平成30年度 地質調査技士 現場調査部門 No.38を解説、各種原位置試験の特徴と適用
平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 No.38は、各種の原位置試験・岩石試験の特徴と適用に関する問題です。この問題では、試験法と特徴・適用の組合せのうち最も不適当なものを1つ選びます。
この問題のポイント
4つの選択肢は、簡易動的コーン貫入試験・原位置ベーンせん断試験・岩石の点載荷試験・シュミット式ハンマー試験を、それぞれ特徴や対象地盤と組み合わせています。
組合せの当否は、その試験が「どの地盤・材料を対象にするか」で決まります。
引っかけの核心は1点、簡易動的コーン貫入試験は打撃エネルギーが小さいという性質です。表層の軟弱層を対象とする試験なので、砂礫や硬い地盤に適用できるとした組合せは誤りになります。
※ 問題文そのものは、一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(最も不適当な組合せ)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 試験法と特徴・適用の組合せ | 正誤 |
|---|---|---|
| 1 | 簡易動的コーン貫入試験 = 砂礫地盤にも適用できる | ×(誤り) 表層の軟弱層向け。砂礫・硬い地盤には不可 |
| 2 | 原位置ベーンせん断試験 = 軟弱粘性土の非排水せん断強さを測る | ○(正しい) |
| 3 | 岩石の点載荷試験 = 一軸圧縮強さや引張り強さを推定する | ○(正しい) |
| 4 | シュミット式ハンマー試験 = 反発度から軟岩〜硬岩の強度を推定する | ○(正しい) |
選択肢2・3・4は、試験法と適用の組合せとして正しい記述です。選択肢1が、簡易動的コーン貫入試験の対象地盤を取り違えた誤りの組合せです。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
簡易動的コーン貫入試験は、質量5kgのハンマーを500mm落下させ、コーンを100mm貫入させる打撃回数(Nd)を測る試験です。
打撃エネルギーが小さいので、自然斜面や盛土・切土法面の表層に分布する軟弱層の確認に向きます。貫入抵抗の大きい砂礫地盤や硬い地盤には貫入しにくく、適用できません。砂礫地盤にも適用できるとした選択肢1は誤りです。
ほかの選択肢が正しい理由も押さえます。
原位置ベーンせん断試験は、十字の羽根を回して軟弱な粘性土の非排水せん断強さ(粘着力)を測る試験です(選択肢2)。
岩石の点載荷試験は、載荷コーンで供試体を点で割り、点載荷強さから一軸圧縮強さや引張り強さを推定する試験です(選択肢3)。
シュミット式ハンマー試験は、反発度から軟岩〜硬岩の強度を推定する試験です(選択肢4)。
選択肢1が、試験法と適用の組合せとして最も不適当です。簡易動的コーン貫入試験=表層の軟弱層向け、砂礫・硬い地盤には不可と押さえます。
覚え方
- 簡易動的コーン貫入試験は表層の軟弱層向け(砂礫・硬い地盤には不可)
- 質量5kg・落下高500mm=打撃エネルギーが小さい→貫入抵抗の大きい地盤は苦手
- ベーン=軟弱粘性土のせん断強さ/点載荷=岩石の強度推定/シュミットハンマー=反発度で岩の強度
- 組合せ問題は「その試験が何の地盤・材料を対象にするか」で当否を判断する
理解度チェック
問題:簡易動的コーン貫入試験は、貫入抵抗の大きい砂礫地盤にも適用できる。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
簡易動的コーン貫入試験は打撃エネルギーが小さく、表層の軟弱層向けです。砂礫や硬い地盤には貫入しにくく、適用できません。
問題:原位置ベーンせん断試験は、軟弱な粘性土の非排水せん断強さを測る試験である。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
十字の羽根を回して、軟弱粘性土のせん断強さ(粘着力)を求めます。
出典・参考資料
- 一般社団法人 全国地質調査業協会連合会(全地連)「平成30年度 地質調査技士資格検定試験 現場調査部門 試験問題」
- 地盤工学会基準(原位置試験・室内岩石試験):簡易動的コーン貫入試験/ベーンせん断試験/岩石の点載荷試験 ほか
- 簡易動的コーン貫入試験の適用地盤・装置に関する技術資料
※ 各試験の適用範囲・装置は、地盤工学会基準の最新版で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年7月