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損失の名前が5つも出てきて、どれがどの経路なの?
挿入損失と結合損失って、何が違うの?
分岐器も分配器も、信号を取り出すときに必ず損失が生じます。
どちらもテレビ共同受信設備を構成する機器で、幹線から信号を分ける役割は同じです。信号の分け方が違うので、損失の呼び方も分かれます。
取り出す経路が違えば損失の名前も変わるので、そこが問われます。
損失をどの区間で測るかで呼び方が変わるのは、光ファイバの損失測定でも同じです。機器の名前と経路をセットで覚えると混ざりません。
5つの経路にそれぞれ名前が付いています。
| 機器 | 経路 | 損失の名前 |
|---|---|---|
| 分岐器 | 入力 → 出力(幹線側) | 挿入損失 |
| 分岐器 | 入力 → 分岐 | 結合損失 |
| 分岐器 | 分岐 → 出力 | 逆結合損失 |
| 分配器 | 入力 → 分配(出力) | 分配損失 |
| 分配器 | 分配(出力)→ 別の分配(出力) | 端子間結合損失 |
分岐器の2つは経路が違うだけで、名前がまったく別です。
ここに挿入損失の名前を貼った肢が作られています。
令和5年度 1級 No.42(4肢とも損失の定義)
選択肢1 分岐器において、入力→分岐間を通過する際の損失を挿入損失という。
選択肢2 分岐器において、分岐→出力間を通過する際の損失を逆結合損失という。
選択肢3 分配器において、入力→分配(出力)間を通過する際の損失を分配損失という。
選択肢4 分配器において、分配(出力)→別の分配(出力)間を通過する際の損失を端子間結合損失という。
入力から分岐までは結合損失です。選択肢1だけが名前を貼り替えてあり、残る3つは経路と名前が合っています。
4つの肢が4つの経路にきれいに対応しているので、経路を先に読んでから名前を確かめる順にすると、どれか1つだけがずれていることに気づけます。分岐器と分配器は役割そのものが違うので、機器名を読み飛ばすと混ざります。
挿入損失という言葉は、経路のとらえ方が違います。
分岐器を幹線の途中に入れたことで、そのまま先へ進む信号が減る量が挿入損失です。分岐端子へ取り出す量ではありません。
言い換えると、「通り抜ける側が挿入損失、取り出す側が結合損失」ということです。
2つが別物であることは、計算問の条件欄から確かめられます。
| 出題 | 分岐器 挿入損失 |
分岐器 結合損失 |
分配器 分配損失 |
分配器 端子間結合損失 |
|---|---|---|---|---|
| 令和元年度 1級 No.42 | 6.0dB | 15.0dB | 11.0dB | 15.0dB |
| 令和3年度 1級 No.41 | 5.0dB | 10.0dB | 10.0dB | 15.0dB |
| 令和8年度 1級 No.39 | 5.0dB | 10.0dB | 10.0dB | 15.0dB |
3年度とも別々の値が与えられ、結合損失のほうが大きくなっています。例えば、同じ経路の損失であれば2つの数値を分けて示す必要がありません。分配器側も同じで、分配損失より端子間結合損失のほうが大きい値です。
この3年度の条件欄には、同じ顔ぶれが並びます。
テレビ端子は直列ユニットとも呼ばれ、分岐機能を持っています。分岐器と同じように、通り抜ける側の挿入損失と、受信機へ取り出す側の結合損失があります。平成25年度1級と平成29年度2級の条件欄では、直列ユニット単体の挿入損失2.0dB、結合損失12.0dBが与えられました。この2年度には分岐器が出てこず、条件欄に並ぶ機器は分配器(分配損失4.0dB)と直列ユニットだけです。
ここでも結合損失のほうが大きい値です。幹線を素通りする分より、取り出す分のほうが大きく減るという関係は、分岐器でも直列ユニットでも変わりません。
増幅器の出口から目的のテレビ端子まで、どの機器をどの向きに通るかで、足す損失が決まります。並んでいる数値を全部足すわけではありません。
ケーブルの損失は長さに比例します。令和8年度なら20mで0.5dB/mなので10.0dBです。ケーブルの長さが効いてくる点は、LANの配線で距離の上限を決める考え方と同じです。
分配器側は経路と名前が素直に対応します。
端子間という言葉が、出力どうしの間であることを示しています。
インピーダンスを合わせて反射を抑える考え方は、拡声設備のスピーカ接続でも出てきます。合っていないと信号が戻ってしまう点が共通です。
混同しやすい損失
挿入損失:機器を入れたことで幹線側が減る量です。
結合損失:分岐器で入力から分岐へ取り出す量です。
逆結合損失:分岐器で分岐から出力へ戻る向きの量です。
分配損失:分配器で入力から出力へ分ける量です。
端子間結合損失:分配器の出力どうしの間の量です。
損失の名前を正面から問う形は1年度分です。
この論点は、次の順に確かめます。
計算問の条件欄にも同じ4つの名前が並ぶので、そこで覚えられます。
この系統の肢は、次の順に見ます。
分岐器で入力から分岐へ通過する際の損失は何というか?
結合損失です。挿入損失は幹線側を通り抜ける損失なので別のものです。
分配器で出力から別の出力へ回り込む損失は何というか?
端子間結合損失です。端子間という語が出力どうしであることを示します。
分岐器の挿入損失と結合損失は、どちらが大きいか?
結合損失のほうが大きい値で与えられています。3年度の条件欄でそうなっています。
令和5年度で答えになった肢はどれか?
分岐器の入力から分岐までの損失を挿入損失とした肢です。正しくは結合損失です。
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
結合という語が2か所に出ます。
分岐器の結合損失は入力から分岐へ、分配器の端子間結合損失は出力から別の出力へです。機器の名前とセットで読まないと、どちらの結合か決まりません。
また、令和5年度の選択肢2にある逆結合損失は、分岐から出力へ戻る向きの損失です。分岐器には結合損失と逆結合損失があり、向きで名前が分かれます。