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放射性物質の捕集・採取方法(ろ過・直接・冷却凝縮)|作業環境測定士

編集部

放射性物質も、捕集法の選び方は普通の有害物質と同じ考え方です。粒子か、水に溶けるガスか、不活性ガスか。ここで器具が決まります。不活性ガスを液体捕集にするのが定番の引っかけです。

この記事の要点

粒子状の放射性物質(金属:ストロンチウム・セシウム・ウランなど)はろ過捕集水に溶けるガス状(トリチウム化水蒸気)は液体捕集不活性ガス(放射性アルゴン・クリプトン・キセノン)は直接捕集または冷却凝縮捕集です。

引っかけは不活性ガスを液体捕集にする・直接捕集は種類や状態にかかわらず広く使えるとするパターンです。

放射性物質の捕集は、デザイン・サンプリングの問16あたりで毎年のように出ます。

捕集法の種類と同じく、物質の状態(粒子か、水に溶けるガスか、不活性ガスか)で捕集法を選ぶのが基本です。捕集後の濃度計算は放射性物質の濃度計算で扱います。

状態別の捕集法

放射性物質の状態捕集法
粒子状(金属など)ろ過捕集法ストロンチウム・セシウム・ウラン・ガリウム・タリウム
水に溶けるガス状液体捕集法トリチウム化水蒸気
不活性ガス直接捕集法・冷却凝縮捕集法放射性アルゴン・クリプトン・キセノン
ガス状(吸着できるもの)固体捕集法放射性ヨウ素(活性炭など)

不活性ガスは水に溶けず吸着もされにくいため、液体捕集やろ過捕集ではとらえられません。容器にそのまま採る直接捕集か、冷やして凝縮させる冷却凝縮捕集を使います。

採取の方法

  • 試料の採取は、単位作業場所ごとに、空気汚染が発生するおそれのある作業箇所の気流の風下など1以上の箇所で行います。
  • 試料採取点の高さは床上0.5〜1.5mが望ましく、長時間のサンプリングが必要な場合は床上2.0m以下で作業に支障のない高さとしてよいとされます。
  • 冷却凝縮捕集では、氷やドライアイスで凝縮させ、採取時に温度・相対湿度を測定しておきます。
直接捕集法は、電離箱や捕集用ガス容器に試料空気をそのまま採る方法で、不活性ガスなどに向きます。ただし「放射性物質の種類や状態にかかわらず広く用いることができる」わけではありません。粒子状物質はろ過捕集、水溶性ガスは液体捕集が適し、直接捕集は対象が限られます(令和7年8月 問16の論点)。

混同しやすいところ

不活性ガス と 液体捕集

放射性アルゴン・クリプトンなどの不活性ガスは、水に溶けず吸着もされにくいため、液体捕集では捕集できません。直接捕集または冷却凝縮捕集を使います。

粒子状の金属 と 固体捕集

ストロンチウム・タリウムなど粒子状の金属は、ろ過材でとらえる「ろ過捕集」です。ガス吸着用の「固体捕集(吸着管)」とは別物です。

直接捕集 の適用範囲

直接捕集は対象が限られます。種類や状態にかかわらず広く使えるとするのは誤りです。

過去問でどう問われたか

放射性物質の捕集は、デザイン・サンプリングの問16あたりで毎年(令和5年8月〜令和8年2月)、組合せの正誤や捕集の記述として出ます。

年度問われ方・引っかけ
令和7年8月問16「直接捕集法は種類や状態にかかわらず広く用いることができる」が誤り。
令和6年8月問16放射性タリウム × 固体捕集法が不適当(粒子状の金属はろ過捕集)。
令和5年8月問16放射性アルゴン × 液体捕集法が不適当(不活性ガスは直接捕集・冷却凝縮)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • 不活性ガス(アルゴン・クリプトン)を液体捕集にする(直接捕集・冷却凝縮が適当)。
  • 粒子状の金属を固体捕集にする(ろ過捕集が適当)。
  • 直接捕集を種類・状態を問わず使えるとする(対象は限られる)。

粒子状はろ過捕集、水溶性ガスは液体捕集、不活性ガスは直接捕集または冷却凝縮。不活性ガスを液体捕集にする・直接捕集を何にでも使えるとするのが定番の引っかけです。

編集部メモ

放射性物質の捕集は、放射性であること自体より「物質の状態」で捕集法を選ぶ点が問われます。普通の有害物質の捕集(粒子はろ過、水溶性ガスは液体、不活性ガスは直接・冷却凝縮)と同じ枠組みです。捕集法の種類物質と捕集器具の組合せも参照してください。

理解度チェック

問題:放射性アルゴンの捕集には、液体捕集法を用いるのが適当である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

放射性アルゴンは不活性ガスで水に溶けないため、直接捕集法や冷却凝縮捕集法を用います。液体捕集との組合せは不適当です(令和5年8月 デザイン・サンプリング 問16)。

問題:直接捕集法は、放射性物質の種類や状態にかかわらず広く用いることができる。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

直接捕集は不活性ガスなどに向く方法で、対象が限られます。粒子状はろ過捕集、水溶性ガスは液体捕集が適します(令和7年8月 デザイン・サンプリング 問16)。

問題:放射性物質の試料採取点の高さは、床上0.5〜1.5mが望ましい。

〇か×か。

答えを見る

答え:

採取点の高さは床上0.5〜1.5mが望ましく、長時間のサンプリングが必要な場合は床上2.0m以下で作業に支障のない高さとしてよいとされます(令和7年8月 デザイン・サンプリング 問16の論点)。

まとめ

放射性物質の捕集は、粒子状(金属)はろ過捕集、水に溶けるガス状は液体捕集、不活性ガスは直接捕集または冷却凝縮捕集、という状態別の選択が基本です。

採取は単位作業場所ごとに風下などで行い、採取点の高さは床上0.5〜1.5mが目安です。

引っかけは、不活性ガスを液体捕集にする・直接捕集を何にでも使えるとする、です。

参考資料

  • 放射性物質の状態別の捕集法(粒子状はろ過捕集、水溶性ガスは液体捕集、不活性ガスは直接捕集・冷却凝縮)、採取の方法(単位作業場所ごと・風下・採取点の高さ床上0.5〜1.5m)は、作業環境空気中の放射性物質の濃度測定に用いる試料採取方法および捕集法の基礎による。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(デザイン・サンプリング 問16、令和5年8月〜令和8年2月)にもとづく。不適当(誤り)とされた組合せ・記述は公表正答による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。