編集部
壊変で「原子番号がどう変わる?」が混乱しますよね。α壊変は原子番号-2、β−壊変は+1、β+と電子捕獲は-1。質量数が変わるのはα壊変だけ。表で一気に整理できます。
この記事の要点
放射能の単位ベクレル(Bq)は単位時間当たりの壊変数です。α壊変は質量数−4・原子番号−2、β−壊変は原子番号+1、β+壊変と軌道電子捕獲は原子番号−1(いずれも質量数は不変)。
核異性体転移は質量数も原子番号も不変。空気中の飛程はα線よりβ線が長く、放射能は半減期ごとに半分になります。
放射性物質取扱作業室の測定は作業環境測定士の業務で、放射能や壊変の基礎は分析に関する概論の問20で毎年問われます。
電離放射線の生体影響や放射性物質の濃度計算ともつながります。壊変での原子番号・質量数の変化が引っかけの中心です。
Bqは単位時間当たりの壊変数。α壊変は質量数−4・原子番号−2、β−壊変は原子番号+1、質量数は不変です。
放射能の単位ベクレル(Bq)は、単位時間当たりの壊変(崩壊)の数です(1Bq=1秒間に1壊変)。
「単位質量当たりの壊変数」「単位時間当たりの放射線の数」「被ばく線量」などとするのは誤りです。
被ばく線量はグレイ(Gy、吸収線量)やシーベルト(Sv、等価線量・実効線量)で表します。
| 壊変 | 放出するもの | 原子番号 | 質量数 |
|---|---|---|---|
| α壊変 | α粒子(ヘリウム原子核) | −2 | −4 |
| β−壊変 | 陰電子(電子) | +1 | 不変 |
| β+壊変 | 陽電子 | −1 | 不変 |
| 軌道電子捕獲 | (軌道電子を核内に取り込む) | −1 | 不変 |
| 核異性体転移(γ放出) | γ線(電磁波) | 不変 | 不変 |
質量数が変わるのはα壊変だけ(−4)です。β壊変・電子捕獲・核異性体転移では質量数は変わりません。
「核異性体転移で質量数が1増える」とするのは誤りです(核異性体転移は質量数も原子番号も不変)。
混同しやすいところ
α壊変 と β壊変
α壊変は質量数−4・原子番号−2。β−壊変は原子番号+1(質量数不変)、β+壊変・電子捕獲は原子番号−1(質量数不変)です。
核異性体転移
核異性体転移(γ放出)は質量数も原子番号も変わりません。「質量数が増える」は誤りです。
α線 と β線の飛程
空気中の飛程はα線よりβ線のほうが長くなります(α線は飛程が短い)。
放射能・壊変は、分析に関する概論の問20で6回連続(令和5年8月〜令和8年2月)出題されています。Bqの定義と壊変での変化が中心です。
| 年度 | 問 | 問われ方・引っかけ |
|---|---|---|
| 令和8年2月 | 問20 | Bqの定義=単位時間当たりの壊変数。質量当たり・放射線の数・線量とするのは誤り。 |
| 令和7年8月 | 問20 | 「核異性体転移では質量数が1つ増加する」とした選択肢が誤り(不変)。 |
| 令和7年2月・令和5年8月 | 問20 | 壊変形式と放出される粒子・電磁波の組合せ(α=He核、β−=電子、β+=陽電子、γ=電磁波)。 |
| 令和6年2月 | 問20 | 「空気中のβ線の飛程はα線より短い」とした選択肢が誤り(β線のほうが長い)。 |
| 令和6年8月 | 問20 | 半減期の計算(半減期12年で6年後の放射能を求める)。 |
引っかけは次の型に整理できます。
Bqは単位時間当たりの壊変数。α壊変は質量数−4・原子番号−2、β−は+1、β+・電子捕獲は−1、核異性体転移は不変。飛程はα<β<γです。
問題:放射能の単位ベクレル(Bq)は、単位時間当たりの壊変数で定義される。
〇か×か。
答え:〇
1Bqは1秒間に1壊変が起こることを表します。被ばく線量はGy(吸収線量)やSv(等価・実効線量)で表します(令和8年2月 分析概論 問20の論点)。
問題:核異性体転移では、質量数が1つ増加する。
〇か×か。
答え:×
核異性体転移(γ線放出)では、質量数も原子番号も変化しません(令和7年8月 分析概論 問20の論点)。
問題:空気中におけるβ線の飛程は、α線の飛程より短い。
〇か×か。
答え:×
飛程はα線よりβ線のほうが長くなります。α線は重く電荷が大きいので飛程が短く、すぐに止まります(令和6年2月 分析概論 問20の論点)。
放射能の単位ベクレル(Bq)は単位時間当たりの壊変数です。
α壊変は質量数−4・原子番号−2、β−壊変は原子番号+1、β+壊変と軌道電子捕獲は原子番号−1(いずれも質量数は不変)、核異性体転移は質量数も原子番号も不変です。
空気中の飛程はα線よりβ線が長く、放射能は半減期ごとに半分になります。
問20で毎年問われる引っかけは、Bqの定義、壊変での原子番号・質量数の変化、核異性体転移、飛程です。
参考資料
※ 最終更新:2026年6月
放射能(Bq)と線量(Gy・Sv)は別
放射能(Bq)は放射性物質が出す壊変の数で、物質側の量です。一方、人体が受ける影響を表すのは吸収線量グレイ(Gy)や等価線量・実効線量シーベルト(Sv)です。単位の意味を取り違えないようにします。生体影響の確定的影響・確率的影響は電離放射線と生体影響を参照してください。