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令和5年8月 作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問16を解説(放射性物質と試料捕集法の組合せ)

令和5年8月の作業環境測定士試験 デザイン・サンプリング 問16は、環境空気中の放射性物質と、その試料を採取する捕集法の組合せに関する問題です。

5つの組合せのうち、不適当なものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、放射性物質がどんな状態で空気中に存在するかで、適した捕集法が決まることを問うものです。

粒子状で漂う放射性物質はろ過捕集法、水に溶けやすいガス状のものは液体捕集法、という対応が基本になります。

引っかけの核心は、化学的に不活性で捕集液に溶けにくい希ガスに、液体捕集法を組み合わせているところにあります。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢2(不適当な組合せ)

各選択肢の正誤

選択肢適否解説
1○(適当)放射性のトリチウムを含む水蒸気は水に溶けやすいガス状なので、液体捕集法が適している。
2×(不適当)放射性アルゴンは希ガスで化学的に不活性、捕集液に溶けにくいので、液体捕集法には向かない。直接捕集法や冷却凝縮捕集法を用いる。
3○(適当)放射性ストロンチウムは粒子状で空気中を漂うので、ろ過捕集法が適している。
4○(適当)放射性セシウムも粒子状で存在するので、ろ過捕集法が適している。
5○(適当)ウランも粒子状(粉じん状)で扱われるので、ろ過捕集法が適している。

選択肢2のポイント(ここが不適当)

液体捕集法は、捕集液(吸収液)に試料空気を通し、対象物質を液に溶かし込んで採取する方法です。だから、捕集液に溶けやすい物質でなければ機能しません。

水に溶けやすいガス状の物質に向くのはこのためです。

放射性アルゴンのアルゴンは希ガスです。希ガスは化学的に不活性で、捕集液とほとんど反応せず液にもほとんど溶けません

そのため液体捕集法では空気中をすり抜けてしまい、十分に捕集できません。

希ガス状の放射性物質には、空気をそのまま容器に採る直接捕集法や、冷やして凝縮させて集める冷却凝縮捕集法を用います。

それを「放射性アルゴン × 液体捕集法」と組み合わせるのが不適当です。

他の選択肢は、粒子状の物質をろ過捕集法で、水に溶けやすいガス状の物質を液体捕集法で、と状態に合った捕集法になっています。

状態を見ずに捕集法だけを当てはめると引っかかります。

覚え方

  • 捕集法は物質の状態で決まる(粒子状=ろ過/水溶性ガス=液体)
  • 希ガス(アルゴンなど)=不活性で溶けない=液体捕集に向かない
  • 希ガス状の放射性物質=直接捕集法・冷却凝縮捕集法で集める
  • 液体捕集法が効くのは捕集液に溶ける物質だけ、と押さえる

理解度チェック

問題:放射性アルゴンの捕集に液体捕集法を使うのは適当か。

答えを見る

不適当です。アルゴンは希ガスで化学的に不活性、捕集液にほとんど溶けないため、液体捕集法では十分に捕集できません。直接捕集法や冷却凝縮捕集法を用います。

問題:放射性ストロンチウムや放射性セシウムにろ過捕集法を使うのはなぜか。

答えを見る

これらは粒子状で空気中を漂うためです。ろ過捕集法はろ過材で粒子を捕らえる方法なので、粒子状の放射性物質に適しています。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(デザイン・サンプリング)令和5年8月」公表試験問題 問16・公表正答。
  • 放射性物質の試料捕集法(ろ過捕集法・液体捕集法・直接捕集法・冷却凝縮捕集法)の対応は、作業環境測定の標準的なテキスト・解説資料による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。