場合の中心間隔は、梁貫通孔の径の平均値の3倍以上とする。

令和6年度(4) 梁貫通孔は、可能な限り小さくし、せん断力の小さい部分に設ける。

令和5年度(1) 同じ大きさの二つの梁貫通孔の中心間隔は、梁貫通孔の径の3倍以上とする。

大きさが違うときは基準が変わります。径の平均値の3倍以上です。

設ける場所も決まっています。せん断力の小さい部分に設けます。

まちがえやすいポイント

主筋については増やす側が誤りとされました。

令和6年度の公表正答は(1)で、「梁貫通孔を設ける場合は、梁の上下の主筋の量を増やさなければならない」が誤りの肢です。同じ問題の(2)から(4)は正しい記述でした。

3倍という数字は2つの形で出ます。同じ大きさなら径の3倍、大きさが違うなら径の平均値の3倍です。

かぶり厚さはどこからどこまでか

起点の書き方が誤りとされました。

令和5年度【No.13】(1)(誤りの肢)/令和6年度【No.14】(3)・令和7年度【No.13】(3)(いずれも正しい肢)

令和5年度 柱の鉄筋のかぶり厚さは、主筋の外側からコンクリートの表面までの最短距離をいう。

令和6年度 基礎の鉄筋のかぶり厚さは、捨コンクリート部分を除いた厚さとする。

令和7年度 鉄筋のかぶり厚さの確保には、火災時に鉄筋の強度低下を抑える効果がある。

令和5年度の公表正答は(1)です。主筋の外側からという記述は誤りと確定します。

基礎では除く部分が指定されています。捨コンクリート部分を除いた厚さです。

水セメント比を小さくするとどうなるのか

耐久性が低くなるという記述が誤りでした。

令和6年度【No.14】(2)(誤りの肢)/同(1)(正しい肢)

(2) 水セメント比を小さくすると、コンクリートの耐久性は低くなる。

(1) コンクリート中の単位水量が多いほど、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすい。

令和6年度の公表正答は(2)です。耐久性は低くなるという記述は誤りと確定します。

単位水量については正しい肢が出ています。多いほど乾燥収縮によるひび割れが発生しやすいです。

部材に生じる応力は何種類か

2種類と書いた肢が誤りとされました。

令和7年度【No.13】(4)(誤りの肢)/同(1)(2)(いずれも正しい肢)

(4) 柱や梁などの部材に生じる応力は、曲げモーメント、せん断力の2種類である。

(1) コンクリートの単位セメント量は、乾燥収縮によるひび割れを防止するためには少ない方がよいが、少なすぎるとワーカビリティーが悪くなる。

(2) コンクリートの打込みにおいて、コンクリートの打継ぎは、応力の小さいところで行う。

令和7年度の公表正答は(4)です。2種類であるという記述は誤りと確定します。

単位セメント量には両側の条件が付いています。少ない方がよいが、少なすぎるとワーカビリティーが悪くなるです。

ほかに正しい肢として出たのは何か

目地と線膨張係数です。

令和5年度【No.13】(2)(3)(4)(いずれも正しい肢)

(2) 耐震壁は、地震に対して有効であり、バランスよく配置しなければならない。

(3) コンクリート壁の特定の箇所に、ひび割れを集中させるために設ける目地を、ひび割れ誘発目地という。

(4) 鉄筋とコンクリートは、常温では線膨張係数がほぼ等しい。

目地の役割が言い切られています。ひび割れを集中させるために設けるものです。

2つの材料が組み合わさる理由も出ています。常温では線膨張係数がほぼ等しいとされています。

防火区画の貫通は防火区画貫通処理で扱っています。

理解度チェック

Q.

梁貫通孔の径は梁せいのいくつ以下か。

3分の1以下です。2分の1以下とした肢は誤りでした。

Q.

大きさの異なる貫通孔が並列する場合の中心間隔は。

径の平均値の3倍以上です。

Q.

基礎の鉄筋のかぶり厚さはどう測るか。

捨コンクリート部分を除いた厚さとします。

Q.

「水セメント比を小さくすると耐久性は低くなる」は正しいか。

誤りです。令和6年度の公表正答はこの肢でした。

Q.

ひび割れ誘発目地は何のために設けるか。

ひび割れを特定の箇所に集中させるためです。

まとめ

  • 梁貫通孔の径は梁せいの1/3以下
  • 1/2以下とした肢は誤り。
  • 並列する場合の中心間隔は径の平均値の3倍以上
  • 貫通孔はせん断力の小さい部分に設ける。
  • 基礎の鉄筋のかぶり厚さは捨コンクリート部分を除いた厚さ
  • 「水セメント比を小さくすると耐久性が低くなる」は誤り
  • 単位水量が多いほど乾燥収縮のひび割れが出やすい。
  • 鉄筋とコンクリートは常温で線膨張係数がほぼ等しい

建築の設計や施工の判断は建築士や施工者の領分です。個別の判断は設計図書と関係者の指示にしたがってください。

あわせて読む

この語が出た問はどこか

解説を1問ずつ置いています。

参考資料

  • 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 問題A【No.13】(令和5年度・令和6年度・令和7年度)及び【No.14】(令和5年度・令和6年度)、並びに各年度の公表正答肢(一般財団法人全国建設研修センター。試験問題/正答肢のページ)。公表正答はNo.13が令和5年度(1)・令和6年度(1)・令和7年度(4)、No.14が令和5年度(2)・令和6年度(2)です。分数と倍率の数値は、同PDFの当該ページを画像にして目視で確認しました。
  • ※ 柱の鉄筋のかぶり厚さをどこから測るかについては、この記事で扱った3年度の問題文の中に正しい肢としての記述がありません。誤りとして出された事実だけを記載しています。
  • ※ 部材に生じる応力が何種類かについても、正しい肢としての記述がありません。誤りとして出された事実だけを記載しています。
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この記事を書いた人

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管工事施工管理技士の用語・過去問を、法令や公的な基準など一次資料にあたって整理しています。

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