ベーンせん断試験とは?軟弱粘性土のせん断強さ(粘着力)を測る
ちしつモグラ
ベーン試験って羽根を回して何を測るの?どんな地盤に使うの?
この記事の要点
- ベーンせん断試験は、十字の羽根(ベーン)を地中で回転させ、その抵抗から土のせん断強さを求める原位置試験。
- 求めるのは粘性土のせん断強さ(粘着力・非排水せん断強さ)。
- 向くのはN値2以下の軟弱な粘性土(粘土・シルト・有機質土)。
ベーンせん断試験(ベーン試験)とは、十字形の羽根(ベーン)を地中に押し込み、回転させたときの抵抗(回転トルク)から、土のせん断強さを求める原位置試験です。やわらかい粘性土の強さを、その場で素早く測れます。
何を求める試験か
回転抵抗から、粘性土のせん断強さ(粘着力 c・非排水せん断強さ)を求めます。これは斜面の安定計算や、軟弱地盤上の基礎・盛土の検討に使われます。
どんな地盤に使うか
ベーン試験は、N値2以下の軟弱な粘性土(やわらかい粘土・シルト・分解の進んだ有機質土)に用います。
硬い地盤や砂質土には向きません(羽根が入らない・抵抗の意味が変わる)。
やわらかい粘性土に限る点が引っかけになります。
あわせて整理:ベーン試験 と 標準貫入試験
ベーン試験はやわらかい粘性土のせん断強さを羽根の回転で測ります。
標準貫入試験は打撃回数(N値)で硬軟・締まり具合を調べます。
やわらかい粘性土の強さはベーン、締まり具合はN値、と使い分けます。
過去問での問われ方:何を求める試験か
ベーン試験は原位置試験で「何を求めるか」を問う形で出ます(R03現場調査No.34ほか)。
引っかけは求める量の取り違えです。
原位置ベーンせん断試験が求めるのはせん断強さ(粘着力)で、内部摩擦角ではありません。
「ベーン試験は内部摩擦角を求める」とするのは誤りです(R03のNo.34)。
各原位置試験が何を求めるかを次の表で押さえます。
| 原位置試験 | 主に求めるもの |
|---|---|
| ベーンせん断試験 | 軟弱粘性土のせん断強さ(粘着力) |
| 平板載荷試験 | 地盤の支持力・変形特性 |
| 孔内水平載荷試験 | 水平方向の変形特性(地盤反力係数) |
| 標準貫入試験 | N値(締まり具合・硬軟) |
ベーンだけ「内部摩擦角」「N値」と入れ替えるのが典型的な誤りです。
理解度チェック
問題:ベーンせん断試験は、十字の羽根を回転させて、軟弱な粘性土のせん断強さを求める。
〇か×か。
答えを見る
答え:〇
回転抵抗からせん断強さ(粘着力)を求めます。N値2以下の軟弱粘性土に向きます。
問題:ベーンせん断試験は、締まった砂質土や硬い地盤の強さを求めるのに最も適している。
〇か×か。
答えを見る
答え:×
ベーン試験はやわらかい粘性土向きです。締まった砂や硬い地盤には向きません。
ベーン試験は羽根の回転で軟弱粘性土のせん断強さ(粘着力)を測る。内部摩擦角ではない。
ここが出題の中心です。
出典・参考資料
- ベーンせん断試験の方法・適用(地盤工学会基準 JGS 1411 原位置ベーンせん断試験:羽根の回転でせん断強さ/軟弱粘性土N値2以下)
- 全地連 地質調査技士検定試験(R03 現場調査部門 No.34 原位置試験 ほか)。出題番号・正答は全地連公開の過去問・正答番号で照合。
※ 用語の意味を自分の言葉で書いています。最新の基準で確認してください。
※ この記事の確認日:2026年6月