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有害物質の物性(沸点・蒸気圧・気体の密度・極性)|作業環境測定士

編集部

「沸点が最も低いのは?」は揮発しやすさの問題です。沸点が低い・蒸気圧が高いほど揮発しやすい。気体の密度は分子量で決まります。物性は捕集法の選択にもつながります。

この記事の要点

沸点が低いほど・飽和蒸気圧が高いほど揮発しやすい。気体の密度は分子量で決まり、フッ化水素(分子量20)は空気(約29)より軽いです。

石英は遊離けい酸、正長石(長石)は遊離けい酸ではありません。コールタールは常温常圧で液体、アセトンはn-ヘキサンより極性が高いです。

有害物質の物性は、デザイン・サンプリングの問5・問6で問われます。

沸点・飽和蒸気圧・気体の密度・極性・遊離けい酸が問われ、これらは捕集法捕集器具の選択にもつながります。

状態(ガス・蒸気・粉じん)は有害物質の状態を参照してください。

揮発しやすさ(沸点・蒸気圧)

  • 沸点が低いほど揮発しやすい…エチレンオキシド(約11℃)・エチルエーテル(約35℃)などは沸点が低く、揮発しやすい物質です。
  • 飽和蒸気圧が高いほど揮発しやすい…ジクロロメタン・アセトンなどは蒸気圧が高く、揮発しやすい物質です。

揮発しやすい物質は蒸気としてばく露しやすく、捕集法の選択にも関係します。

気体の密度・極性・けい酸

物性内容
気体の密度分子量で決まる。フッ化水素(分子量20)は空気(約29)より軽い(密度が小さい)
極性アセトンはn-ヘキサンより極性が高い(ヘキサンは無極性)
遊離けい酸石英は遊離けい酸。正長石(長石)は遊離けい酸ではない(結合けい酸)
コールタール常温・常圧で液体
気体の密度は分子量に比例します。空気の平均分子量は約29なので、これより分子量が小さい気体(フッ化水素20、メタン16、アンモニア17など)は空気より軽く、大きい気体(二酸化炭素44、塩素71など)は空気より重くなります。遊離けい酸(石英・クリストバライト等)はじん肺との関係で重要で、長石のように他の元素と結合したけい酸(結合けい酸)は遊離けい酸に含めません。

混同しやすいところ

沸点 と 蒸気圧

沸点が低いほど、また飽和蒸気圧が高いほど揮発しやすくなります。どちらも「揮発しやすさ」を表しますが向きが逆(沸点は低いほど・蒸気圧は高いほど)です。

気体の密度 と 分子量

気体の密度は分子量で決まります。フッ化水素は分子量20で空気(約29)より軽く、密度は小さくなります。

遊離けい酸 と 結合けい酸

石英など二酸化けい酸そのものが遊離けい酸です。長石のように他の元素と結合したけい酸(結合けい酸)は遊離けい酸ではありません。

過去問でどう問われたか

有害物質の物性は、デザイン・サンプリングの問5・問6で、最も沸点が低い/蒸気圧が高い物質や、物性の正誤として出ます。

年度問われ方・引っかけ
令和6年2月問525℃で飽和蒸気圧が最も高い物質(ジクロロメタン)。
令和6年2月問6フッ化水素の気体の密度は空気より大きいとした記述が誤り(分子量20で空気より軽い)。
令和5年8月問51気圧で沸点が最も低い物質(エチレンオキシド)。

引っかけは次の型に整理できます。

  • フッ化水素の気体を空気より重いとする(分子量20で空気より軽い)。
  • 長石を遊離けい酸とする(石英が遊離けい酸、長石は違う)。
  • 沸点・蒸気圧と揮発しやすさの関係を取り違える(沸点低い・蒸気圧高いほど揮発しやすい)。

沸点が低い・蒸気圧が高いほど揮発しやすい。気体の密度は分子量で決まり、フッ化水素は空気より軽い。石英は遊離けい酸、長石は違う。フッ化水素を空気より重いとする・長石を遊離けい酸とするのがよくある引っかけです。

編集部メモ

物性の要点は、「揮発しやすさ=沸点低い・蒸気圧高い」「気体の密度=分子量で決まる」「遊離けい酸は石英・長石は違う」です。揮発しやすさは捕集法の選択、遊離けい酸はじん肺とつながります。

理解度チェック

問題:フッ化水素の気体の密度は、空気より大きい。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

フッ化水素は分子量20で、空気(約29)より軽く、密度は小さくなります(令和6年2月 デザイン・サンプリング 問6)。

問題:正長石は、遊離けい酸である。

〇か×か。

答えを見る

答え:×

石英が遊離けい酸です。正長石(長石)は他の元素と結合したけい酸で、遊離けい酸ではありません(令和6年2月 デザイン・サンプリング 問6の論点)。

問題:1気圧において、アセトン・エチルエーテル・エチレンオキシド・ジクロロメタン・二硫化炭素のうち、沸点が最も低いのはエチレンオキシドである。

〇か×か。

答えを見る

答え:

エチレンオキシド(約11℃)が最も沸点が低く、最も揮発しやすい物質です(令和5年8月 デザイン・サンプリング 問5)。

まとめ

有害物質の物性は、沸点が低いほど・飽和蒸気圧が高いほど揮発しやすくなります。気体の密度は分子量で決まり、フッ化水素は空気より軽い物質です。

石英は遊離けい酸、正長石(長石)は遊離けい酸ではありません。アセトンはn-ヘキサンより極性が高い物質です。

引っかけは、フッ化水素を空気より重いとする・長石を遊離けい酸とする、です。

参考資料

  • 有害物質の物性(沸点が低いほど・飽和蒸気圧が高いほど揮発しやすい、気体の密度は分子量で決まる=フッ化水素20は空気約29より軽い、石英=遊離けい酸・正長石(長石)=遊離けい酸でない、コールタールは常温常圧で液体、アセトンはn-ヘキサンより極性が高い)は、化学・作業環境測定の基礎による。沸点・蒸気圧の具体値は物性データによる。
  • 過去問の問われ方は、安全衛生技術試験協会の公表試験問題(デザイン・サンプリング 問5・問6、令和5年8月・令和6年2月)にもとづく。正誤は公表正答による。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。