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貫通部の話は、配管もダクトも一緒くたに覚えていました。
不燃材料で埋めるのか、防火ダンパーを付けるのか、どちらなのか分かりません。
この記事の要点
管と風道では引く条から違います。管は第112条第20項と第129条の2の4、風道は第112条第21項です。
管に求められるのは埋めることと造ることです。すき間を不燃材料で埋め、貫通部と両側1m以内を不燃材料で造ります。
風道に求められるのは設備を設けることです。条文の言葉は特定防火設備で、防火ダンパーではありません。
同じ「貫通」でも、管と風道は別の条に書かれています。
この2つを分けて覚えると、肢の切り分けが楽になります。
第112条第20項が定めています。
建築基準法施行令 第112条第20項(抜粋)
給水管、配電管その他の管が(中略)準耐火構造の防火区画(中略)を貫通する場合においては、当該管と準耐火構造の防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
埋める材料はモルタルその他の不燃材料です。
この項が対象にしているのは管です。条文は第21項で風道を別に扱っており、同じ「貫通」でも書き分けています。
すき間とは別に、第129条の2の4第1項第七号が管の構造を定めています。
建築基準法施行令 第129条の2の4第1項第七号(抜粋)
給水管、配電管その他の管が、第百十二条第二十項の準耐火構造の防火区画(中略)を貫通する場合においては、これらの管の構造は、次のイからハまでのいずれかに適合するものとすること。
イ 給水管、配電管その他の管の貫通する部分及び当該貫通する部分からそれぞれ両側に一メートル以内の距離にある部分を不燃材料で造ること。
ロ 給水管、配電管その他の管の外径が、当該管の用途、材質その他の事項に応じて国土交通大臣が定める数値未満であること。
ハ 防火区画等を貫通する管に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間(中略)防火区画等の加熱側の反対側に火炎を出す原因となる亀裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものであること。
イ・ロ・ハはいずれかに適合すればよい選択肢です。3つとも満たす必要はありません。
イの範囲は貫通部そのものと、そこから両側1m以内です。材料は不燃材料になります。
第七号のただし書にあります。
建築基準法施行令 第129条の2の4第1項第七号 ただし書
ただし、一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で建築物の他の部分と区画されたパイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中にある部分については、この限りでない。
外れるのは区画されたパイプシャフト等の中にある部分です。区画されていることが条件になります。
第112条第21項が定めています。管とは求められる行為が違います。
建築基準法施行令 第112条第21項(抜粋)
換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合(中略)においては、当該風道の準耐火構造の防火区画を貫通する部分又はこれに近接する部分に、特定防火設備(法第二条第九号の二ロに規定する防火設備によつて区画すべき準耐火構造の防火区画を貫通する場合にあつては、同号ロに規定する防火設備)であつて、次に掲げる要件を満たすもの(中略)を国土交通大臣が定める方法により設けなければならない。
一 火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するものであること。
二 閉鎖した場合に防火上支障のない遮煙性能を有するものであること。
| 貫通するもの | 条 | 求められること |
|---|---|---|
| 管 | 第112条第20項 | すき間をモルタルその他の不燃材料で埋める |
| 管 | 第129条の2の4第1項第七号 | 貫通部と両側1m以内を不燃材料で造る(イ・ロ・ハのいずれか) |
| 風道 | 第112条第21項 | 特定防火設備を設ける(自動閉鎖・遮煙性能) |
取り付ける位置は貫通する部分又はこれに近接する部分です。貫通部そのものに限られません。
令和7年度2級(前期)では「防火区画を貫通するダクトと壁のすき間には、グラスウール保温材を充てんする」とした肢が誤りとされました。
第129条の2の4第1項第六号が、建築物の規模で線を引いています。
建築基準法施行令 第129条の2の4第1項第六号
地階を除く階数が三以上である建築物、地階に居室を有する建築物又は延べ面積が三千平方メートルを超える建築物に設ける換気、暖房又は冷房の設備の風道及びダストシュート、メールシュート、リネンシュートその他これらに類するもの(屋外に面する部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除く。)は、不燃材料で造ること。
対象は地階を除く階数3以上、地階に居室あり、延べ面積3,000m²超の3つです。いずれかに当たれば風道を不燃材料で造ります。
この六号は貫通の有無と関係なく、風道そのものにかかります。
現場と過去問で通っている語のうち、施行令に出てこないものがあります。
| よく使う語 | 施行令での扱い |
|---|---|
| 防火ダンパー | 条文になし。条文の語は特定防火設備(または防火設備) |
| 温度ヒューズ | 条文になし。条文は「温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖」 |
| 貫通処理 | 条文になし。条文は「埋める」「造る」「設ける」と行為で書く |
条文が行為で書いている以上、覚えるときも埋める・造る・設けるの3つで分けるのが早道です。
同じ施行令の排煙設備は排煙設備の基準で扱っています。排煙風道にも防煙壁を貫通するときのすき間の決まりがあります。
管が準耐火構造の防火区画を貫通するとき、すき間はどうするか。
モルタルその他の不燃材料で埋めます。第112条第20項が対象にしているのは管で、風道は第21項で別に扱われています。
第129条の2の4第1項第七号イが求める範囲はどこまでか。
貫通する部分と、そこから両側に1m以内の距離にある部分です。不燃材料で造ります。
イ・ロ・ハは全部を満たす必要があるか。
いいえ。条文は「いずれかに適合するもの」としています。
風道が防火区画を貫通するとき、何をどこに設けるか。
特定防火設備を、貫通する部分またはこれに近接する部分に設けます。自動的に閉鎖し、閉鎖時に遮煙性能をもつものです。
風道を不燃材料で造らなければならない建築物はどれか。
地階を除く階数が3以上、地階に居室を有する、延べ面積3,000m²超のいずれかに当たる建築物です。
実際の納まりや使用する材料は、区画の種類・大臣が定めた構造方法・認定の内容によって変わります。個別の判断は設計図書と所轄の建築主事・指定確認検査機関にご確認ください。
級ごとに分けています。1級 施工管理法|2級 施工管理法を見てください。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
ねらわれるのは、不燃材料を別の語に置き換える形です。
令和7年度2級(前期)では「給水管、配電管その他の管が、防火区画を貫通する場合、貫通する部分を難燃材料で造らなければならない」とした肢が誤りとされました。条文は不燃材料です。
もうひとつが管と風道の取り違えです。管は埋めて造る、風道は設備を設けると、求められる行為そのものが違います。